2011年12月24日

嬉しいクリスマスプレゼント

東京でフリーランス通訳をされている方は、お仕事案件もバラエティー豊富です。その中からさまざまな業界で経験を積むことが可能です。

ただ、私の様な地方出身者はその地方に根付く業界で修行してフリーランスになることが少なくありません。言うまでもなく私は自動車業界でした。私の場合は車種プログラムを開発からマーケティングまで一連の流れを経験させて頂いたので比較的幅広く経験できたのですが、それでも開発寄りの仕事の方が多かったです。

そんな中、フリーランスになってからコンスタントにお仕事を下さるクライアントが西日本にあり、自動車とは全く違った業界です。そのクライアントの最初の仕事は「明日の朝一で上海に飛んでくれますか?」という問合せからはじまりました。「えっ!?…行きます。」と言ったのが午後4時前。

この時の出張そのものはとてもキツイものでした。しかし、世界的に有名なクライアントの最先端の施設を見学させて頂き、どうグローバルにマーケティング展開していくのかを社員さんと一緒に見せて頂いたこの出張は非常に印象に残るものでした。

2011年12月23日

2012/02/11 IJETプレイベント in 大阪 リターンズ!

IJET23(広島)開催まで、あと半年とせまってきました。運営委員会では翻訳・通訳者に役立つ情報提供、そして意見交換・交流の場を設けながら、IJET23の成功へつなげていきたいと考えています。

そしてIJETプレイベントin大阪リターンズということで、2012年2月11日(土)に二度目の大阪プレイベント開催が決りました!さらに、2月12日(日)には四国高松にて初のプレイベント開催(詳細は後日アナウンス)を致します。

第一部:双方向のコミュニケーションのための“ことば”~地域社会における翻訳/通訳ということ~
講演者:吉富志津代

■講演者紹介

NPO法人 FMわいわい専務理事
NPO法人 多言語センターFACIL 理事長
その他、詳しいプロフィールはこちら

■講演概要

世界のグローバル化により、多様な住民で構成される地域社会において、阪神・ 淡路大震災時を契機として始めた市民活動の経験から、社会におけるさまざまな 翻訳/通訳の実践例や東日本大震災の支援活動などを紹介し、地域社会の双方向 のコミュニケーションのための“ことば”の役割と、めざす多文化社会のあり方 を考える機会としたいと思います。

第二部:まずは年収500万!~いま、エージェントとの付き合い方を考える~

■パネルディスカッション概要

フリーランス翻訳者が納得できるレートで安定した収入を確保するには「ソースクライアント(翻訳を必要とする企業等)と直接取引する」ことが重要だと度々いわれます。ただ現実には、請求関係等の事務手続きを煩雑に感じる方や対人コミュニケーションがあまり得意ではない方もいるし、他にもスケジュール管理がしやすい、安定的に仕事を提供してくれるなどの理由から中間にエージェントを置くことを好む翻訳者が多数存在するのも確かです。本セッションでは翻訳会社社長、ソースクライアント、フリーランス翻訳者それぞれの視点から、「いま、エージェントとどう向き合うか/付き合うか」を議論し、当事者全員にメリットがある関係をどう構築できるかを検討します。

■パネリスト

石岡 映子(株式会社アスカコーポレーション 代表取締役社長)
立花 陽一郎(英日翻訳者)
山本 真実(英日翻訳者)
アレックス・ファレル(日英翻訳者)

日時:2012年2月11日 13:30~17:30
場所:貸会議室ユーズ・ツウ 会議室H
住所:大阪府大阪市北区梅田2-1-18 富士ビル3F

参加費:JAT会員は無料、一般は1,000円。

18時からハブ梅田茶屋町店で交流会を予定。

お申し込みはこちらのフォームから!

2011年12月15日

機械翻訳の可能性

機械翻訳というと一般的にWEBサイトで提供されているサービスでは、Google翻訳やExcite翻訳等があります。ただ、「機械翻訳」と言ってしまうと人の介在が皆無の印象を与えるため、場合によって「翻訳ソフト」という呼び方をするようです。翻訳ソフトは誰が使っても質の高い翻訳ができるというようなものではなく「専門知識と技能を備えた翻訳者によってその真価を発揮できる。(Wikipedia より)」…らしいです。

よく翻訳支援ツールを機械翻訳と勘違いする人がいますが、翻訳支援ツールはあくまでも翻訳を「支援するツール」であって、翻訳作業そのものは行いません。大きな特徴は、登録済みあるいは既出の単語やセンテンスをメモリーとして管理し、新たに翻訳する文章の中から、完全/一部マッチする登録単語/センテンスを見つけて訳出の候補として表示してくれることです。

翻訳者の方がこれを読まれている場合「今更、何を言ってるの?」という感じの事実ですが、今回は「機械翻訳」について書いてみようと思っているため、まずはその定義を明らかにして次に進めようと思った次第です。

2011年12月12日

通訳案内士による東電への賠償請求 その3

6.これからの通訳案内士業界について

ここまで見てきた通り、通訳案内士制度の長い歴史があるにもかかわらず、国家資格である通訳案内士の職業ではもはや食べていけない環境が出来上がってきたことが分かりました。その原因は、国の失策によるモグリ通訳案内士の横行と、それによる本職通訳案内士の仕事の激減、さらに通訳案内士の数の極端な地域的偏りです。そして今回の原発事故による観光客激減が追い打ちをかけた形でしょう。

ところが、ニュースを調べるうちにおもしろい記事に当りました。

通訳案内士による東電への賠償請求 その2

2.通訳案内士の稼働実態調査に関する考察

Travel Vision


通訳案内士の専業率は10%、年収100万円未満38%−国交省、課題解決へ調査


2008年9月1日(月)


国 土交通省は通訳案内士の就業実態を調査し、このほど報告を取りまとめた。国交省が通訳案内士の実態を調査するのは初めてのこと。通訳案内士については観光 立国推進基本計画で、2011年までに現在の23.4%増となる1万5000人に増加することが盛り込まれているが、就業機会の不足や通訳ガイドの質、無 資格ガイドなど、さまざまな課題が指摘されている。そのため国交省は、就業実態を明らかにし、今後の制度運用を充実させる目的で、2月から3月にかけてア ンケート調査を実施。1万403通を配布し、3446通の回答を得た。


こ れによると、有効回答者の年齢は50代が29%で最も多く、次いで40代が27.2%、60代が17.8%、30代が12.6%。東京都と神奈川が多く、 関東地域だけで全体の55%を占める地域属性の偏りがある。また、回答者のうち、通訳案内の就業者は26.4%の911名で、そのうち専業者は10.2% の353名。専業者の稼働日数は101日以上が33.1%だが、30日以下が28.3%と多く、年収は300万円以上が23.2%、100万円未満が 38.8%と、稼働率の悪さとそれに伴う低収入の実態が露呈した。


一方、通訳案内業に就業していない人は73%にのぼり、兼業者は回答者のうち16.1%。このうち、42%が将来、通訳案内に就業する意思を示し、34%が検討している。


今回の結果を踏まえ、国土交通省では今後、ホテルや旅行会社など関連業から出されていた客観的な意見や、日本観光通訳協会(JGA)などの団体からの意見を含めて総合的に課題を議論する場を設け、制度運用の充実に繋げる考えだ。
記事としては3年前のものですが法改正後に出たものですし、十分参照するに値すると思います。まとめると、専業就業者の割合が低いこと、資格取得者数に地域的な偏りが著しいこと、専業就業者であっても稼働率が悪く低収入であることが分かった、というものです。

通訳案内士による東電への賠償請求 その1

先日報じられたこのニュースの内容、東京電力を相手取り5月以降のキャンセル分についても風評被害による損害賠償を求める、というその行為自体に非常に違和感を感じました。

フリーランスとして稼働するものがはたして収入の低下について第三者に補償を求めることが可能なのか?という点、そして「風評被害」という言葉の定義を正しく理解した上での行動だったか?ということが、私にとっては大きな疑問でした。

Travel Vision
通訳案内士、東電に賠償請求、対象期間の拡大訴え



2011年12月5日(月)


JNTOによると、10月の訪日外客数は15.3%減。復調傾向だが、完全回復には程遠い(※写真は日光を訪れる外国人観光客の姿)
東日本大震災による原発事故被災者支援弁護団は12月5日、通訳案内士15名の代理として、原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介の申立をおこない、同日記者会見で発表した。


原発事故の風評被害で外国人観光客の減少が続く中、東京電力に対し、ツアーの予約解約や新規予約の激減などで通訳案内士が受けた損害の賠償を求める考え。請求総額は約2750万円とした。事故がなかった場合の見込み収入と比較して算出した減収分を請求するとともに、東電が賠償対象外とする、5月以降のツアーの予約解約についても賠償を求めていく。


東電は8月に策定された中間指針に基づき、外国人観光客に関する賠償について、日本全国の観光業を対象に、原発事故前に予約があり、5月末までに通常の解約率を上回る解約により発生した減収を損害と認定している。これに対し、弁護団は原発事故収束の目処が立たず、諸外国で渡航自粛勧告が継続しツアーの解約が続く中、時期の限定範囲が狭すぎると指摘。


また、事故の収束を期待して催行を保留したことで5月末以降の解約事例も多いという。今回の請求では10月末、もしくは11月末までの期間で賠償を求めた。さらに、新規予約の手控えに基づく損害について具体的な指針が示されていない点、請求の手続き方法が通訳案内士の実態と合っていない点も問題点としてあげた。


弁護団によると、東電からは代理人を通じて、中間指針で明示された類型以外の損害について「中間指針では本件事故との間に相当因果関係が認められる損害とされていない」ため、「原則として相当因果関係が認められていないと考えている」旨の回答があったという。


これに対し弁護団は、中間指針は被害に迅速に対応するため、指針が出せるものから順次提示していく性格のものだとし、「書かれていないから損害にならないとは言えない」と批判。弁護団長の丸山輝久氏も「東京電力との間では因果関係の問題について相当シビアな論争が繰り返されると思う」と述べ、「被害にあった皆様に対し全力を尽くしていきたい」と考えを示した。


弁護団では10月から団員30名による通訳案内士対応チームを立ちあげて対応しており、すでに80名の通訳案内士から相談を受けている。今回を第1回の申立とし、次回は1月末ころに和解仲介の申立をおこなう予定だ。


▽通訳案内士の被害甚大-FIT回復傾向も団体は厳しく


会見には、申立人として英語通訳案内士の井ノ口久利氏とフランス語通訳案内士の長野智行氏、業界団体として全国日本通訳案内士連盟理事長の山田澄子氏が出席した。井ノ口氏によると、同氏が担当していたアメリカの旅行会社は、参加者が集まらないため現在訪日ツアーの募集を中止しており、仕事が無い状況が続いている。井ノ口氏は東電と政府に対し「一刻も早く事態を収束させ、収束宣言を世界に出して欲しい」と訴えた。


また、長野氏によると、震災から11月まで20から30人規模の団体ツアーが11本107日分あったが、全てキャンセルとなった。FITからの新規予約も多少はあるが「フランスの団体予約はゼロ。年の瀬が近づくが、全く希望の光が見えていない。来年もこの傾向が続くのでは」と懸念を示した。貯金を切り崩したりアルバイトをしながら回復を待つ通訳案内士もいるが、「見切りをつけて転職を検討する者もいる」という。


こうした中、山田氏は「通訳案内士はインバウンドの最前線で働いてきた。この状況は職業として存亡の危機」と危機感を募らせる。山田氏によると、外国人観光客はFIT層は回復基調にあるが、団体は激減。韓国や中国からの訪日旅行ツアーは戻りつつあるが、安価なものが多く、資格を持たない在日中国人、韓国人がガイドをするケースが多い。同氏は「観光立国実現に向け、質の高いガイドの存在は重要」とし、通訳案内士の大切さを改めて認識するべきとの考えを示した。

2011年11月27日

「侍とキリスト」ザビエル日本航海記 ラモン・ビラロ 著/宇野和美 訳

夏前だったか、知合いのスペイン語通訳さんがTwitterで紹介しておられた歴史小説の訳書です。おもしろそうですぐに購入したものの、ハードカバーのため持って歩くのに難があり、しばらく本棚の端に積まれたままになっていました。ふと「この調子でいくとずーっと読まないかも…おもしろそうなのに。」と思い、読み始めてみることにしました。

そうしたら何とおもしろいこと!ほぼ2日で読み切ってしまいました。ストーリーもさることながら、それ以外の面でも十分楽しめました。

日本史の授業で誰もが習う、日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの日本での布教活動を書き表したものです。無実の罪をきせられ日本を逃れマラッカに渡った弥次郎という男と出会います。彼はポルトガル船で覚えたポルトガル語を話し、遠い日本についてザビエルに聞かせ、ザビエルはまだ見ぬ日本の思いをはせるようになります。そして、弥次郎を通訳として連れて日本へ渡り布教活動の旅がはじまります。

2011年11月19日

第5回学生通訳コンテスト(於 : 名古屋外語大学)

