2022年4月24日

JAT PROJECT2022「通訳キャリア構築法 - キャリアパスの歩き方のヒント」

  昨日開催されたJAT PROJECT2022で会議通訳者として「通訳キャリア構築法 - キャリアパスの歩き方のヒント」と題して講演しました。公開の場で人前に出るのはとても久しぶりで、少し緊張しました。ただ、参加者もそれほど多くないことを事務局からお聞きしていたこともあり、またリモートで自宅からのスピーチということもあり、本番はリラックスして臨むことができました。

 最初は自身のキャリアパスをなぞりながら、節目毎に判断を要した内容に触れる形でトークを構成しようと考えていました。ですが、それでは聞いてる方がどうご自身に役立てれば良いか分かりにくい…と気づき、前の晩に一から作り直しました。

 結果としては良かったと思っています。視聴くださった方からも一部個人的にポジティブなフィードバックを頂きホッとしています。キャリアパスの歩き方と言っても、私自身が現役通訳者してキャリアパスの途上になります。つまり、お話しした内容は今も自分の判断基準の軸というか信条のようなものになっています。もちろん、キャリアパスの何処にいるかで具体的な行動は変化すると思いますが、それでも基本的な姿勢として変化しないものですし、むしろ変化してはいけないものと近年では考えるようになりました。

 昨今、情報商材や安易なコーチングが通訳翻訳分野でもSNSを騒がせている現状があります。多くの先輩方が日々言葉や仕事と真摯に向き合う様子を間近でみていると、それが詐欺的であることはすぐにピンときます。ですが、初学者にとっては「すぐに〇〇できる!」「みるみる上達!」というコピーは魅力的なのだろうと思います。今回のスピーチではそういう安易にできる的な期待は望めないこと、時間をかけてじっくり歩むべきキャリアパスですよ、というようなことをお話ししました。

 質疑応答では、通訳学校に通うべきか?や、地方在住で通訳キャリアをどう考えるべきか?などまさに私自身がかつて考えていた疑問や不安の声を聞くことができました。私なりの回答をしましたがお役に立てれば嬉しいです。

録画はご勘弁いただきましたが、資料はこちらで閲覧可能にしています。諸々手配くださったJAT事務局、そしてご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

2022年1月17日

The written word will flourish in the post-pandemic workplace (The Economist誌より)

The Economist:
Remote work and the importance of writing

The written word will flourish in the post-pandemic workplace

 受講しているニューストピックをディスカッションする講座で、The Economist誌からこの記事を取り上げて発表したのだけど、数日経っても色々考えてておもしろいなぁと思ってます。

 文章を書く行為は日本的にいうと文系的行為なんだろうけれど、情報を伝える為の書く技術の重要性を説いてるのがGoogleやGitHubといったテック巨大企業だとこの記事では紹介されてます。考えてみればソフトウェアを作るのに必要な様々なプログラミング言語は「言語」な訳で、本質的に理路整然と書くことで成立するプログラムを書くには「書く技術」が必要なのは当然と言えば当然。
 リモートワークになって議事録用にミーティングを録音されるお客様が増ましたが、後でその議事録を見せてもらうと、まとめた方の「書く力」が分かるというか、うまく行ってるプロジェクトの議事録はよくまとまっているけれど、そうでないのは以下略…笑
 理路整然であることは当然の要件とはいえ、独りよがりでなく、時宜にあった、さらに読み手の共通理解を前提として考慮したトピック設定、理論の展開、さらに伝えるべき事実の伝達というのは、それだけで本当に技術がいることだなと再認識してます。
 そして動画やスライド利用のプレゼンも、核になる企画書(書き物)が(頭の中であれ、どこかに)存在していることで、意図した内容を意図したレベルに近い形で表現できる気がします。すべての思考はきっと書くことから始まった…と過去にどこかの偉人が言ってないでしょうか?笑。
 私自身、誰の目にも触れないけど自分が気の赴くままに、時には自分の思考を整理するために文章を書くということを普段から割としてて、それはとても楽しい。でも、過去に何度か多くの人の目に触れる場所に文章を書いているので、こういうコラムを見ると、改めて振り返るの怖い感じがしてしまいます。でも、全ての思考の展開は書くことから始まると信じて、恐れずに自分なりに「まず何でも書いて文章にしてみる」という行為を続けていきたいと思います。
 …と書いた後で、この文章大丈夫か??
と心配になりますが、まぁいっか〜。

