昨日開催されたJAT PROJECT2022で会議通訳者として「通訳キャリア構築法 - キャリアパスの歩き方のヒント」と題して講演しました。公開の場で人前に出るのはとても久しぶりで、少し緊張しました。ただ、参加者もそれほど多くないことを事務局からお聞きしていたこともあり、またリモートで自宅からのスピーチということもあり、本番はリラックスして臨むことができました。
最初は自身のキャリアパスをなぞりながら、節目毎に判断を要した内容に触れる形でトークを構成しようと考えていました。ですが、それでは聞いてる方がどうご自身に役立てれば良いか分かりにくい…と気づき、前の晩に一から作り直しました。
結果としては良かったと思っています。視聴くださった方からも一部個人的にポジティブなフィードバックを頂きホッとしています。キャリアパスの歩き方と言っても、私自身が現役通訳者してキャリアパスの途上になります。つまり、お話しした内容は今も自分の判断基準の軸というか信条のようなものになっています。もちろん、キャリアパスの何処にいるかで具体的な行動は変化すると思いますが、それでも基本的な姿勢として変化しないものですし、むしろ変化してはいけないものと近年では考えるようになりました。
昨今、情報商材や安易なコーチングが通訳翻訳分野でもSNSを騒がせている現状があります。多くの先輩方が日々言葉や仕事と真摯に向き合う様子を間近でみていると、それが詐欺的であることはすぐにピンときます。ですが、初学者にとっては「すぐに〇〇できる!」「みるみる上達!」というコピーは魅力的なのだろうと思います。今回のスピーチではそういう安易にできる的な期待は望めないこと、時間をかけてじっくり歩むべきキャリアパスですよ、というようなことをお話ししました。
質疑応答では、通訳学校に通うべきか?や、地方在住で通訳キャリアをどう考えるべきか?などまさに私自身がかつて考えていた疑問や不安の声を聞くことができました。私なりの回答をしましたがお役に立てれば嬉しいです。
録画はご勘弁いただきましたが、資料はこちらで閲覧可能にしています。諸々手配くださったJAT事務局、そしてご参加くださった皆さま、ありがとうございました。