第5回学生通訳コンテスト 学生通訳コンテストのお知らせが舞い込んできました。コンテストは学生によるものですが、行われる講演や、審査員に名前を連ねている方々のお顔ぶれは蒼々たるものが有ります。フォローアップもしっかりしていて、2日目には医療英語のセミナーも開かれるうようです。

ご興味の有る方はぜひどうぞ!
私も前後の仕事の調整が付けば行ってみよう考えています。


第5回学生通訳コンテスト
Topic: 文化と医療 Culture and Health Care
主催: 名古屋外国語大学 現代国際学部
後援: 中日新聞 / The Japan Times 週刊ST / 愛知県教育委員会 / 愛知県
特別協力校: 東京外国語大学

日程: 2011年12月3日(土) 12:00~18:00 (予定)
場所: 名古屋外国語大学7号館B1階 701教室

出場校
大阪大学 / 神田外語大学 / 京都外国語大学 / 金城学院大学 / 神戸市外国語大学 / 神戸女学院大学 / 大東文化大学 / 津田塾大学 / 東京外国語大学 / 名古屋外国語大学 / 南山大学 (50音順) 計11校より参加

スピーカー
押味貴之 (日本大学医学部助教/医師・医療通訳者)
デボラ宮下 (豪州 マッコーリー大学大学院 通訳翻訳コース 講師)

審査員
原不二子(G7サミット、GATT閣僚会議、ILO総会など国際会議の同時通訳として活躍/(株)ディプロマット代表取締役)
関沢紘一(在日統合法務局米軍法律顧問、在日米海軍統合法務局国際法ディレクター)
実吉典子(清泉女子大学名誉教授)
同時通訳デモンストレーション:
柴原智幸(NHK放送通訳者・映像翻訳者として活躍中。神田外語大学専任講師)

講演:
「通訳者の喜怒哀楽-異文化の狭間で」新崎隆子(会議・放送通訳者、東京外国語大学 非常勤講師)

スケジュール:
12:00~ 開会式
12:30~ コンテスト開始
15:00~ 特別講演
16:00~ 閉会式(表彰式・講評)
17:00~ 懇親会

※ 一般の観覧も歓迎しています。入場無料。事前申込み不要。

問合わせ先:
名古屋外国語大学 現代国際学部事務室
〒470-0197 愛知県日進市岩崎町竹の山57番地
TEL: 0561-75-1725 / FAX: 0561-75-1729
e-mail: kumazaki@nufs.ac.jp (担当:熊崎)

医学会議通訳セミナー: 「文化と医療」を通訳する
講師: 押味貴之(日本大学医学部 医学教育企画•推進室)
内容:
第5回学生通訳コンテスト「文化と医療」の題材を使い、下記のトピックに関する逐次通訳を実践形式で学びます。
1. 災害医療
2. ナースプラクティショナー
3. 予防医学
4. 医療制度
5. 高齢者医療
6. 受診
7. 出産
8. オーダーメイド医療
9. 治験
10. がん治療
11. 医療倫理

***

学生通訳コンテストに参加した学生さんの体験を踏まえ、どういった訳が適切なのかを様々な視点からディスカッションしていきます。また通訳準備段階での医療英語の勉強法も紹介します。学生通訳コンテストに参加された方はもちろん、医学会議通訳に興味のある方は是非お気軽にご参加ください。

日時: 12月4日(日) 10:00-12:30
場所: 名古屋外国語大学 K402教室
交通案内: 地下鉄東山線 上社駅と地下鉄 鶴舞線 赤池駅からスクールバスが出ます。
     大学行き 9:10
     帰宅用スクールバスは、上社行 赤池行とも13:20です。

申込方法
下記をメールでishizuki@nufs.ac.jpまで送って下さい。締切は11月25日(金)です。
講義形態から、50名程度までの参加を想定しています。あまりに申込が多数の場合は、抽選させていただくことがあります。
住所
氏名
電話番号
学生の場合は大学名および学年

2011年11月17日

通訳批判の在り方 - ダライ・ラマ法王会見

自由報道協会主催で行われたダライ・ラマ法王の会見をご覧になった方はきっと多いのではないでしょうか。私もぜひリアルタイムで視聴したかったのですが、あいにく仕事だった為つい先日やっとYouTubeで視聴したところです。法王様は英語ネイティブではないものの、いわんとするメッセージのクリアなことこの上ないと感じました。

ところが偶然、法王様のこの会見における発言の通訳について「ニュアンスが違うのではないでしょうか?」と発言された方がいらっしゃるのを見つけました。マリア・リン・チェンさんという法王様が来日の際には必ず通訳をされる方で、法王様の著作の翻訳にも携わっておられる方です。(この方の経歴についてはコチラに詳しくありますので、ご興味が有る方はどうぞ。)以下の動画は実際にそれを語っておられる映像です。

 

このマリアさんの経歴や、彼女の通訳で法王様の講話を聞いた方々のブログ記事を拝見したりして、素晴らしい通訳をなさる方なのだろうと言うことが十分理解できます。ただ、上記の動画でなされた批判には少しフェアじゃないな…と感じています。
出来ればYouTubeサイトに飛んで「もっと見る」のタブをクリックしてみて下さい。

2011年11月13日

「PROJECT名古屋」に参加してきました。

先日11月12日(土)名古屋で行われたJAT主催のイベント「PROJECT名古屋」に参加してきました。 私は以下のセッションで、パネリストをつとめました。
15:30-16:45
How to earn the rate you deserve.
Cathy Eberst, Steven Venti, Mikako Miyahara
Joji Matsuo(MC)
レートの話は誰もが興味のある内容です。「稼げていること」は、フリーランスとしてどの程度成功しているかをはかる一つの指標と考えられます。そのため比較的大きなセミナー会場は大入りでした。しかもオーディエンスの中には超ベテラン翻訳者通訳者も数多かったため、珍しく人前でかなりの緊張してしまいました。

2011年11月3日

翻訳の品質

その他多くのサービスがそうであるように、翻訳には「翻訳(サービス)を享受する人が納得出来るレベルの品質が担保されている」というのは大前提です。どうも、それがあまりに当たり前すぎて、見落とされているケースが最近多い…という印象です。

先日、あるIT系のサイトのニュース記事翻訳が「まるで中学生が辞書と首っ引きでやったような翻訳だ」と叩かれている、という情報をTwitterで拾い、私も実際に見に行ってみました。

残念ながら全くその形容の通りで、機械翻訳を使ったのではないかと多くの人が推測するのも無理からぬ品質でした。いずれにしても、翻訳者の力量、翻訳者への(限られた?)報酬、翻訳時間、訳文品質のチェック体制等様々な要因がそれぞれ複雑に絡み合った結果だ、と言えそうです。

これ以外にも業界にいれば「全く酷すぎて使えずやり直した…」という話はよく耳にしますし、一般にもこの夏には「アインシュタイン-その生涯と宇宙-下」の出版で機械翻訳が使われ、全く読めない日本語の書籍が出版されてしまったことは記憶に新しいところです。

このIT系サイトの場合、専属翻訳者を数名雇っているようです。しかし、一般的に翻訳を依頼する場合は翻訳会社へアプローチして、コーディネーターと調整したのち、翻訳者へ依頼…というプロセスを経ます。もちろん、最終訳文は翻訳会社のチェックを経て依頼者へ返されることになりますから、そこで品質が担保されるというプロセスは少なくとも存在しています。(機能しているかどうかは別にして…)

しかし、そのプロセス全部あるいは一部WEB上で対応できるサービスが幾つか登場しています。以下のサイトもその1つです。おもしろいことに、プロセス効率化について触れられていますが、訳文の品質をどう担保するのか?ということには一切触れられていません。

2011年11月1日

翻訳を通してはじめて届く声がある

下記は本日付の地元紙「中国新聞」サイトのニュースです。翻訳者が大切な役割を担っているということを再認識するニュースです。にもかかわらず、こうした活動はボランティアの手を借りて行われることが非常に多いのが現状のようです。今回のこのニュースについてどうだったか?は私の知るところではありません。

6言語翻訳の被爆体験記公開

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は26日、アラビア語など6言語に翻訳した6人分の被爆体験記の公開を始めた。昨年、ロシア語など10言語に翻訳しており、同館の被爆体験記の翻訳版は計16言語となった。地下1階の閲覧室で読むことができる。

 アラビア語のほか、ヒンディー語、インドネシア語、マレー語、ウルドゥー語、フィリピノ語。平和記念公園内の原爆資料館はすでに同じ16言語の音声ガイド機器を来館者に貸し出している。

 翻訳は業者に依頼。体験記の6人は被爆時の年齢が8歳から31歳で、原爆で肉親や夫を失った悲しみや、その後の苦難、平和への思いをつづっている。言語ごとにファイルに収められている。

 松井悟副館長は「外国人の入館者には英語を読める人も多いが、母国語だと実感が格段に違うはず。多くの人に被爆者の肉声に触れてほしい」と期待している。

【写真説明】新たに6言語の翻訳版をそろえた被爆体験記
2011年11月1日付 中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201110270021.html
こちらの朝日新聞社のサイトでは、サイトの中の紹介文にもありましたが、ボランティアを募ったところ350名以上もの方が翻訳・プルーフリーディングに協力したとのこと。多くの人が被爆体験記を残し伝えることに使命感を持って取り組まれたようです。

お年を召された方の文章は時に独特のものもあったでしょうし、方言などで困ることはなかったのかな…と、実際に翻訳に携わった方にお話をうかがってみたい気がします。

2011年10月19日

10. IT業界と通訳準備 キーワードはクラウド! その2

ギリギリに資料が出てくることはよくあることなのですが、今回もまた、事前に用意されたのは二日間のAgendaとそれぞれのセッションのSynopsis、スピーカー名程度の情報だけでした。日本で開催された同類のセッション資料のコピーを、エージェントさんが気を利かせてくれて参考資料として送ってはくれたのですが、印刷物ざっと厚さにして12cmほど…。しかもあくまで参考資料…。心が折れそうになりながらも準備を進めました。


左:BOSCH通訳機器、今回は中国語、韓国語通訳とのリレーもあり入念にチェック
右:休憩中の一コマ。カンペが…。そして、おやつ持込みはあたりまえのブース(笑)

そこで、今回の準備についてまとめてみました。

2011年10月18日

10. IT業界と通訳準備 キーワードはクラウド! その1

このところIT関連の会議というと、ちまたで噂のクラウドコンピューティングが話題の中心です。ITといっても範囲が広く、単なる社内的なシステム移行の話から、ITベンダーの商品開発まで多岐に及びます。しかし、最近の大手企業の経営戦略には、業界での勢力拡大の手段としてクラウドコンピューティングがすえられているようです。

IT業界ではすでに長い間にわたりクラウドコンピューティングの概念と技術を開発してきました。それが証拠に一般にはあまり意識されていないもののAmazon, Google, Facebookなどの有名どころはクラウドの最先端を行く企業なのです。

今年になってやっと一般人にも見える形でクラウドコンピューティングが売り出されはじめたのは、ここ数年のファイル管理システム技術の進化により、プライベートクラウド、パブリッククラウドを柔軟に行き来できるようなデータベース/システム構築が可能になったという背景もあるようです。オープンソース時代の到来と共に一気に仮想化の概念と技術が普及したことで、クライアント側の開発環境も極めて進歩しました。

さらに何といっても、クラウドの一般普及への鍵となったのは、ネットワークの高速化が加速度的に進んだことです。ADSLに始まる、光ファイバー網、携帯回線のの高速化は、一般のモバイルユーザ-にとっても近年目を見張るものが有ります。

夏に大手IT企業の国際会議を担当しましたが、その時もやはり技術戦略の主軸に据えられていたのは「クラウド」でした。そして先週担当した、マカオでのある大手IT企業の国際会議でもこの「クラウド」は目玉でした。

2011年10月17日

第8回JAT新人翻訳者コンテスト

今年も日本翻訳者協会による新人翻訳コンテストが始まりました。お知らせの抜粋は以下の通りですが、詳細お申込みはコチラからお願いします。

このコンテストは、JAT会員非会員問わず参加可能です。そして第一位獲得者には来年広島で開催される日英英日翻訳国際会議(IJET23)への往復交通費、3日分の現地宿泊費相当が支給され、JAT年会費1年分無料となる豪華賞品!