2022年1月4日

2022年もよろしくお願いします。

 

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

 昨年の初ポストは何を書いていたか…?と振り返ったところ、新型コロナ感染者数が猛烈に再拡大したお正月となり、海の向こうアメリカでは議会に暴徒が押し寄せ犠牲者が出た事件が発生したことが記されていました。新型コロナウィルス蔓延後とうとう二度目のお正月を迎えたことを改めて噛み締めた次第です。

 一昨年にもまして2021年はお客様や仲間達に支えられた一年となりました。政府の水際対策が継続し海外との人の往来が回復しないことには、通訳市場の需要は一部ごっそりと欠けたままであることは間違い有りません。しかし、新型コロナウィルスとの付き合い方に慣れてきた昨年は一昨年と比較すると、数多くのかつての現場がリモートで復活、そして新たにリモートをスタンダードとして始まったプロジェクトも多く存在したようです。直ビジネスに加え、エージェントさんからのご照会も随分復活して、一昨年に比較してお陰様で仕事量は大きく持ち直しています。

 その中でも昨年印象に残ったのは、自身が学ぶオンライン通訳の講座で特別講座を持たせて頂き、個人事業主ビジネスのプロセスの一例をご紹介させて頂いた事です。実は、ここ数年はできるだけ同業者の集まりで人前に出ることは避けてきました。久々に同業者の前で話すという事もあり、入念に準備をおこない、テーマに沿い網羅的にお話しすることができたと思います。直後から、早速とても役立った、実践的でわかりやすかった、と個別に沢山の感想を頂きホッとしましたし、お役に立ててとても嬉しかったです。

 また、現場に出向くオンサイトリモート案件で久しぶりに同僚と対面でご一緒する事が有りました。以前には気付かなかった同僚の心配りに、コロナ禍で臨む環境でハッとさせられることが有りました。多くは先輩方なのですが、一見すると何でもなかった事にも意味があることを知ったり、細かに配慮してくださっていた事に改めて気付かさました。フリーランスで10年以上稼働していますが、自分自身がまだ余裕を持って同じレベルで配慮ができていない点は通訳技術の向上と共に精進していくべきと気持ちを新たにしました。

 仕事を離れて個人的なところでは、昨年は誰も住まなくなった実家を解体し駐車場にするという大仕事を一つ片付けました。家族から「全て不要。廃棄してよし」と聞いていても、かつて慣れ親しんだ物、部屋、家を誰でもない「自分の手」で手放す、廃棄する、解体する、手続きを進めることは心の痛むことでした。やった者にしか分からない痛みだったと思いましたが、だからこそ自ら進めた事は私にとって良い経験になったと思っています。

 簡単に昨年を振り返りましたが、振り返りはこれでお仕舞い。過去は戻って来ないので、新たな年は、前向きに、昨年よりは少しだけ前のめりの姿勢を心掛けます。年末からオミクロン株の拡大が伝えられ、すでに国内の市中感染も全国的に見られ、新型コロナの状況は一進一退しながら今年も進むことが予想されます。前のめりを意識しつつ、それでも今年も一つ一つのお仕事を大切にしながら、仲間やお客様と一緒に前進して参ります。

