2011年8月29日

フリーランスとしてビジョンを持つ inspired by 「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」

「驚異のプレゼン」と内容がかぶるようならあんまりなぁ…と思いながら、最初の数ページを立ち読みしてすぐにレジに走った一冊です。まだ読み終わっていません。ですが、繰り返し本文中に出てくる「ビジョン」という言葉に、自分がかつて組織に勤めていた頃のことを懐かしく思い出し、同時にフリーランスとして働く今、自分はどういうビジョンをもって進むべきなのか、改めて考えるようになりました。

当然ですが現在は組織の中の人間ではありません。ですが、大学卒業してから5年半、そして派遣社員通訳として約10年と、二度ほど比較的長い時間を組織の中で過ごしました。

最初に勤めたのはメーカー系のITベンダー。担当したのはCADシステムでした。ボーイング社が設計に使ったメインフレームで動作するダッソー社のCADAMシステムが、当時PC上(OS/2)で動かせるようになり、MicroCADAMとして大々的に売り出し始めた頃です。

CADシステムに夢を感じたのは、これを利用してあらゆる構造物の設計ができる!ということでした。世界の有名な建築物や、飛行機、車、ダムその他、あらゆる構造物を私が担当しているCADが支えている!と思うとワクワクしたものです。CAD/CAM/CAEは一通り勉強させてもらいましたが、その中にはIDEASやUnigraphicsなど、現在でも有名なシステムも含まれていました。

結果的にシステムエンジニアは「自分には向いてない…」と失意のうちに諦めてしまいましたが、その当時倒れる程に仕事したことはとてもいい経験になりました。最後は独りよがりな理由で勝手に腹を立てて辞めてしまったような所もあるのですが、振り返ってみれば仲間…はいつもそこにいたように思います。その証拠に、20年近く経った今でも「旧CADメンバー飲み会」なるものが存在します。

派遣社員として自動車部品サプライヤに勤めた時には、自分が関わった車の部品が複数のカーメーカーの車の一部となって世界中を駆け巡ってると思うと嬉しくて仕方がありませんでした。

最終的にマツダに勤務しMAZDA3(Axela)のプロジェクトマネジメントチーム付き通訳になった時には、先代から評価の高いこの車をもっといいものにして世界のマツダファン、そして車好きを驚かそう!と、みんなで一緒に作り上げる醍醐味を味わいました。

マツダ勤務では、先代のMAZDA3は既に欧米で評価が高く、さらにそれを上回るにはどうしたらいいのか…?と言うところからはじまり「またもや期待を上回る!」がスローガンとなりました。

先代のプログラムマネージャーは社内でもカリスマ的な方で、マーケティングの担当者が「僕らが言うことを何でも気持ちよくやろう!って言ってくれるから、逆に怖くなっちゃったよ…」と言うほどでした。その後継を私の上司は引き受け、見事世界中のプレスリリースでジャーナリストをして「先代を上回った!」と言わしめたのです。

車作りは魅力的なデザインや走りを、製造工程や製造効率を考えながらどこまで追究できるかが鍵です。設計&マーケティングvs.製造の構図は開発の初期段階から完成車量産開始までずっとつきまとう難題です。その調整をどうやってマネージするか?情熱と信念と人柄無しにはできません。私はいい上司そして仲間に恵まれていました。

フリーランスとして働くようになった今、当時のような「ビジョン」を掲げて1つのプロジェクトに取組むということは無くなり、そしてつまりそれに直接的に一緒に取組む仲間もいません。それでも、フリーランスとしてのビジョンは漠然とはあります。

少なくとも私の興味が続く限りは、
通訳という仕事に終わりはありません。通訳技術は鍛えればいくらでも向上するでしょうし、様々なスタイルを身につけることで、お客様の幅広いニーズに合ったサービスを提供することも可能だと思っています。そして、同じように考え切磋琢磨し合える通訳仲間が私にはいます。

このお客様への究極のサービスをビジョンとして実現するためには、一緒に仕事をするお客様を好きになることが一番だと、私は思っています。今でもお仕事をさせて頂いた企業はどこでも、なんだか変な思い入れがあります。ほんの短い出会いですが、その短い中でも「お客様のビジョン」を共有させてもらい、チームの一員として振る舞うことが求められる通訳という仕事に、とてもやりがいを感じます。

ですが、将来的には人間の善意や熱意、創意工夫から生まれる「地球を動かすような大きな波」に関われるような仕事がしたい!… などとちょっと大きめのビジョンをスティーブ・ジョブズに”大いに”刺激されて”密かに”思い描いています(笑)

広島通訳 Tea Salon を開催します

例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...