翻訳をはじめて間もない方、これから翻訳を志してみようと思う方もどしどしお申込み下さい。

第8回JAT新人翻訳者コンテストのお知らせ

日本翻訳者協会はこの度、第8回JAT新人翻訳者コンテストを開催いたします。

本コンテストは、優秀な新人実務翻訳者の発掘と奨励を目的として、当会の設立20周年を記念して2004年に始められました。

主催: 特定非営利活動法人 日本翻訳者協会(JAT)

目的: 優秀な新人実務翻訳者の発掘と奨励

応募資格: 実務翻訳(放送・映像翻訳も含む)経験3年未満の方(JAT会員・非会員は問いません。過去のコンテストに応募した方も入賞者以外は応募可とします。)

応募部門:英日翻訳部門、日英翻訳部門

応募料: なし
各賞
第1位   英日・日英の各部門1名
副賞として2012年6月2日(土)3日(日)に広島で開催予定のIJET-23参加費、往復交通費、3日分の現地宿泊費、およびJAT年会費1年分無料

第2位   英日・日英の各部門1名
副賞としてIJET-23参加費無料、JAT年会費1年分無料
入選者 該当者があればJAT年会費1年分無料
出題・審査員
英日部門: 石原ゆかり、千桝靖、藤村聖志
日英部門: マルコム・ジェームス、ケン・ワグナー、ジェームズ・デービス
開催スケジュール

2011年10月17日(月)
   本サイトに日英・英日両部門の課題文およびコンテストの実施要綱を掲載

2011年11月18日(金)24:00(日本時間)
   訳文提出締切
2012年1月上旬
   最終候補作5件をウェブサイトで発表

2012年 3月上旬
   本サイトにて受賞者を発表(受賞者には直接連絡)

2012年6月2日(土)~3日(日)
   受賞者をIJET-23に招待


お問い合わせは contest@jat.org にお願いします。

2011年10月5日

プロジェクト名古屋2011

私が所属する団体JAT(日本翻訳者協会)主催のPROJECTが、今年は名古屋で開催される事になりました。昨年は9月のPROJECT東京に参加して、自分の気づきもしなかったような視点を沢山頂きました。今年も出席することになったのですが、今年はあるセッションのパネリストもつとめさせて頂く事になりました。

セッションは、私を含む三人のパネリストで行われる「いかにして正当な翻訳料金で仕事をするか」 [パネルディスカッション] です。なんだかドキドキのタイトルですよね(笑)?

三人の中で通訳をやるのは私だけなので、私は通訳の視点からお話する予定にしています。既にモデレーターや他のパネリストの間で意見交換がはじまっており、本番で中身の濃い話ができるよう準備が着々と進められています。

この他にも沢山の興味深いセッションが用意されています。詳しくは専用サイトが設置されていますので、そちらをご覧になって下さい。専用サイト:http://project.jat.org/ja/

開催の要領は以下の通りです。お近くの方、また遠方の方にとっても初心者には比較的リーズナブルに中身の濃い話を聞ける数少ないチャンスです。ぜひ、足を伸ばしてみて下さい。


PROJECT名古屋

【日時】
2011年11月12日(土)9:30~16:45

【場所】
• 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
• 名古屋駅より徒歩5分
• 日本翻訳者協会会員:7,000円
• 一般:8,000円

【交流会】
17:30~19:30 (参加費5,000円)
2011年に日本翻訳者協会が主催する最大のネットワーキング・パーティーです。翻訳・通訳業界の第一線で活躍する人たちと食事をしながら交流を深めましょう。翻訳者、通訳者、編集者、翻訳会社・通訳会社、学生、コーディネーター、新人の方、皆様を歓迎いたします!(ウエブサイトで参加申込時に、一緒にお申し込みください。)

お問い合わせ pn2011@jat.org


2011年10月3日

9. いつ、どこで役に立つのか?

何かを学ぶとき、これを学ぶと何かの役に立つ!と思って学習しはじめるものもあるでしょうが、語学はそういう類のものではないと言うことを忘れている人が多いように思います。

私が通った大手通訳学校では、通訳本科以前の通訳入門科のさらにその前の基礎科講座のレベルの生徒にまで「時事英単語表現集」という用語集を配っていました。これ、時事英語がとてもよくまとまっています。政治、経済、エネルギー、医療、環境…などとカテゴリー毎に単語が並び、その手の話になると普通に一般人が使いそうな単語や表現がギュギュッとつまっている。

ところが、入門科レベルから入学する人はある程度TOIECスコアも持ち、それなりに英語に自信のある方が入られています。そのためなのか…?時事英単語表現集の内容は「日常のビジネス通訳シーンではあまり出てこないような単語・表現ばかり。」という声を随分聞きました。

また、時事英単語表現集のみならず、通訳学校で扱う教材はノーベル賞受賞者のスピーチであったり、政財界大物のスピーチであったり、各国首脳の対談であったりと、とても仕事に就いたからと言ってすぐに通訳場面には出くわしそうにはない題材を扱ったものがほとんどでした。

実は恥ずかしながら私もそう思っていた時期がありました。当時はまだ仕事もしておらず、これが「何の役に立つのか?いつ役に立つのか?」サッパリ分かりませんでした。全くの想像力の欠如です。そして実際に、何人ものクラスメートが同じように「いつ何の役に立つのか分からない。」「私が求めていたものと違う。」と言って通訳学校を辞めてしまいました。

ですが、実際に仕事をするなかでは、あそこに出ていた単語でむしろ使わないものの方がめずらしいのです。

2011年9月28日

通訳は常に「黒子」か…?

最近、ザ・インタビューズというサイトに登録しました。登録すると別の登録者から質問を受けて、それに対して回答するというシステムです。でも、質問された人にはそれが誰による質問なのかは分からない仕組みになっています。ただ、このザ・インタビューズが惜しいのは、質問したい対象、回答を読んで見たいその対象の人物を検索することが出来ないことです。

なので、インタビューズを見て頂いた方には分かるのですが、そこで受けた質問について、ここでも少しづつ言葉を足して回答してみたいと思います。


通訳者として仕事をとるために必要なことで、礼節に気を配る、基本目立たないように心がける、準備を怠らない以外のことで言うと何がありますか?

「礼節に気を配る、基本目立たないように心がける、準備を怠らない」は、どれもおっしゃるとおりに基本であり、あまり取り立てて「心がける」という事を自分がしていないように思います。

長年社会人として生活していれば、礼節を怠らない、準備は怠らない、はどちらも身につけておきたいものでしょう。ただ少し気になったのは「目立たないように心がける」です。そして「通訳者として仕事をとるために必要なこと」という切り口でこれを捉える感覚でした。

以下は私の回答です。

2011年9月26日

Dubaiは宇宙ステーション?

たまには海外出張のご報告など。今年は年明けからかなりのペースで海外に出ています。今回のDubai出張は、ちょっと観光向けのdestinationではないし、一生のうちにもう行くことがないかも知れない、と思うような場所で、かなり興味津々でした。

香港でのトランジットでしたが、悪天候のため給油目的で一回台北空港を経由し、香港での乗り継ぎに間に合わず6時間以上を待ち時間として過ごしました。どうせ待つからには美味しい中華を…ということで、本場の中華をお客様と一緒に堪能しました。

残念だったのは、羽田空港の免税店で洗顔クリームを購入したのですが「この空港、Boarding Ticket見せろって言わないんだぁー」と思っていたら、まんまと香港で引っかかってしまいました。私がもつブランドといえば、唯一ブランド化粧品。ブランド品とはいえそれなりのお値段。とられてはたまらないと、必死に説明したところ、没収になるところを係員が「ここに規定の100mlの容器があるからこれに中身を移すなら持って行っていいよ。」と。もとの容器は容器自体の大きさが規定サイズを超えているのでだめだといわれ、泣く泣く承諾しました。

羽田から出る皆さん、100ml以上の容器は香港空港は通してくれませんのでお気を付けあそばせ!私のエスティーローダーの洗顔はポットに入れられ、オロナインみたいになりました…。

そして現地空港に着いたのは明け方5時半でした。朝早いにもかかわらず、沢山の人でした。とても近代的。最近のDubaiはリゾートとして人気があるようで、多くの観光客を目にしました。日本からの新婚旅行も増えているとか…



2011年9月25日

KAT翻訳セミナー in 広島 (IJET23プレイベント) 

来年のIJET23に向けて、先日大阪梅田で第一弾プレイベントが開催されましたのはご存知のとおりです。私も出張にいくのに途中下車して参加してきました。会場に立ち見が出るほどの大盛況!内容が非常に深く濃く、背景にある思想まで全部理解できたのかどうか…正直私は自信がありません。ですが、よくわかったのは自分はまだまだ勉強すべき事が山ほどあるということでした。とてもよい刺激になりました。

そして、今日ご案内するのは第二弾!今度は広島で翻訳セミナーを開催します。要領は下記の通りですので、皆さんふるってご参加下さい。


October 23 KAT Translation Seminar in Hiroshima

日時:2011年10月23日 13:30-16:30

場所:チサンホテル広島 会議室「Male III」
http://www.solarehotels.com/chisun/hotel-hiroshima/?cid=adws_spe_ex_612

住所:〒730-0016 広島県広島市中区幟町14-7
TEL:082-511-1333 / FAX:082-511-1383

参加費:JAT会員は無料、一般は1,000円 事前申し込みは必要ありません。

17時すぎより八丁堀付近で交流会を予定。詳細は後日。
お問い合わせはこちらまで: IJET-23@jat.org

2011年9月12日

8. 通訳メモの訓練-その2

通訳メモについておもしろいビデオを見つけました。これは英語→スペイン語通訳の例です。5分弱の英語スピーチを一度も休憩することなくメモをとり続け、取ったメモをもとに再生するというものです。


通訳メモを全く見たことが無い人は「なるほど…」と思うところも多いのでは無いのでしょうか。また、言語ペアが違うのでメモを見ても全てを理解することは出来ませんが、メモの取り方には言語ペアを問わず共通点があるようです。

2011年9月5日

8. 通訳メモの訓練-「思考の整理学」

「通訳さんはどうやってメモを取るのですか?」「さっきの会議なんですけど、議事録まとめるのに通訳メモを見せて頂けませんか?」と聞かれる(お願いされる)ことがあります。来年のIJET23に向けての準備の中で、仲間の翻訳者からも「通訳さんのメモ取りってどうやっているのか興味がある…」という声も聞かれました。

おそらく、通訳者のメモは速記のようなものだと思われているのでしょうが、実際には全く違います。速記はスピーカーの発言を間違い無く記録することを目的としていますが、通訳のメモはスピーカーの発言を理論的に捉え再生するための「記憶の補助」であるというのがその理由です。

私を含めほぼ全ての通訳者がそうだと思うのですが、自分のとった通訳メモを見せたい人はいないはずです。なぜなら、人様に見せてもとても解読できるような代物ではないからです。「実際に通訳する時」に「記憶の補助」として「自分にとって」解読できるレベルであれば何ら問題は無いわけです。つまり「後から見て」「第三者」が解読できる必要なないということです。

2011年8月29日

フリーランスとしてビジョンを持つ inspired by 「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」

「驚異のプレゼン」と内容がかぶるようならあんまりなぁ…と思いながら、最初の数ページを立ち読みしてすぐにレジに走った一冊です。まだ読み終わっていません。ですが、繰り返し本文中に出てくる「ビジョン」という言葉に、自分がかつて組織に勤めていた頃のことを懐かしく思い出し、同時にフリーランスとして働く今、自分はどういうビジョンをもって進むべきなのか、改めて考えるようになりました。

当然ですが現在は組織の中の人間ではありません。ですが、大学卒業してから5年半、そして派遣社員通訳として約10年と、二度ほど比較的長い時間を組織の中で過ごしました。

2011年8月28日

パスポート更新

10年前に取ったパスポートが今年末で有効期限切れだったので、今年の春頃から「早く更新しなくちゃ…」ととても気になっていました。ですが、更新に出すタイミングは結構勇気がいるものです。いつ仕事が入っても対応できる体勢にしておきたいからです。無事に夏休み中に更新処理はできたのですが…危なかった!