 本年もどうぞよろしくお願い致します。

宮原 美佳子
ピースリンク通訳事務所

2021年11月4日

要事前確認!延長時の交代対応

 未だに鎖国状態ですから相変わらずオンサイトイベントは復活していませんが、リモートでは秋真っ盛りよろしくWebinarなどイベントの打診を頂くようになりました。

 オンラインでのイベント案件では参加者への配慮から、従来のオンサイトイベントと比較するとスケジュールが時間通りきっちり進むものが多い印象です。通常、イベントでの通訳分担はエージェントさんが事前に決定して通訳者にご連絡下さいます。実は、先日のお仕事でも分担が決まっているにも関わらず焦る出来事がありました。

 30分予定のプレゼンで前後半それぞれパートナーと15分毎の分担でした。私が後半を担当したのですが、15分経っても終了しません。16分、17分と経つうちに苦しくなり別回線のパートナーに合図をして18分で何とか交代できました。

 隣に座っていれば気配で察してもらえるため、これまでこういう場合でも難しさを感じることは稀で、多くの場合パートナーが気づいて引き取ってくれていました。リモートでは画像有りの回線接続であっても、人によっては交代タイミングでしかパートナー画面を確認していない、中には音声も交代タイミングでしか流されない方もいらっしゃいます。

 対応のパートがオーバーランした時の対応については、一言事前に確認しあっておいた方がいいという事を学びました。

 それにしても、割り当ての時間をこなすと「やることやった!」という意識からなのか、途端に苦しくなり焦る現象はなんでしょう…?事前に「20分まではやる」「終わりまでやる」と決めておきさえすれば苦しても少なくとも焦りはしなかったはずです。

 「これは自分のパート」と覚悟を決めて最後まで担当することができず、パートナーにヘルプをお願いしてしまったのも少し反省でした。ただ、結局はそのパート、オーバーランすること7分。交代してもらって正解でした。

 リモート通訳珍道中は続きます…

2021年9月30日

「運まかせ」でない勘どころ

 会議出席者の発話に訛りやアクセントがある場合には知っている言葉もそれに聞こえないというのはよくあります。苦労します。訛りがきつい時は本当にツラい。ですが、英語ネイティブスピーカーでない私が話す英語にはそのまんまブーメランなので、ツラいと表明することも申し訳なくは思っています。ごめんなさい。

 先日、取り扱いに注意すべき個人情報を適切に管理する、という文脈の話を通訳した時のこと、ある場所に格納された情報項目を列挙していくのですが…

fist name, last name, address, phone number, card number…

ファーストネーム、ラストネーム、住所、電話番号、カード番号…

 と、ほぼ自動的に訳出しながら、なんか違和感。日本語で「カード番号」というとほぼクレジットカード番号を意味します。しかし「英語では credit card number と 必ず credit を言うよね?」と頭によぎり、でも「sensitive information の話をしてるから間違いないはず。」とわずかな違和感をはたしてあっさりと打ち消してしまいました。そして、そして2-3回目からの訳出ではかなり堂々と、ご丁寧に「クレジットカード番号」と訳出してしまいました。

 が、なんと card number ではなくcart number でした。話者は英語ネイティブではなかったのですが、通販サイトでカート内にユーザーが入れた商品点数をこう表現していたようです。確かにトピックはEコマース。であれば「カート」でピンとくるべきか?運任せに聞こえた通り「カード番号」とせずに確信を持って「カード番号」とまでしたものが全く裏目に出てしまいました。でも sensitive information じゃないし…と、脳内で言い訳をグルグル回しながらも、誤訳なのですぐに訂正した次第です。

 扱うトピックについて「勘どころがある」「勘がはたらく」と言うのは割と大切なこと。実際、私たちは日常の会話では常に、あれ、それ、これなどの指示語を巧みに用いて相互理解を成立させています。明示的に何かを言われなくても「あの事を話している」とピンときたり、ピンとまでこなくても「何となくそういうことかなぁ」でどうにかなってしまっている訳で。

 だけど、ピンとこなかった…。それどころか「もっと昔はカートではなくてバスケットだったよね?」「ほらバスケットサイズとかいう用語もあったし」とか、どうでもいい事まで思い出す始末。

