2011年3月2日

3. プレースメントテスト

通訳学校へ行くと決めたら、入学するにはまずプレースメントテストを受けなければなりません。今回はプレースメントテストのあまり表だって語られることのないその実態(物騒な響きですが…笑)と、活用法について書いてみます。

まずは、まだ通訳学校に通ったことの無い方の為に、プレースメントテストとは何かを説明します。とはいうものの、手っ取り早くいえば「クラス分けテスト」です。多くの場合は有料で、だいたい2,000-3,000円でしょうか。

私がプレースメントテストを受けた頃(ずーっと前…)は、結果は入学を許されるクラスでしか通知されませんでした。でも最近では、英検の受験結果通知のようにテスト結果をセクション毎に点数付きで通知してくれる学校もあるようです。

それではまず、物騒な方(?)から片付けていきましょう。
それは「実際のテスト結果ではかられる実力よりも低くプレースメントされる」ということです。これについては、実際に通訳学校に確認したとしても、学校側がハイと素直に認める訳はありませんから確認はしていません。

しかし、受講生の間ではよく言われていたことです。フリーランスになって後にも複数の同僚通訳の証言から、少なくとも大手二校では確実にそうした事実があることを確認しました。私自身はこの情報は間違いないと信じています。これには納得のいく「考えられる根拠」も存在します。

初心者クラスに限らず言えることですが、実際より下のクラスにプレースメントすることで、次のタームで受講者はすぐに上のクラスに上がることが出来る確率が高くなります。クラスが上がれば受講者は「次回も頑張ろう!」と思えるわけですから、モチベーションアップにつなげられます。

また、初回受講であれば、通訳訓練のやり方にすっかり慣れた上で、上のクラスでさらに内容の濃いレッスンにあたることが出来るメリットがあります。

ただ、通訳学校が営利団体だからとも言えます。受講生にできるだけ長く受講してもらえるように、通訳学校なりに戦略を立てるのは当然のこと。ここは受講者が通訳学校と付き合っていく中で欠いてはならない重要な視点だということを覚えておきましょう。

実際、私の知る大手二校では、一年間休学すると入学金が無効になり、元のクラスにすんなりは戻してもらえません(2010年春時点)。つまり、入学金を再度払い込み、さらにプレースメントテストを受けなければ復学できないのです。

再受講を繰り返す人の多くは、プレースメントテストを受け直すとクラスレベルが下がることを知っているため、なかなか長期の休講に踏み切れません。受講していた頃の私自身がそうでしたし、クラスメートの多くもそうでした。そういう心理を上手くついて通訳学校は「決めごと」をしているのです。

でも、それはそれ。通訳学校も一営利企業ですから「ひどいよねー」などと言ってみたところで始まりません。通訳学校側の理由で実施されるプレースメントテストを逆手にとって、受講者が利用してやることだって出来るのです。

つまり、受験する側が自分の実力をはかるために受験するという利用法です。これは私が実際にやったことではありませんが、同僚通訳から話をお聞きして目から鱗でした。

どの学校のプレースメントテストもとてもよく作り込まれていて、時事の問題を扱った長文から、文法力を試す細かな問題まで、非常に内容の濃い問題になっています。

テスト問題は持ち帰ることが出来ない場合が多いですが、それでもあれだけの長時間集中して問題を解く作業は、他ではなかなか体験出来ません。複数の学校を受験するだけで、相当な勉強量になります。おまけに、学校によっては自分の弱点分析までしてくれて、レベルはここですよ!と教えてくれるのです。

地方では通訳学校自体が少ないため、なかなか沢山の学校のテストを受けてみると言うわけにもいきません。ですが、自分のレベルを知るという意味で、敢えて春期、秋期開講前に東京横浜あたりに出かけて片っ端からプレースメントテストを受けるという荒技に出ても良いわけです。プレースメントテストはお金さえ払えば受験できる訳ですから、別に受講を前提としなくてもいいのです。

ターム期間中は独学して、春期、秋期開講前シーズンには複数の通訳学校のプレースメントテストを受けて、自分が本当に入りたいクラスまでの実力アップが出来たかどうかを知る。同時に、通訳学校入学のタイミングをうかがう…そういう活用法があってもいいのではないでしょうか?

経済的な面でも、1期分の高い学費を払うことを考えれば、春と秋のプレースメントテスト巡りツアーを敢行したとしても、どんな地方からの交通費宿泊費も十分にまかなえるでしょう。
 

一方で、会議通訳コースに入ることが出来ないレベルの人が、一年そこそこで通訳と肩書がつく仕事にありつけることは稀だと思います。会議通訳入門コースレベルから通訳学校で短期集中で勉強を…と考える場合でも、最低3年スパンで成果をはかるくらいの覚悟(学費も含め)はしておいた方がよいでしょう。(必ず3年通わなければダメだとは言ってません。くれぐれも…)

プレースメントテストの結果を受け取ったら、受講するべきか、受講は先延ばしにしてもう少し独学で英語力の向上を優先するのか、上記のことをよくよく考えた上で決めましょう。もし、今あなたが継続性ならば、3年後に目標と掲げる地点まで継続受講することでたどり着けそうかどうか?もう一度真剣に考えましょう。

ただし、通訳学校にどうしても通いたい!という人の気持ちを私は止めるつもりは有りません。むしろ、その情熱があるのであれば覚悟を決めて通って下さい。覚悟を決めれば、そこから道が開けます。どちらにしても、学校が勉強させてくれるのではありません。勉強するのはあなたですし、道を作るのもあなたです。

次は、勉強法についてです。

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