2011年8月26日

「IJET23プレイベント関西公演」突撃前【わいわいランチ会】

先日、9月17日(土)に行われるIJET23広島のプレイベント-関西講演会-についてはご案内しました。講演会後には交流会も企画されていますので、皆さんご都合つく方は是非ご参加下さい。

とはいうものの、実は私自身が出張対応のため、その日の夜は長居をすることができません。残念、つまらん…と思っていたのですが、フテクサレてもはじまらないので都合のつく昼間にランチ会を企画しました(笑)。

Twitter上で現在参加者を募集していますが、Twitterされてない方でももちろん大歓迎です。(ただし、下の告知板で参加表明するにはアカウントが必要です。) Facebookにも案内を出していますので、参加希望の方はご連絡下さい。

「IJET23広島プレイベント関西公演」に突撃する前の
ウォーミングアップ【わいわいランチ会】

2011年8月22日

出張先のネット環境(ポケットルーター)

ご存知のとおり、翻訳以外で通訳の仕事と言えばほぼ出張…な私です。ですが、出張先にいても自分宛にメールが入ることはありますし、他の仕事案件や問合せが入ることは少なくありません。(むしろ出張に出るのを見計らってメールが入ってくるのでは?と思うくらい、笑)また、出張案件関連の資料が直前になってメールされてきたりすることは珍しくありません。

以前は、普通の携帯電話を使っていましたが、iPhoneに変えてからはネットへのアクセスを心配する必要がなくなり、メールの確認程度であれば問題は無くなりました。ですが、急ぎの翻訳案件が入ったり、前述のように資料が直前にメールされる…ということも珍しくはありません。そんな時、やはりiPhoneでは画面が小さいこともあり、調べ物のスピードが落ちたり、あらゆる文書フォーマットに対応できないなど、やはりちょっと頼りない感じです。

最近は自分の中でルールを決めていて、2泊までの出張であればiPadを持って行き、それ以上の場合は重くてもPCを持って行くことにしています。でも、いずれの場合でもネット環境の確保は重要な問題です。

2011年8月20日

日本通訳翻訳学会 第12回年次学会

今年も通訳翻訳学会の年次学会が9月10日(土)11日(日)に開催されるようです。

昨年は、JATのPROJECT Tokyoというイベントがこの一日目とかぶっていました。一日目はPROJECT Tokyoに出席し、二日目にはこの学会に出席するつもりで申し込みも済ませていたのですが…。

急きょ入った、東京から名古屋→大阪→名古屋→福岡とアテンドする出張が入り、これが殺人的に準備が大変だったこともあり、出席を断念して仕事の準備に専念しました。


2011年8月16日

IJET23プレイベント 【関西講演】 フリーランス2.0~新しい情報環境と市場における「振る舞い」

来年6月2日ー3日に広島での日英・英日翻訳者国際会議IJET23が開催される事は既にご案内していますが、それに先立ち9月に大阪でプレイベントが開催されることになりました。

いきなりIJET23は敷居が高い…と思っている方、今回のイベントは割とリーズナブルに一般にも開放されていますので参加されてみてはいかがでしょうか?

急遽企画されたわりにプログラムはなんだかオモシロそうです!

【関西講演】 フリーランス2.0~新しい情報環境と市場における「振る舞い」

日時:2011年9月17日 13:30〜16:30
場所:阪急グランドビル26階会議室11
住所:大阪市北区角田町8番47号
参加費:JAT会員は無料、一般は1,000円 事前申し込みは必要ありません。


17時からハブ梅田茶屋町店で交流会を予定。
 

お問い合わせはこちらまで:mailto:kat@jat.org

2011年8月14日

IT通訳が得意?

フリーランス通訳になって「私はITが得意です。」という通訳さんによく出会います。でも…本当にIT詳しいのかな…?と、残念ながら時々そういう方に出会います。

私は大学卒業後にメーカー系のシステムエンジニアを5年ほどしていました。担当したのは製造業で、CADシステムを使った図面管理システムを含む生産管理システムの導入メンテナンスなどをメインに行っていました。

入社当時のプラットフォームは汎用機!5年勤めてやめる頃にやっとワークステーションが出てきた…という感じ、既に止めたのは15年近く前。ですから、「ITが得意!」とフリーランスになって当初言いたい気持ちもあったのですが、自分からはそれを前面に出しませんでした。

最初は職歴書を見たエージェントが「これだけ経験していたら全然違いますよ!」と言ってくださいましたが、それでもピンとこなかったのです。そのエージェントから最初に配置された先は某化粧品会社の物流管理システムの再構築プロジェクト。お客様に「これまで「『ITが得意』な通訳を配置してもらったものの、なかなか話が通じなかったけれど、助かった!」と、とても感謝されたのです。とても嬉しかったし「IT得意」という事に自信が持てたのを覚えています。

その後、ご一緒する「IT得意」通訳のペアの方にいろいろ話を聞いてみると、特にシステム関係の仕事のバックグラウンドのある方は本当に数少なく、多くの方が口にした得意の理由は「カタカナにすればいいだけだから」(!)という衝撃のものでした。

2011年8月12日

広島地裁主催セミナー予定

各地方裁判所では毎年、法廷通訳人対象に定期的にセミナーを行っています。ですが、地裁もなかなか業務が忙しく、全法廷通訳人に対して案内を早めに出す…ということはしていないようです。

毎年に開かれるのは、「基礎セミナー」「フォローアップセミナー」「(一般)セミナー」です。いずれも時期は決まっていないとのこと。先日私が広島地裁に問い合わせてわかった内容をご紹介します。

私は基礎セミナーを受けないままいきなり裁判を担当したのですが、言語は違っても手続き上の事を知るのであれば基礎セミナーも未経験者には役に立つと思っています。ただ、言語を超えての参加を裁判所はあまり積極的に受け入れる姿勢が無く(基礎セミナー以外でも)、ちょっと残念に思います。


以下は個人的に地裁に電話をして書き取ったものですので、お申込みの際は、ご自分でも必ず詳細内容をご確認下さい。 

【基礎セミナー】
開催場所: 広島地裁
言語: スペイン語
開催日: 9月16日
対象: 広島地裁登録通訳人 法廷未経験者 残念ながら定員(5人)に達しているとのこと。

【フォローアップセミナー】
開催場所: 高松地裁(広島地裁と毎年もちまわり)
言語: 北京語
開催日: 12月初旬(詳細日程未定)

対象: 広島・高松地裁登録通訳人 かなり経験のある通訳人

【法廷通訳セミナー】
開催場所: 広島地裁
言語: 英語
開催日: 10/11 9:30-17:00
       10/12 9:30-15:00
内容:  裁判傍聴 / 講義 /
      模擬法廷
          11日PM 自白ケース     12日AM 否認ケース
対象: 広島地裁登録通訳人 基礎研修終了者および同等レベル通訳人 

準備: 事前に模擬法廷用の準備教材が送られる。

2011年8月8日

広島市立大学国際学部で講演しました

去る7月7日(木)に広島市立大学国際学部渡辺智恵准教授による「通訳技法論」の講義に招かれて、学生達を前にプロ通訳者として講演をしてきました。

実は渡辺先生は私が通訳学校に入学して初めて教えて頂いた先生でした。当時は結婚前で姓も違ったし、私は不真面目でターム後半になると授業に行かなくなるようなダメダメな生徒だったため、後に少し上のクラスでお会いしたときには「アナタは居なくなると思っていたのに、まぁ!笑」と驚かれたことがありました。そんなダメ生徒にまさかこんな日が来るとは…!笑

この講演は、私が4月に行った「通訳・翻訳セミナーin広島」のUstreamが先生の目にとまったことがきっかけでした。通訳学校を卒業して随分経ち、先生と改めてお話するのもおそらく10年ぶりくらいです。声をかけて頂いたときにはとても嬉しかったと同時に感慨深いものがありました。

「基本的に内容は任せる。現在のプロ通訳者としての活動をまず紹介し、その立場から、勉強すれば必ず身につくことを具体的英語の勉強法にも触れながら話してもらえれば…。」という依頼でした。

当日は「自分の心の声に耳を傾けて、自分に必要なことが見えたら、とことんそれに取組もう。傾けた努力はアナタが誰であっても必ず実を結ぶ。」というメッセージを前面に出しました。具体的な勉強方法についても、最後にまとめて説明を加えました。




2011年7月31日

原不二子先生逐次通訳

先日、自由報道協会で行われた「小沢一郎×カレル・ヴァン・ウォルフレン公開討論会」がニコニコ動画で公開されています。私は単に「小沢一郎」の名前につられて動画を当日の夜視聴したのですが、なんと通訳はあの原不二子先生でした。


2011年7月23日

法廷通訳―リンゼイさん殺害事件裁判員裁判

ついにリンゼイさん殺害事件の犯人として殺人などの罪に問われた市橋容疑者に対し、本日無期懲役の判決が出ました。この事件には被害者のリンゼイ・アン・ホーカーさんのご両親が証言、傍聴していたため、一連の裁判には裁判所が指名した法廷通訳人がついていました。審理は7月4日に始まっていますが、判決の出た本日まで、たった一人の法廷通訳人で対応されていたようです。

このリンゼイ事件の裁判を巡る報道のされ方に、2つの点で問題があると感じています。まずは、通訳人の置かれた環境について法廷通訳・一般的な通訳の知識のない人にもわかるような解説がなされていない事があります。

2011年7月20日

法廷通訳ハンドブック(英語)の改訂版

つい先日、図書館で閲覧したい図書を検索していた時に偶然「法廷通訳ハンドブック(英語)」の改訂版が新たに法曹会から出版されているのを見つけました。2011年4月発行となっています。前回出版が1997年ですから実に10年以上前です。実はこのハンドブックですが、随分長い間"絶版"だったのです。

2011年7月19日

ビジネスの常識 - ローカルビジネスとのギャップ

経済水準が日本より低い国の国民は、日本語を勉強してある程度使える様になれば、日系企業などで働いて高給を取ることが出来る…と考える事は少なくないようです。特に、地理的にも近いアジアの発展途上国の人々にそういう傾向が高いのも不思議ではないでしょう。

ですが、ここには盲点があります。日本のビジネス習慣や、ビジネスに対する考え方と、彼らの国のそれとの違いです。日本はアジアの先進国として彼らの先を走っているわけですが、どうもその要因の1つは「グローバルビジネスの場での習慣に、日本人の気質・文化が比較的なじみやすい性格のものだった。」ということが有るようです。

その意味で、先日見つけたこの記事の「日本で学んだことは、規律、内規遵守、就業態度…」には非常に頷けるものがありました。

HOTMAN!News 社会とトレンド

越人実習生:日本の3年で変わる生活、帰国後も安定した職に

 「日本に渡って3年、彼らは数億ドンを貯金し、専門技術・技能、外国語、より良い就業マナーを身に付けることができた」駐日ベトナム大使館のNguyen Gia Liem労働管理委員長は、ホーチミン市で開かれた日本から帰国した実習生150人との対話の場でこう述べた。

■3年で貯めた5億ドン

 対外経済短大輸出入学部を卒業したTamさんは、送り出し企業Tradecoと契約し2006年7月27日、ある機械会社で働くために渡日した。働くこと3年、約5億ドン(約2万5,000ドル)の貯金ができた。その後Tamさんは手工芸品の生産工場を開き、自ら設計した木製の机を生産、店舗やレストラン、ホテルなどに納入し、月収1,500万ドン(約750ドル)と安定している。

 Nganさんは高校卒業後、Ben Tre省のココナッツ加工会社で3年働いたが、生活は良くならず、南部雇用開発センター(Hiteco)と契約し日本行きを決めた。契約を終えた彼女は5億5,000万ドン(約2万7,500ドル)を手に帰国、この資金で両親は魚養殖に投資した。

 日本に渡ったことで、Vanさん一家の生活は一変した。家族はとても貧しく、5人の子供を学校に行かせることもできなかったが、彼女が日本に行ったことで生活は改善、下の子は学校に行くことができた。

 日本で実習中のLiemさんによると、ほとんどの人が安定した仕事につき、平均月給は1,000ドル。契約が終わり帰国する時には、大半の人が平均4億~5億ドン(約2万~2万5,000ドル)の貯金がある。

■帰国後も安定した職業

 2010年7月に帰国したThanhさんは、石油パイプラインを製造する日系企業で働いている。同じ職種の人より給料は高いという。日本で学んだことは、規律、内規遵守、就業態度で、これが高い給料をもらえる理由と彼は話す。

 2004年7月から日本で働き、今はBinh Duong省Thuan An県の日系企業で通訳・翻訳者として働くTramさんの月収は800ドル。関東情報産業協同組合が最近ホーチミン市で開催した帰国生の同窓会では、調査した150人のうちほとんどが、帰国後に安定した職に就いていた。

 国外労働管理局によると日本は、労働者が帰国後に高収入の職を探せる労働輸出市場である。Tocontap Saigon社のLe Thi Thanh Huong社長によると、帰国した実習生の多くが技術責任者や工場長に選ばれている。Suleco社のTran Quoc Ninh社長によれば、同社が送り出し、契約を終え帰国した約2,500人の労働者のうち、60%は以前の会社で、30%は新しい会社で働き、5%が事業を立ち上げている。

(2011/07/16 03:02更新)
(Nguoi Lao Dong)

2011年7月18日

YouTube、日本語動画に自動で字幕つけられる新機能

今年の2月にお客様に同行した2011 Mobile World Congressの中で、会議開催にあたって日本の各社メディアが真っ先に取り上げたのがNTT Docomo提供のモバイルによる同時通訳サービスでした。このサービスはGoogle翻訳を取り入れ実現していることも当時話題になりました。実際に私もデモを目の当たりにして「ここまで進んでるのか…」と驚いたものです。

デモのみならず、以降も市場への積極的な適用が相次いでいることは、最近Google翻訳のニュースが報じられる頻度を見れば一目瞭然でしょう。そしてまた、新たにYouTubeで字幕へ適用され、自動翻訳技術が提供できる可能性はさらに広がりを見せているようです。


YouTube、日本語動画に自動で字幕つけられる新機能
cnet Japan 鳴海淳義 (編集部) 2011/07/15 11:55

グーグルは7月14日、YouTube動画に自動で字幕をつける「自動キャプション機能」の日本語版を公開した。音声認識技術を使って日本語の動画に自動で字幕がつけられるようになった。自動翻訳機能も組み合わせると、手間をかけずに多言語の翻訳字幕もつけられる。

