2019年4月25日

自分の為の転職 ー 会社の辞め方

インターネット、SNSが普及したことでメールやチャットアプリが広く一般に使われるようになり、職場でも関係者間で連絡をとるのに導入される例も急速に増えています。そんな中、退職の意思伝達をメールやチャットアプリでおこない、その後は一切職場に顔を出すことなくそのまま退職してしまう…という話がメディア等でも報道されています。正社員であれば様々な手続きもあるでしょうから、なかなか難しい事もあると思いますが、そこさえクリアできれば不可能な話ではないでしょう。報道を聞くにつけ、メール・メッセージングアプリでの通達のみでの退職は「失礼である」という論調で報じられがちですが、そこには大切な視点が欠けていると常々感じています。「退職する自分の利益」という視点です。

面白いことに「立つ鳥跡を濁さず」で検索するとヒットしたトップ記事の副題には「退職時にトラブる従業員への対策は?」とありました。この記事の最後には

転職回数が多い人は転職する際に自分の利益を優先し転職する傾向にあるので、退職時にトラブる場合も多いようだ。採用の際に過去の転職回数や転職理由も確認した上で、人間性を見極め採用することが重要といえる。

人事ポータルサイト【HRpro】
HRプロ編集部
2015/10/14 より

とあリます。私自身は派遣社員当時、最短4ヶ月、最長4年3ヶ月勤務し、正社員時も含め退職を5回経験しました。退職することを告げて引き留められた事が三回ありますが(それ以外は雇止め)最終的にはどちらも円満退職でした。地方の狭い通訳業界で人材はごく限られていました。揉めて辞めれば引き継いだ人を通じで私の名前とともに揉めたという噂は辞めた勤務先や派遣先にすぐに広まります。冒頭で「欠けている」と指摘した「退職する自分の利益」という視点に立てば、いい加減な態度でいきなり退職してもいい事など一つもありません。幸いにも私の場合、派遣社員当時はブラック就労ではなく「キレイに辞める」事は尚更に重要なことでした。

一方、勤めた職場から何一つ得られるものが無かったという場合には、辞める時にまで心を砕いて勤務先に尽くすというのは馬鹿げた話に聞こえるかもしれません。ですが、その先のキャリアを考える時に本当にそれがプラスになるのか?は誰でもない「自分」が真剣に考えるべき事でしょう。上記の記事では「自分の利益を優先し転職」と有りますが、この読みはごく表面的でしかなく、言葉を補えばトラブルが起きるのは「自分の目先の利益だけを優先し転職」するからというのが正しいでしょう。似たような言葉が並ぶものの、そこには大きな差があります。

馴染めなかった職場でさえ分かり合えて自分を評価してくれる仲間はできるでしょう。あるいは、自分の周りに自分の働きを評価する人はいなかったという場合でも人で成り立つ組織で働いていればあなたの努力を遠くから見ている人はいます。「あの人はままならない状況でも最後まで仕事に向き合っていた」「辞めると決めた後にも残る仲間に寄り添ってくれた」と思われるような辞め方ができるのが理想ではないでしょうか?あるいは周囲の感じ方に託すのでなく、少なくとも「自分が納得できる辞め方」を真剣に模索する必要を感じます。

5社での勤務経験から思うのは、人も組織も自分が思うよりずっと繋がっているという事です。派遣社員として過ごした広島でなく遠く離れた東京でフリーランスとして稼働する今でさえ、過去の職場での繋がりを見つける事は多くありますし、それが実際にお仕事につながった例もけして少なくありません。

転職回数や転職理由ごときで「人間性を見極め」る事ができるとおそらく日本企業はまだ思っているのでしょう。そして「転職回数が多い人は要注意」という考察は正しいのでしょうか?先に発表された経団連会長発言「終身雇用なんてもう守れない」が語る現状は何かを「雇われる側」も真剣に考えてみる必要があると感じます。

ついつい「会社は何もしてくれない」と受け身の姿勢に終始しがちですが「自分は『この先の自分のキャリア』のために何ができるのか?」を真剣に考えれば、トラブルを起こして退職する事が得策ではない事は明らかです。記事によれば有給休暇の会社による買取を労働組合との協定の関係で禁止されている事がこの問題を複雑にしている所もあるようです。ですが、有給を完全消化する場合でも、引き継ぎに妥当な出勤日数を確保して逆算したタイミングで退職の意思を伝えることはできるはずです。

最近、身近な人が10年以上勤務した会社を退職しました。また、近々行く旅行先で15年以上前に4ヶ月しか勤務しなかった会社の当時の上司宅に一晩お世話になります(「泊まってよ!」と言われて素直に Thank you! と返事をしたのはただ厚かましいだけかな…滝汗)。そんなこんなで「自分のための転職」についての一考察でした。

2019年4月24日

令和に向けて…(元号変換アプリ)

2019年の新年のご挨拶もしないままに、先日はとうとう次の元号「令和」が発表されました。皆様お元気でしょうか?(今頃っ!?)この半年、仕事でもプライベートでも大きな変化があり、なかなかブログを書くチャンスが無かった(…というのは半分言い訳です)のですが、そろそろ重い腰を上げようと思います。
本年もどうぞよろしくお願いします。
(今頃すみません…)
元号が改まる今年、私はフリーランスとして完全独立してからお陰様で丸10年を迎えています。情報発信は多忙になると最近は特にSNSに頼りがちになり、独立直後から続けてきたこちらのブログは今回のように長いインターバルができてしまっていました。発信することは自分にとってもモチベーションにもなるので、もう少し時間と労力の比重をこのブログ執筆に振り向けて行こうと思います。SNSやスマホにかかる時間が長くなりすっかり老眼も進んでしまいました。自戒して精進します。

当面は、ここ一年ほどの間に手に入れた便利なガジェット類など、すでにSNSで発信したものも含めて、自分のペース作りも兼ねて記事を書いていこうと思います。今後もどうぞゆるゆるお付き合いください。

という事で、トップを飾るのは令和を前にこんなアプリを…その名も

年号変換(iPhoneアプリ)
TwitterやFacebookでご紹介して反響の大きかったアプリです。改元に伴い、西暦と元号を伴う年号の変換をまた一つ覚えなければならない…という事態に頭を痛めているのは何も通訳者・翻訳者だけではないでしょう。そこで使えるのがこのアプリ。以前から利用していたアプリですが、新元号発表後にすぐに令和対応にアップグレードされていました。

他にも数百ある元号に対応している似たようなアプリがあります。ただ、仕事上は明治以降があれば十分対応できるので、むしろそれ以降をカバーしているこのアプリがシンプルで使いやすく、私は普段から重宝しています。

ちなみに、令和年号から暗算で西暦年号を導くやり方は元号発表後すぐにバズっていましたが、実に覚えやすく暗算の苦手な私にもできそうです(が、それでも間違う自信があるのでやめておきます、笑)。


広島通訳 Tea Salon を開催します

例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...