 YouTubeにアップロードされる動画は1分間に48時間にのぼる。この膨大な量の動画を広く視聴してもらうために、グーグルは3年前からキャプション機能の開発に取り組んできた。キャプション機能を実装することで、検索性を向上させること、言語の壁を越えること、耳の不自由な人にも楽しんでもらえるようにすることが可能になるという。

 たとえば東日本大震災の被災地である南相馬市の桜井市長が語るYouTube動画は、英語の字幕がつけられたことで、世界中に発信され、多くの関心を集めた。  ただし字幕の作成と編集は煩雑な作業を要する。グーグルは「キャプションエディター」というツールを実験的に提供しているが、字幕テキストと音声のタイミングをあわせるのが難しいという。

 そこで1年半前に、キャプションの自動同期機能を用意した。テキストデータをアップするだけで、音声認識技術を使って、動画と音声が自動的に同期するというものだ。この機能は2011年3月から日本語にも対応。震災関連の動画に素早くキャプションをつけられるように開発された。

 YouTubeの字幕に関する最新のテクノロジが、今回発表された自動キャプション機能だ。音声認識技術を利用しているため間違いも発生するが、1年前から提供されている英語版では継続的な開発により、字幕内容の間違いが20%減少しているという。

NHKのニュース動画の再生画面で「音声を文字に変換」ボタンを押すと、音声認識技術により日本語字幕が自動で表示されたNHKのニュース動画の再生画面で「音声を文字に変換」ボタンを押すと、音声認識技術により日本語字幕が自動で表示された

 日本語版がリリースされたことで、日本語の音声が入っている動画であれば、自動で日本語字幕が入るようになった。YouTubeの視聴画面にある「cc」というボタンを押すと表示される。自動翻訳ボタンを押せば、そのまま多言語字幕の表示も可能だ。

 この機能は現在YouTubeにアップロードされている4000万点の動画で利用できる。自動で字幕がつけられた動画はすでに2300万回視聴されている。ユーザーからの注目度も高く、手動で字幕が作成された字幕の数も3倍に増えたという。

 YouTubeプロダクトマネージャーのブラッド・エリス氏は、「自動キャプション機能により日本国内にあるコンテンツを海外にも発信できるようになる。自動翻訳を使えば日本語がわからないユーザーにも届く。この新機能がYouTubeのユーザー体験を向上させることを期待している」と述べた。


2011年7月11日

7. 通訳者の職業倫理

今日こんな記事を見つけました。


憂楽帳:振り子の国

 今春、米国務省の招聘(しょうへい)プログラムに参加した際、ワシントンDCで中国の一行と一緒に講義を受ける機会があった。講師はジョージタウン大のムハレル・レオン博士。「米国の政治システム」のテーマで随所にQ&Aを交え、自由闊達(かったつ)な雰囲気の中で進んだ。

 民主主義の基本といった内容だが、軽快な語り口で飽きさせない。米国旗を燃やした男が無罪となった判例を基に「個人主義」や「表現の自由」を考えさせたかと思えば、メディアの重要性を論じたり。だが、中国の言論弾圧に及んだ途端、雰囲気は一変した。中国の通訳者が以降、一切の同時通訳を放棄したからだ。

 不穏な空気の中、博士は語り続けた。「寛容性が国を強くする。それは異なる意見にも耳を傾けるということだ」。通訳は訳すのを拒み続けた末、事態がのみ込めない自国の3人を引き連れて、時間きっかりに教室を後にした。

 滞在中、アジア情勢の専門家から聞いた「二つの中国」という言葉を思い出した。地域のリーダーとしてプラスの役割を担うのか、不安定要素となるのか。振り子のように揺れていて、まだ先行きは読めない。【鈴木美穂】

毎日新聞 2011年7月4日 西部夕刊


2011年7月10日

震災・津波・原発事故についての情報把握

震災・津波・原発に関連して二冊続けてご紹介しました。 震災・津波・原発事故で、日本人は物理的にも精神的にも以前の生活を取り戻すことが出来ずにいます。或いは、もう日本は変わってしまったと言うべきなのかも知れません。震災以前にはどうやっても戻ることはできないのでしょう。

震災直後から直接津波や原発の被害にあわれた方にかける言葉がなかなか思いつかない…というか、言葉をかけること自体が私にとっては恐怖でした。それは、私が西日本在住で余震の怖さすら経験していない、メディアから得るつたない情報だけを頼りに頭でしか理解しておらず、実際に被災し、大切な人を亡くした状況にはないからでした。

2011年7月8日

「福島第一原発と放射線」 水野倫之/山崎淑行/藤原淳登 著

原発について知りたいと思うものの、難しいデータばかりをあげつらって解説した専門的なものはついて行けないし、逆に一方的に「脱原発!(*)」を前面に出した本は、なんとなく客観性を欠いているのではないか…?と感じて手が伸びずにいました。

この本の購入を決めまたのは、帯にあった「ニュースも超えるわかりやすさ!NHK解説委員と記者が答えます。『正しく恐れる』ための一冊。」という文句を見たからです。

「風評被害 そのメカニズムを考える」 関谷直也著

その題名からだけだと、震災に関連して書かれたものかどうかはハッキリ分りません。実はこの本を手にした理由はそこでした。でも、実際には震災後に書かれたものです。

しかし、今回の震災に偏ることなく「風評被害」の言葉の定義、から発生と拡散のメカニズムを、言葉が使われ始めた過去から現在に続く時系列で詳しく解説しています。

2011年6月30日

6. 仕事の準備(スピーチ編)追記

先日の記事ですが、公開直後からいつもにない勢いで閲覧していただいているようで、皆さんの興味の高さがうかがえます。その中で、仙台にお住まいのフリーランス(英語)通訳者@kmicoco(Mihoさん)から逐次のスピーチの場合に考慮する点についてTweet頂きました。

よく考えて見たら確かにそうです。同時通訳と逐次通訳の場合では現場での準備がずいぶん違います。その点について幾つか追記しておきます。

2011年6月26日

6. 仕事の準備(スピーチ編)

昨日Twitterで「スピーチの通訳準備はどうやってる?」と聞かれたことから、私なりの準備方法をシェアしました。でもよく考えてみると、通訳学校では題材によってどう準備するか?は殆ど教えてくれませんでした。

ほぼ毎回、次回の課題テープか原稿を渡され「準備してきて下さい。」とだけ言われていた記憶があります。「準備の仕方は自分で考えなさい。それも勉強です。」という事も有るのでしょう。通訳学校が長かった私は、題材によって勉強の仕方、効率の上げ方はそれぞれ違っていると考える様になりました。

今回はスピーチ編です。Twitterで私のやり方をシェアしたところ、関西でフリーランス(英語)通訳をされている @chizuko_h (Hanaoka Chizuko)さんからも「これでいいのかな?って思いながらやってたから、美佳子さんの話をきいて安心しました。」とコメントを頂いたので、準備内容としては複数通訳(笑?)の実績があるため信頼してもらってよいと思います。

また、他の人はどうしてるんだろう?と関東のフリーランス(中国語)通訳 @Kana_Hashimoto (橋本 佳奈)さんが疑問を投げて下さったことで、このまとめが出来ました。私も聞かれてみて、改めて「そういえば私はこう意識してやってるなぁー」と気付いたこともあり、そういった内容や、彼女の視点も含めています。

おそらくプロ通訳者はみんなそれぞれの方法で準備していると思います。ですからこれはあくまで私達が考えるやり方であって、王道でも何でもありません。他にこんなやり方があるよ!と言う方がおられたら、ぜひシェアしていただけると有りがたいです。

橋本佳奈(@Kana_Hashimoto)さん、Hanaoka Chizuko( @chizuko_h) さん、ありがとうございました!

2011年6月22日

日英・英日翻訳国際会議 広島(IJET23)

5月にシアトルで開催されたJAT(Japan Association of Translators)/日英・英日翻訳者協会主催の日英・英日翻訳国際会議IJET(International Japanese English Translation)Conferenceへの出席については、以前このブログでも書きましたが、本日は来年行われる「IJET23 in 広島」のご案内です。

会期:2012年6月2日(土)・3日(日) 「とうかさん」の週です。
会場:広島国際会議場

実は初期メンバーでの活動の開始は、思えば昨年の5月でした。すでに、この時期には会場の下見を始めていたように記憶しています。この会議の運営委員メンバーの志気の高さがおわかり頂けると思います。


現在、運営委員メンバー総勢10名強がすでに何度もスカイプ会議を開くなどして、プログラムの内容もどんどん具体化に向けて動き出しました。ちなみに、運営委員長は4月に広島でセミナーを共催したときの相棒・大越正浩さん(office-UNITE)で、私は副委員長を務めています。

広報やWEB担当もすでにやる気全開で、例年にないスピード!とJAT理事会に言わしめる速さで動いており、また、今までにないアプローチも展開中です。

WEBサイト:










内容はまだまだこれから充実させていく予定です。

2011年6月20日

「オシムの伝言」 千田善 著

いつだったか、著者の千田さんのサイトを拝見して「いつか読んでみたい。」と思った本でした。ただ、私自身特にサッカーが大好きというわけでもなく、なかなか手が伸びなかったのですが、出張先で立ち寄った本屋で偶然発見し、なぜか(笑?)ここであったが百年目の勢いで即買いしました。

いざ読んでみるとサッカーファンで無くとも引き込まれる内容でした。それはオシムさんの人柄でもあり、千田さんの人柄でもあるように思います。

そして、全編通して私が強く感じたことは、人間にとっての言語・言葉の重要さです。これは、後半部分でハッキリとサッカーとの関係で、千田さんとオシムさんの口からも語られています。

2011年6月16日

5. 派遣で働く-自律した働き方

去る5月29日夜、Ustreamで出張先のホテルの部屋から「お気楽じゃだめよ!派遣社員」と題してライブ放送をしました。手に入れたばかりの慣れないガジェットからの放送だったため、音声が最初途切れたりと視聴していただいた皆さんには大変ご迷惑お掛けしました。ごめんなさい。

今回、通訳学校で教えてくれない事シリーズでこの「派遣で働く」を取り上げるのには、二つ理由があります。一つはモチベーションの維持。そしてもう一つが通訳(専門)キャリアのスタートです。

通訳学校に行くようになると、後はもう勉強するのは当たり前…とは言いつつ、あんなに高い受講料を払ったのになぜだかやる気が続かないというのは、恥ずかしながら私も何度となく経験しています。通訳学校で講師やクラスメートに刺激を受けながら「やるぞー!」と気を取り直すことも有りますが、それだけではやはり長続きしません。ずばりそれは、緊張感が足りないからです。

そして、本ブログの「通訳学校では教えてくれないコト」をちゃんと実践していれば、今の段階であなたは英検一級を保持し、やる気満々!通訳に絶対になりたい!と希望に燃えているはずです。ところがそんなあなたにも「萎える」時は必ず来ます。だって、人間だから具体目標の見えないことに向けて頑張ることには、やはりインセンティブが無いと難しいのです。

インセンティブといっても何か自分にご褒美を買ってあげるとか…そう言うことではありません。茂木健一郎先生言うところのアハ体験です。ここでいう「アハ体験」は、通訳をする作業が快感と思えるような体験をすることで「通訳をしたい!」と自分自身から思うようになること、と私は解釈しています。でも、本当にそうした経験をするには、自分の頭で考えて自律した働き方を意識することが重要だと私は思うのです。例えば以下は、ものすごい希望的観測で「何も考えなくても上手く行っちゃった」的パターンです。

2011年6月15日

「翻訳・通訳とフリー」アイデアコンペ結果発表

遅まきながら御報告です。去る6月4日「翻訳・通訳とフリー」アイデアコンペの結果発表が行なわれました。詳しくは 関根マイクさんのサイトをご覧ください。

私のアイデアの結果は同率三位でした。投票いただいたみなさん、大変ありがとうございました。私自身は、(私自身のアイデアと)一位になった関根さんの「医療通訳とフリー」にとても可能性を感じて投票しました。「医療通訳とフリー」のアイデアは、言語通訳に限らず、手話通訳や、専門の医療従事者で個人が負担するには高コストの職種に適応出来るのではないかと考えます。実現可能性も高いのでは?とあまり根拠なく直感で思っています。

私のアイデア発案についてですが、日頃考えている「交通費の問題をどうクリアできるか?」という疑問がキッカケでした。順番として逆になってしまいましたが、発案のバックグラウンドを少し詳しく説明します。

2011年6月1日

「国際共通語としての英語」 鳥飼玖美子 著

注意:
書評というよりはかなりネタバレ的な内容です。ごめんなさい。

以前「英語と日本語のあいだ」菅原克哉著について書評を書いています。しかしそれは、最近のコミュニケーション力重視の学校英語教育に危機感を覚え、訳読(文法学習)の重要性を肯定しつつも、本当にそれ一本槍でよいのか?偏重しない、英語の筋肉を鍛えるやり方があるのでは? という疑問満載なものでした。

この本は、その疑問の本質を明らかにし「新しい英語学習・教育」のあり方の概念を提示してくれました。そしてさらに、なぜ共通語としての英語なのか?についても、圧倒的多数の英語ノンネイティブとしての立場から定義付けをし、対応の仕方を大胆に示しています。

以前の私は「英語を国際共通語」と表現する事にとても違和感がありました。事実上、最も世界で共通語としての扱いを受けているのは承知しています。でも、その事実のみで「共通語」という位置づけで捉えて良いものか?と疑問に思っていました。

2011年5月31日

「翻訳・通訳とフリー」アイデアコンペ 投票フォーム

各翻訳・通訳者が発表したアイデアに対する投票が今日から始まりました。単一IPアドレスから一回だけ投票が可能です。

他の皆さんのアイデアに感心してばかりで、全然勝つ気がしません、笑。もう一つアイデアもあったのですが、投票も始まってしまったし、皆さんの想像力に圧倒されてアップするのを断念しました。

どんな結果になるのか楽しみです。
それぞれじっくり読んで見て、どしどし皆さん投票して下さい!


ちなみにリアルタイム投票結果は→コチラ


2011年5月26日

「翻訳・通訳とフリー」アイデアコンペ

「翻訳・通訳とフリー」アイデアコンペに参加することにしました。というか、ひっぱり出された感が無くもないのですが、考えはじめると結構楽しいのです。まだまだ、世の中フリーミアムのモデルがいくらでも考えられるのではないでしょうか?

■Interpreter Search - "Yours"
なんだかCatchyな名前が思いつきません、笑。

■概要

直接的内部相互補助モデル?通訳料は高い…。それに加え、通訳者の少ない地方で通訳を手配する場合には交通費がクライアントにとって大きな負担になっている事は少なくない。そこで、近くにいる通訳者にリーチできる手段を提供する。ただし、無料でリーチできる範囲は経験の少ない通訳者のみ。こうする事で地方在住の駆け出し通訳にも経験を得るチャンスが生まれる。一方、有料会員には、レベル情報も公開することで、会議の内容に応じた通訳手配を可能にし、なおかつ交通費を部分負担/負担なしとする。ただし、レートの公開はしない。

2011年5月20日

日英・英日翻訳国際会議 シアトル(IJET22)

アメリカのシアトルで、去る5月14日(土)ー15日(日)に日英・英日翻訳者会議が開催されました。これはわたしが所属する日本翻訳者協会(JAT)が主催して、毎年海外の英語公用語国と日本と交互に会場を移しながら行っているものです。

私もこの会議に出席してきました。はるばる広島から(笑)! この会議は毎年、翻訳・通訳技法のワークショップをおこなったり、さらにはそういった技術的なことにとどまらず、翻訳者・通訳・フリーランス、翻訳・通訳エージェントなど様々な観点から興味深いトピックをプログラムとして提供しています。

出席しているのは日本翻訳者協会の会員だけではありません。提供されるプログラムは非常に毎年評価が高く、会員以外の翻訳・通訳者も数多く参加しており、中には実力ある有名な翻訳・通訳者も数多くいます。

今年はフリーランスのソーシャルネットワークツール活用法についての講演や、日本の震災復興の為にボランティア活動に通訳として参加した方の体験談を語ってもらうセッションなど、タイムリーなトピックもしっかりカバーした興味深いものになっていました。

2011年5月18日

「ら抜き言葉」と方言

先日、ある何気ない日常会話をある通訳翻訳者としている時に「通訳翻訳する人に平気で『ら抜き言葉』を使われると、フツーにテンション下がる…。」とバッサリ切られてしまいました。

私自身も実はら抜き言葉は気になる方ですし、敬語をきちんと使えない人には心の中でイラッと来るタチであるため、正直これを聞いたときには「えっ…私がら抜き言葉喋ってる?」とかなり衝撃でした。


実際、自分の使った言葉、喋ったことばの響きに特に違和感がなかったので、その通訳翻訳者の言った事が本当なら、私は自分の喋る能力について飛んでもない誤解をしていたことになります。これにはかなり焦りました。

ちょうど、会話していた状況が体調も最悪の状態の時だったこともあり、そのため思わず変なことを口走ったのかしら…とか、アレコレ考えてみたのですが、少し頭がスッキリしてから考え直してみるとすぐに理由が分かりました。それは、方言、私が喋っていた広島弁でした。

2011年5月10日

「日本人が必ず悪訳する英語」越前敏弥 著

実はこの本、3月からずっと隙間時間に読む本として持ち歩いていたのですが、なかなか読み進められませんでした。つまり…あんまり楽しんで読めなかったのです。なので、当初書こうと思っていた書評も書くこと無いだろう…と思っていました。

内容は、文芸翻訳志望者に対する「譲ってはいけないコト」「必ず検証すべきポイント」等のまとめに、筆者が文芸翻訳をするに至った経緯や、経験した難しさや面白みを語ったインタビューを合わせたものになっています。

2011年5月5日

ニーズ高まるコミュニティー通訳

今年に入ってからコミュニティー通訳のニーズの高まりが顕著に見られるニュースが相次いでいます。でも、日本が本当にサービス大国としてこれからの復興にかけていこうとするのであれば、通訳要請のあり方や通訳者の身分保障について、行政サイドの足並みのそろった取り組みが必要だと思います。最近のいくつかの出来事から、こうしたことを強く考える様になりました。

厚生労働省が医療観光を全面的に打ち出して以来、大手通訳学校をはじめとした通訳養成機関では医療通訳になることを目的とした講座開講が目白押しのようです。医療通訳とは何か?といったようなセミナーも最近は聞かれるようになりました。

基本概念は、日本の進んだ医療技術を”売り”にして海外から観光客を呼び込みお金を落としてもらう、というものだと理解しています。日常生活でさえことばの壁は厚いため、医療機関での稼働に対応できる通訳の育成は尚更急務です。

2011年4月30日

iPad2吹き替え動画…ついに!

iPadの広島弁吹き替え動画が出た時ほど、広島人として広島弁を誇りに思ったことはありません(意味不明、笑?)

これは理屈では説明できないほどの感動です。「ことば」と「ことばの持つ力」を知り尽くすした人にしか出来ない秀逸な作品に今回も仕上がっています。

実は、先日の「通訳・翻訳セミナーin広島」にも来ていただいていたそうなのです。後から、協力してもらった仲間に聞いて「しまった…!」と思いました。どのようにしてこの作品を作り上げているかは、ご自分のサイトに詳しく解説されているのですが、ぜひ直接お話を伺いたかった。残念です。


見ているものに正確に情報を伝え、スピーカーの意図する感動をオーディエンスの中に呼び覚ます。 これこそが真のコミュニケーション!

コチラでは皆さん、とにかくご堪能ください!


2011年4月25日

社内通訳からフリーランス通訳になった訳

昨日開催の「通訳・翻訳セミナー in 広島」の中で今ひとつフリーランス通訳になった理由をわかりやすく説明出来なかったように思うので、ここで改めて説明しようと思います。

派遣社員として勤務していたころはとても充実した毎日でした。勤務したのは四年半強ですが、期間を通して充実しており、離れ難い職場でした。考えてみれば新卒で就職したSE会社にも実質同じくらいの期間しか勤めておらず、派遣通訳として勤めたこの会社は、私の古巣と呼ぶことのできる会社となりました。

私は派遣通訳の仕事をしながら「通訳の仕事の本質」を学んだように思います。当時、同じ会社の社員の目線で、どうやったら通訳として貢献出来るのかを真剣に考えていましたし、フリーに転向した今でもそれが「通訳の仕事の本質」だと信じています。そして本質的に通訳の仕事は同じにもかかわらず、派遣社員からフリーランス通訳へ転向したことは、通訳のキャリアパスとしては自然な流れでした。

2011年4月24日

「通訳・翻訳セミナー in 広島」ご報告とお礼

先日開かれた「通訳・翻訳セミナー in 広島」ご報告です。15名以上の参加者を得て、手前味噌ですが大変充実したセミナーとなったと思います。反省点もいくつかありますが、参加してくださった皆さんがとても熱心に耳を傾けてくださったり、質問してくださいました。

当日の様子はUstreamでLive放送されました。Ustreamをご覧いただいていた方は、ピーク時で70人近かったようです。連動しているTwitterへも興味深い質問が出ていましたので、会場からの質問と合わせて答えていきながら、QA・トークセッションを進めました。

視聴を逃した方で興味のある方は、下記へUstreamアーカイブが保存されていますので視聴可能です。

2011年4月23日

翻訳者・通訳者Ustreamアラカルト @ 4月22日(金)午後

4月22日(金)に渋谷のUstreamスタジオにて収録された内容がとても面白いのでご紹介します。収録されたのは次の全部で3プログラムです。

1)遅れてきた新人(『ツール・ド・フランス』訳者:安達眞弓さん)が語る昨今の出版翻訳
2)法廷通訳トーク 中西智恵美 その1・その2
3)映像翻訳の夜・拡大版 その1・その2

実は先週は私も出張で東京に滞在しており、映像翻訳者の方々が映像翻訳アカデミーの一室を借りて定例開催している勉強会にもぐりこんできました。映像翻訳は未知の世界でしたが、とても興味深い内容でした。この勉強会は素晴らしいことに、もう10年以上も続けられているそうです。

出版翻訳の安達さんのトークと、法廷通訳の中西さんのトークは、広島空港から帰ってくるリムジンバスの中で聞き、映像翻訳の夜は自宅へ戻って買い物へ行く道々、またスーパーで買い物しながらiPhoneでずっと聞いていました。本当にどのトークも興味深く面白くて、企画主催そして司会進行役までを務められた関根マイクさんに感謝です。

2011年4月20日

静岡県の翻訳派遣求人

大手医療機器メーカー社内翻訳の派遣求人です。

条件は下記の通りになります。翻訳の仕事に興味があるという方には、専門知識も付くし、確実にキャリアの入り口となります。興味のある方は「管理者に連絡」タブより、応募希望の旨をご連絡下さい。

就業場所: 静岡県富士宮市内
業務内容: 資料英日翻訳と臨床評価
(設計審査資料、海外文献・公的規格、監査資料、仕様書・マニュアル翻訳など)
就業形態: 労働者派遣(第6号業務のため派遣期間制限なし)
就業時間: 8:00~16:45(12:00~13:00休憩)
休日: 土日祝(派遣先カレンダーによる。夏季・冬季休暇有)
給与: 時間給1300円以上、時間外手当有り
通勤: 自家用車可能(通勤費は規定支給)
資格: TOEIC800点以上
その他: 注射器(シリンジ)やカテーテル、人工心肺といった商品知識や分野は特に問わないとのことです。女性希望。

2011年4月14日

東京通訳アカデミー 医療通訳セミナー

震災直後から、ボランティア通訳を募る活動をリードされている「東京通訳アカデミー」で銀座校・新規開校記念として無料セミナーが開講されるようです。

銀座校住所:

〒104-0061東京都中央区銀座1丁目14番4号プレリー銀座ビル4階

《日程》
(1)4月15日・金曜日
・・・午後3時~午後6時(3時間)
(2)4月16日・土曜日・・・午後3時~午後6時(3時間)
(3)4月17日・日曜日
・・・午後1時~午後5時(4時間)

2011年4月12日

「建築家安藤忠雄」 安藤忠雄著

一言でいうと、惚れました。

シンガポール出張時に滞在したホテルでは、毎日朝になると日本経済新聞が届けられていました。普段、自宅で新聞を取らずもっぱら情報収集はインターネットや雑誌、書籍が中心なので、海外に出張に出たときには日本の新聞であれ、海外の新聞であれ、時間の許す限り目を通すようにしています。

ただ、今回のシンガポール出張は震災直後だったこともあり、紙面は震災のニュースで埋め尽くされていました。在外邦人の方々気持ちを一瞬感じたような気分になり、とても辛かったのを覚えています。

しかし、そんな中にコラム連載されていたのが安藤忠雄氏の記事でした。建築を学問として学校で学んだことは一切無く、いわゆる「たたきあげ」と呼ばれる建築家だと言うことだけは知っていました。それ以外、私は建築については全くの素人ですし、建築に興味があるというほどでもありませんでした。

しかし、毎日目にする彼の文章はとても理路整然としていて、それでいて彼の情熱が文面から迫ってくる感じです。ご自身の経歴や、構想している建築のコンセプト、そして東京大学で教鞭を執られた経験や、そこで出会った学生についての感想などの記述は、非常に淡々としているのに、どんどん引き込まれてしまいました。

2011年4月2日

「通訳・翻訳セミナー in 広島」のご案内

私が代表を務めるピースリンク通訳事務所と、やはり広島で翻訳事務所をされているoffice UNITEさんとの共催で「通訳・翻訳セミナー in 広島」を開催させていただく事になりました。

三月の中旬にはご案内の予定でしたが、東日本大震災で起こった混乱の中アナウンスに踏み切れずにおりました。開催日まであまり時間がありませんが、通訳・翻訳に興味のある方にとって有意義なセミナーにしていきますので、ふるってご参加下さい。

「通訳・翻訳セミナー in 広島」 お申し込みサイトはコチラ

日時:  2011年4月23日(土) 14:30 - 17:30
場所:  アステールプラザ 中会議室
参加費: 無料

主催:
ピースリンク通訳事務所/宮原美佳子
office UNITE/大越正浩

多くの方のご参加、お待ちしています。
セミナー専用アドレス seminar@office-unite.com (@を半角に替えて送信下さい。)

2011年4月1日

日本の「ものづくり」と3.11後の日本

お客様と一緒にアリゾナ州フェニックスで仕事をしています。

最初にお仕事を頂いた時にはIT系かな…と思いましたがそうではなく、お客様の機器をIntel社に納めており、その機器の共同開発改善の一環としての渡米でした。コテコテの「ものづくり」のお仕事です。


もともと通訳としての一歩を踏み出し育てて頂いたのが地元の自動車業界でしたので、「ものづくり」にかかわる仕事には自信がありますし、楽しみにしていました。実際、非常に勉強になりましたし、久々にエンジニアの方と心地よい連帯感を感じながら仕事ができました。

2011年3月29日

4. 欲しいのは「伝えようとする熱意」

今回の予定は、勉強法に触れる予定でしたが急遽予定を変更させて頂きました。震災以降考えていることがあり、どうしても通訳を目指す方に知って頂きたく書きます。通訳に必要な資質とは何かを、皆さんにしっかり考えて欲しいのです。

どうやっても100%の通訳は有りません。でもそれを分かった上で、異言語間を橋渡ししてメッセージを伝える仕事です。(分かっているよと言わないで、笑)通訳技術が必要とされることは当然ですが、実は同じくらい大切なのは「どうやってでも伝えてやろう!」とする熱意です。

少し説明としては回り道になるかも知れませんが、震災以降考えていたことを率直に書きますので何かを感じ取って頂ければ嬉しいです。

2011年3月27日

"Earthquakes. Tsunamis. Wars pass. Love lasts"

今回のシンガポール出張が決まったのは、いつもの出張依頼に比べるとかなり早い時期でした。ですが、震災が起こったため、先週初めの三日間福岡での仕事中も、なかなか連絡が無かったのでとても気になっていました。

福岡での仕事も週初めから緊張感が高まっていました。よくお世話になる会社なのですが、月曜の朝から緊急の会議が幾つも開かれ、社員さんの間にも普段にはない緊張感、でも落ち着いて事に当たろうとする強い共通認識があったように思います。

政府の要請に応えて普段の出荷より人道支援を優先する、社員の家族関係者に被災した人がいないかの調査…淡々とことは進んでいきますが、その中で確実に日本人として、その企業で働くものとしての連帯感が広がっていました。

2011年3月26日

「英語と日本語のあいだ」菅原克也 著

「はじめに」より抜粋
本書の記述は、「コミュニケーション英語」重視の風潮の中で、広く唱えられている意見とは、大きく立場を異にする。そのような主張をする理由については、本書を最後までお読みただければ、理解していただけるものと信じる。主眼となるのは、日本人として英語という外国語とどう向かいあうべきなのか、という点である。


以前読んだ鳥飼久美子先生の「『英語公用語』は何が問題か」でも取り上げられていた、コミュニケーション英語重視にシフトする中で改編された学習指導要領が気になっていました。私は指導要領改訂前の世代であり(当然ながら…)、高校時代に文法は徹底的にたたき込まれ、定型句をひたすら覚える詰め込み型の教育を受けました。

思い起こせば中学1、2年生の頃は私は英語では嫌いではありませんでした。(実は随分長い間、英語はずっと嫌いな科目だったのです。)中学生の文法など、文型があって、せいぜい進行形、受け身程度です。私程度のCPUしか無くても何とか処理できるレベルでした。


ただ、記憶呼び出しのパフォーマンスは人より悪かったことと、語彙のデータベース構築が出来ていなかっために、恥ずかしながら得意科目ではありませんでした。それでも、パズルみたいで楽しい!と少なくとも中学二年くらいまで感じることが出来たのは、やはり「文法のおかげ」と思っています。

2011年3月24日

Seeing is Believing

普段からよくお世話になるお客様と一緒に、シンガポールに出張しています。広島にいると分からなかったことが、成田への移動中、またシンガポールに来てからもいろいろ見えてきました。

【関東での交通網の混乱】
19日中には広島から東京に移動する予定でしたが、地震前に押さえていた新幹線の出発時刻は午後2時午後6時頃東京着。
取っていたホテルは大崎駅側だったので11:30a.m.の便に間に合うように成田行くのはかなり時間的に危険、とエージェントから指摘。必ずその日のうちに成田に着けるように朝早めに出て欲しいとの指示がありました。

2011年3月21日

「日本人が誤解する英語」マーク・ピーターセン 著

マーク・ピーターセンと言えば「日本人の英語」「続 日本人の英語」で有名な著者です。が、恥ずかしながらこの2冊については読んでいません。品川の新幹線改札を入った場所にある狭い書籍販売スペースに売られており、「たちまち重版」の売り文句にすっかりその気にさせられ購入しました。

でも実は、同時期に発売されている越前敏弥氏の「日本人なら必ず悪訳する英語」の噂を聞いており、そちらとすっかり間違えての購入でした。(こちらの書評は後日)勘違いして購入したため、ほぼ中身は見ずに買いました。

英語初級者~中級者、あるいは高校生に是非読んでもらいたい内容です。(なので私は少々退屈もしましたが…。それでも最後まで目は通しました。)

2011年3月19日

息子の卒業式

私事ですが、息子が無事に昨日、小学校を卒業しました。6年前に小さな体に大きなランドセルを背負って入学したのがついこの前の事のようです。

震災以来私自身は被災していないのに伝えられる情報に圧倒されてしまい、何となく気分が上向かない日々でした。でも、卒業式のためにちょっとキレイにして(いえ、白髪を染めたんですがね、笑)黒のスーツにコサージュつけて小学校に向かいました。久しぶりに晴れ晴れとした気分で家を出ました。

式が始まった後に携帯にメールが入りました。卒業式のお決まりの「呼びかけ」が始まった時でした。

2011年3月16日

2010年度 コミュニティ通訳研修会 -広島-

広島でボランティア通訳向けの研修会が開かれます。主催は広島県手話通訳問題研究会ですが、地域でボランティア通訳をしている方、また希望する方が対象です。
 

全国的に手話通訳、言語通訳のボランティアが募られています。この度の震災で、ボランティア通訳に興味を持った方も多いのではないでしょうか?

もちろん普段から勉強して言語能力を磨くことも重要ですが、こうしたセミナーを受講しておくことで、実際に言語サービスが求められる状況になったときの対応方法、姿勢を学ぶことが出来ます。

日 時 3月26日(土)~27日(日)いずれも10時~16時
対 象 地域でボランティア通訳として活動している人、または活動したい人
定 員 30名
受 講 料 2000円 (広通研会員は半額を広通研が負担します)
会 場 広島市東区地域福祉センター4階・ボランティア研修室

お申し込みはコチラのPDFを印刷してファックスで082-568-6771へ送信とのこと。

2011年3月14日

東北関東大震災

東北関東大震災に見舞われた方には
心からお見舞い申し上げます。

私がこの地震、津波の被害を知ったのはTwitterからでした。

本当に言葉もありません。

できることをしていこうと思います。

【Twitter】
手始めに、Twitter上の翻訳通訳仲間達とTwitter上で有用な情報を翻訳するボランティアを震災当日よりはじめています。
#honyaquake でサーチしてもらえれば各国語情報が見られます。
また、緊急情報を英語、その他の言語に翻訳してTwitter上に流したい場合にも同じ #honyaquake をつけてつぶやいてみてください。見つけた有志が翻訳してRTします。

【Facebook】
Facebook上でも緊急で有用な情報について有志が翻訳するサービスをはじめています。

Free Japanese>English Translations for Tohoku Earthquake/Tsunami Relief

こちらに翻訳対象メッセージを投稿頂ければ、登録する有志が翻訳するシステムです。 ただし、リンクを貼り付けて「このページを翻訳ください!」というのはご遠慮ください。




さらに、私が所属する団体でもボランティア通訳のリストを作りはじめたようです。 残念ながら既に決まっているビジネスのスケジュールがあるため、それ以外の期間で既に私もオファーしました。

また、通訳として以外にもきっと出来る事があると信じています。節電や寄付、また日々の生活を粛々としていくこと、それも大事な支援と考えます。被災した方には何と言葉をかければよいのか本当に分かりません。

被災の規模から考えて、支援活動は長きに渡ることが予想されます。たとえ遠方にあっても支援する私たちが被災者に心を寄せ続けなければならないと思います。


向こう三日間にマグニチュード7以上(震度6前後)の余震が起こる確率が70%と気象庁が発表するなど、困難は計り知れませんが、落ち着いてことにあたり、二次被害を最小限に抑えられるような活動に何らかの形で貢献していきましょう。

海外の一般の方からも支援の声は上がっています。
幾つか元気のでるサイトを紹介します!


節電ポスターサイト 

こころに残るつぶやき

世界が日本のために祈ってくれている!


通訳、翻訳者としてお役に立てそうなことがあれば、遠慮無くご連絡ください。

ピースリンク通訳事務所
代表  宮原 美佳子





2011年3月10日

刑事弁護人と司法通訳者との意見交換会 - 広島弁護士会主催

先日、2月20日(日)に開催された「刑事弁護人と司法通訳者との意見交換会」へ出席してきました。海外出張から帰国したばかりでヘロヘロになりながらの出席でしたが、行ってよかったです。

会場から一部Twitterを使ってレポートした内容も含め、当日の様子をレポートにまとめてみました。これも、あくまでも私的なメモですので、一般ブログ内容とは致しません。ご興味のある方はDLしてご覧下さい。

参加された方で間違いに気付かれたり、理解に齟齬があると感じられた方がおられましたら、遠慮無くお知らせ頂ければ助かります。

また、それぞれご専門の見地からアドバイス等有りましたら、是非お寄せください。

2011年3月3日

医療通訳を考えるセミナー

セミナーのご案内です。
医療観光は成長市場として注目され、経済産業省や観光庁が調査を始めるなど、外国人患者の誘致に積極的な病院も出てきました。旅行業界も注目しています。
今後需要の見込める通訳市場といえるでしょう。
ご興味のある方はどうぞ。


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医療通訳を考えるセミナー
【あなたの病院に“外国人”の患者さんが来ました。】
~ことばの通じない患者さんを通して兵庫県の地域医療を考える~
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ことばの通じない患者さんが来院すると、コミュニケーションが うまくとれないことがあります。また、ことばの壁を感じ診療を 受けたくても我慢するような患者さんもいます。
誰もが安心して医療サービスを受けられる地域医療のために、 どのような対応ができるでしょうか?
医療通訳を考えることで、医療に関する現状と課題への理解を深 める機会にしたいと思います。是非ご参加ください。


■日時
2011年3月26日(土)14時~17時

2011年3月2日

3. プレースメントテスト

通訳学校へ行くと決めたら、入学するにはまずプレースメントテストを受けなければなりません。今回はプレースメントテストのあまり表だって語られることのないその実態(物騒な響きですが…笑)と、活用法について書いてみます。

まずは、まだ通訳学校に通ったことの無い方の為に、プレースメントテストとは何かを説明します。とはいうものの、手っ取り早くいえば「クラス分けテスト」です。多くの場合は有料で、だいたい2,000-3,000円でしょうか。

私がプレースメントテストを受けた頃(ずーっと前…)は、結果は入学を許されるクラスでしか通知されませんでした。でも最近では、英検の受験結果通知のようにテスト結果をセクション毎に点数付きで通知してくれる学校もあるようです。

それではまず、物騒な方(?)から片付けていきましょう。

2011年2月22日

第4回通訳事例研究会 - 京都産業大学司法外国語プログラム主催

先日2月6日に京都で行われた、京都産業大学司法外国語プログラム主催の第四回事例研究会に参加してきました。

関西そして関東からの様々な言語のベテラン司法通訳者、そして検察、裁判所(いづれも個人的立場で)から出席者が集っての、意見交換です。

2011年2月20日

2. 通訳学校、どのレベルから始める?

「ある程度基礎的英語力を付けてから通訳学校に通うのが得策」だけれど、通訳学校に通いたい!と思ったら「通ってみるのもアリ!」というのが私の考えです。

その時に「ある程度の英語力って?」との疑問には「"せめて"英検準一級を取ってから」と前回提案しました。この『"せめて"英検準一級取得
について具体的に言及し、しかも敢えてTOEICをお勧めしないのも、私が通訳学校へ通ったからこそ分かったことなのです。

私が入学当初プレースメントされたのは学校最低レベルの英語強化クラスでした。クラスメートには、900点には届かなくても800点を優に越えている人は結構いたのです。(入学時の私は確か700点無かったはず…)ところが、彼らのクラスでの出来は取り立てて言うほどでもありませんでした。むしろ、英検(準一級)を持っているクラスメートの方が語彙力もあり、リーディング理解が深い事に気づいたのです。
 

2011年2月18日

Mobile World Congress 2011 - 追加レポート

スペインのバルセロナで開催中のMobile World Congress 2011(MWC2011)からの追加レポートです。

前ポストで紹介したように、今回MWC2011にダイナミズムを与えているのはGoogle社の携帯OS Android です。


端末メーカーは各社こぞって自社端末にAndoroidを搭載し、その上で独自のUIや、コンテンツを取り込むなどしてエンドユーザへアピールするための努力をしています。

この度お仕事をさせて頂いたmillmo社横地社長によれば、このMobile World Congressは「モバイル事業に絡む全ての企業が、参加することに憧れるイベント」なのだそうです。

MWC2011に来てその空気を感じることは「時代の最先端を感じること」なのかもしれません。参加企業の顔ぶれを見れば、モバイルにかかわらずおよそInformation Technology関連企業の有名どころはほとんど確認できました。

2011年2月15日

Mobile World Congress 2011

クライアントに同行して、今日からスペインのバルセロナで開催中のMobile World Congress 2011(MWC2011)に来ています。

携帯電話関係の仕事は一昨年来何度かしていますが、担当させて頂く度に業界技術の進歩や市場動向の進展の速さに驚かされます。

その進展に大きく貢献しているのが、携帯電話OSの競合と進化だと言えそうです。昨年は、Apple社iOSがiPadというタブレットハードウェアの発売を受けて大きく躍進しました。


そんな中、これまでヨーロッパを中心にグローバルで強かったSymbianが、アメリカでGoogle社OS Androidについに首位を明け渡しました。さらに、そのGoole社OS Androidも、タブレット型ハードウェアに照準を合わせバージョンアップを行って来ました。

MWC2011で大きな目玉となっているのは、このAndroid上で動くタブレット型ハードウェアの台頭だと言われています。

2011年2月14日

FOODEX JAPAN - 落札エージェント

先日お知らせしたFOODEX Japanでの商談通訳について、私からご紹介したエージェントは二社とも入札からもれているようです。ご推薦させて頂いた方には、大変申し訳ありませんでした。

入札結果が明らかになっていますので、お知らせしておきます。落札エージェント人材募集を見る限り、本件での募集はしていないようですが、ご興味のある方は直接エージェントにアクセスしてみてもいいと思います。

入札結果「FOODEX JAPAN 2011」バイヤー招へい通訳及び翻訳業務

2011年2月12日

1. 通うべきか、通わざるべきか?


これを読まれる方は既に通訳学校に通われている方、そうでない方どちらが多いのか分かりません。ですが、敢えて通訳学校に通われている方にも読んで頂きたいと思います。

どのレベルで通訳学校に入るべきか?…もちろん通訳学校はそんなことは絶対に言いません。レベルに関係なく、通訳学校はあなたが学校で勉強を開始することを歓迎してくれます。

しかし、全くの個人的な意見ですが、せめて実用英語検定準1級(できれば1級)を取得してから通訳学校に入学することをお薦めします。通訳学校の高い学費を考えれば「ある程度英語力を上げてから通訳学校に行く」のが費用効率が良いことは言うまでもありません。私も賛成です。

でも、どうしても通訳学校に行ってみたい!という方は、敢えて一度通訳学校入学を体験するのも悪くないと思うのです。

2011年2月10日

通訳的に見た「長友インテル入団会見」

先週は何と言ってもサムライJapan長友選手のインテル入団会見がすがすがしかったですね。アジアカップ優勝の後ということもあってか、表情も晴れ晴れとしていました。

ザッケローニ監督からも「おまえならヤレるからがんばれ!」と言われたとか。こういうところでもザッケローニ監督の人となりが伺えて、特段サッカーファンではない私も、監督の漏れ聞こえる人柄に触れてサムライJAPANを応援したい気持ちになってしまいます。

にしてもなぜ、サッカーファンで無い私が、長友選手の会見を知っているのか?
普段から通訳、翻訳関係の情報にはなるべくアンテナを広げるようにしています。実はその中で引っかかったのが、この長友選手の入団会見でした。

私もたまたまTwitterを見ていて長友選手の入団会見をしているのを知り、後半をリアルタイムで見ました。でもTwitterでも「通訳大丈夫か?」の文字が流れていて...。

私のこの会見の通訳をした方についての結論は、「やったことはあっても通訳として専門に稼働されていない方」だろう、というものです。理由は以下の通りです。

2011年2月4日

FOODEX JAPAN - 商談通訳募集


本件は、ご紹介する予定のエージェント二社ともが落札出来ませんでした。
従って、私からのご紹介は致しかねます。
落札エージェントは後日ブログからリンクしております。
ご興味のある方は、落札エージェントに直接ご連絡下さい。
 
2月22日(月)加筆
***
 
お仕事紹介(急募)
通訳者募集のご案内です。
***
FOODEX JAPAN2011
http://www3.jma.or.jp/foodex/ja/

ジェトロゾーンでの商談通訳、コンサルタント付き通訳(有償のお仕事)
日時:3/1(火)~3/4(金) 9:15頃~17:30頃
場所:幕張メッセ

英語、フランス語、スペイン語の通訳者募集です。
1日-4日まで通しでなくても結構です。
過去に有償で商談通訳などのお仕事を経験のある方は是非ご応募を!
***

2011年2月1日

0. 通訳学校では教えてくれないコト

通訳になりたい!と思ったら、まず多くの人は真っ先に「どうやったらなれるのか?」を調べます。その中で多くの人がたどり着くのが「通訳学校へ通う」という選択肢です。実際、書店に行けば沢山の通訳・翻訳関連の情報誌が出ていますが、そこで紹介されているキャリアパスの典型は、通訳学校に行く → 通訳学校から仕事を紹介してもらい経験を積む → プロ通訳者になる というものです。

こうした情報誌を読んだり、学校で開かれる個別の説明会を聞いたりして、ただ漠然と「通訳になりたい。」という気持ちだけで通訳学校に入学してしまう人は実はとても多いと思います。私がそうだったように。(その理由は後日書きます。)

しかし、本当に通訳学校に行けば通訳への道が開かれるのでしょうか?

2011年1月26日

英BBC「QI」 - 翻訳/通訳的解釈

先日物議をかもしたイギリスBBCのお笑いクイズ番組「QI」。二重被爆者を扱ったことについて日本大使館から抗議を受け、プロデューサが謝罪をしたものの、日本国内の反発感情の大きいことを受けて、BBCが大使館に書簡を送って謝罪する事態にまで発展した件です。

私が参加しているある翻訳フォーラムでも話題になりました。そこで
私は、様々なとらえ方があり、その解釈の仕方にも通訳的と翻訳的な違いあるのでは?と感じたので紹介してみます。

2011年1月24日

第7回「関西IT研 - 日本通訳翻訳学会

第7回「関西IT研」(関西通訳翻訳理論および教授法研究会)が以下の要領で開催されます。メンバーでない方も参加可能です。研究会終了後に懇親会を行われますが、出席の方は事前連絡が必要です。

詳しくは http://someya-net.com/104-IT_Kansai_Initiative/ をご覧ください。

開催日時:2011年2月27日(日)午後2時~5時半
場所:西宮市大学交流センター(西宮北口徒歩2分 ACTA 西宮東館6階)
会費:200円
DL担当者=西田万里子
概要: 今回は翻訳研究界で有名な研究者たちの比較的新しい文章を取り上げてみました。


指定論文1:The Routledge Companion to Translation Studies (2009) の Chapter 1 "The Issues in Translation Studies" (pp. 1-19) by Jeremy Munday
 

指定論文2:同上より Chapter 8 "Issues in Interpreting Studies" (pp.128~140) by Franz Pochhacker
 

指定論文3:同上より Chapter 4 "Translation as Cognitive Activity" (pp.54~73) by Amparo hurtado Alibir and Fabio Alives

2011年1月22日

企業における英語公用語化は必要か?

先日読んだ鳥飼先生の「英語公用語は何が問題か」に大変共感しました。以前のブログに書いていたこと(2010/6/28)を、コチラに一部加筆修正して掲載します。



楽天の三木谷社長が社内の英語公用化 を発表したのに続き、ユニクロも社内公用語化の方針 をこの程発表しました。

三木谷社長によれば「社会のトップ層が英語をしゃべれないのは世界中でたぶん日本だけですよ。」正直「それは無いでしょう…」と苦笑してしまいました。「会社企業のトップ層が…」というのならまだ理解できます。でも「社会のトップ層が…」は、どれだけの社会のトップ層を相手にされたのかちょっと首をかしげたくなってしまいました。数々の国際会議で今も通訳がブース内で格闘しているのは何故ですか?と問いたい気分です。

そもそも、日本人が世界の舞台に躍り出るようになったのはなぜでしょう?

2011年1月21日

「『英語公用語』は何が問題か」鳥飼久美子 著

この本は日英通訳者の中でもトップクラス通訳として活躍された後、現在立教大学で通訳論等を教えられている、あるいはNHK英会話講座では一般の方にも大変なじみ深い鳥飼久美子先生のご著書です。

昨年の春以降、楽天やユニクロといった成長企業で相次いで企業内英語公用語化計画が発表されました。私自身この問題には大変興味が有ったため、以前のブログでも取り上げて持論を展開していました。

私は、純国産で普通に学校教育を受け、英語を職業とするまで勉強してきた一個人の立場から、企業内英語公用語化については「問題である。」という意見です。

しかしながら、私がこれについて語るとき、ベースになっているのは私自身の経験だけです。それに対し、鳥飼先生は非常に詳細にデータ収集し、それらに基づいて分析を行われています。

2011年1月18日

「誤訳をしないための翻訳英和辞典」河野一郎 著

「読む辞典」という帯の文句に誘われて読んでみました。

辞典というだけあり、中をぱらぱらめくってみるとアルファベット順に用語を取り上げ解説が加えられれており、果たして本当に最後まで読めるのか?と少々不安になりましたが、読み始めると普通に問題無く読み進めることが出来ました。

翻訳作業に求められる裏付け作業や原文から離れない事の大切さを、実際に活字になった誤訳の例を挙げながら丁寧に解説しています。

2011年1月14日

Word Lens と Google Translate から見える翻訳/通訳者の近未来

「技術が進歩すると翻訳者/通訳者は将来的にいらなくなるのではないか?」

この質問は、もう何度も翻訳者、通訳者に限らず議論されているように思います。
私が参加している翻訳フォーラムでも、時々この質問が上げられますし、そのたびに議論は白熱しています。

ただし、結論は決まって「少なくとも私たちが生きているうちは、優秀な翻訳者/通訳者は生き残る。」というものです。

これは裏を返せば、そうでない翻訳者/通訳者は淘汰される...ということなのです。

最近発表された二つのニュースと、そこで取り上げられた技術の歴史からこの点を読み解いていこうと思います。
 

2011年1月13日

ザック監督通訳に見る幹部社員付き通訳の心得

アジア杯をねらうザッケローニジャパンを伝える昨日のニュースです。
ニュースの表題は「ザックJ思わぬ落とし穴 コミュニケーション不足で指示伝わらず」です。よくよく読んでみると二つの”コミュニケーション不足”があったようです。

まず、現地初戦に臨む前のサッカー協会とザッケローニ監督の間でのコミュニケーション不足。 次に、試合中第四審判に通訳を退けられ、フィールドで一人「指示を出した(?)」ことにるコミュニケーション不足。

前者は、コミュニケーション不足と言ってしまえばそうですが、何故そういう状況が起こったのか?を考えると、やはり通訳の力不足だと私は思います。
私は現在ザック監督の通訳である矢野氏のことをよく知っているわけではありませんから、彼の語学能力や、通訳スキルの有る無しについては言及することが出来ません。 それでもなお、力不足だと思います。

2011年1月10日

「Google表現検索テクニック」安藤進 著

ずいぶん前に読んだ翻訳入門書に、Googleの翻訳への活用についてページが割かれていました。今から思えばそこに書かれていたことは全くの基本でした。それでも、その基本を知っているおかげでGoogleは私の翻訳作業に大きく貢献してくれています。

ちなみに私が知っていたのは基本のコマンドばかりですが、それでもセンテンスの一部を変化さたり、ワイルドカードを使っての完全一致検索をすることで、欲しい情報にたどり着けたことは数知れません。

ただ、特定のサイト内を検索できる機能や、「-(マイナス)コマンド」等も知ってはいたのですが、どう使ったらいいのか自分の中にはアイデアがなく、使ったことはありませんでした。

そういう訳で、知っていながら使えないコマンドがどんな時に役立つのかを含め、一度体系的に「Googleで何ができる?」を学んみたいと思い手に取ったのが本書です。

広島通訳 Tea Salon を開催します

例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...