 明日もがんばります。

2021年8月7日

進化するRSIオフィス環境 ー 大型ディスプレイ導入

  長いこと欲しいと思っていた大型ディスプレイ。RSIの案件が増加して以降、多くの通訳者から「Game Changerだった!」と聞いていたものの「無くても死なない」という状態が続いていたこともあり、なかなか購入に踏み切れずにいました。東京の3回目の緊急事態宣言が明けてすぐに所用のため広島に戻ったのですが、家人が購入して使用していた大型ディスプレイを拝借して4日間使わせてもらいあっさり購入を決めました。ちなみに私が購入したのはこちらの商品です。

【Amazon.co.jp限定】Dell U2720QM 27インチ 4K モニター 

 大型ディスプレイですから表示面積を大きく確保できるため、1. リモート通訳時に共有された資料を大きく表示して確認できる 2. 手持ち資料や用語集を常時確認しながら通訳できる、は当然のメリットとして期待していたことでしたが、それに加えて決め手になったのは以下のポイント。

  1. デスク上の配線が多少ではあるがスッキリする(ディスプレイに付属のUSB-Aおよび給電接続)

    外付けマイク、サブ回線機材、ミキサー等を使用しているためオーディオ系のケーブルがかなり煩雑にデスク上にあり、この配線を少しでもスッキリできるのはメリット。
  2. ラップトップ画面とのマウス移動のスムーズさと画面配置のフレキシブルさ

    私はマウスではなくトラックパッド操作のみで使用しています。画面配置を詳細に設定できてほぼラップトップ画面とのカーソル移動にストレスがありません。(ラップトップ画面をそのままミラーリングで使用することも可能)
  3. 解像度選択の自由度の高さ
    
Macbookの Ratina画面は非常に画質が高く、外付けディスプレイのスペックによっては長く使う間に画質の差がストレスになると聞いていました。その点、私が購入に踏み切ったディスプレイは4K対応で長時間の利用でもストレスは今のところ感じていません。

一方で、使用し始めてわかった事(いいことばっかりでもない…)も有りました。

  • グラフィック処理にCPU負荷増加しラップトップのファンが轟音をあげ始めた(特にMS Teamsで顕著…)
  • RSIプラットフォームには一定以上のブラウザサイズに対応しないものがあり、画面拡大してもコンテンツサイズは追従しない


 こうなると、Mac使いとしてはファンレスのM1チップを詰んだ新しいMacBookが欲しくなるのは当然な展開。でも、ラップトップは現行MacbookProがあるのだから次に買うのはMacMiniでも良いのでは?と夢は広がりますが、もう少しよく考えようと思います(笑)

でも、大型ディスプレイを購入した事は概して正解でした。

 これまでのブログ投稿で紹介してきませんでしたが、外付けマイクやミキサーもすでに導入してすっかりRSIの最適な環境が整いつつあります。これからも必要に応じて進化していくと思いますが、こうなってくるとオンサイト・リモート案件ではよほど環境が整備されていないと、パートナー通訳者とのハンドオーバー以外には不便さえ感じるようになってしまいました。

Maker hart Just Mixer S ステレオ3入力/2出力 超小型音声ミキサー/電池とUSB電源可能オーディオミキサー


Blue Microphones Yeticaster ストリーミングセット Yeti Radius III Compass イエティ キャスター BM400C

 デスク左下にはシュレッダーとゴミ箱、右下にはプリンターを配置。奥に同じ幅のデスクをもう一台設置し、コロナ禍が明けたらここで二人同通もできることを想定しています。パートナーにオフィスに来てもらう手間は発生しますが、未だにハンドオーバーでは神経を使うことが多く、また稀に発生するオンサイトRSIでのスムーズなハンドオーバーと仕事後のちょっとした息抜きのおしゃべりや情報交換は恋しい…というのが本音です。

2021年6月14日

通訳業界の動向ー今後のカンファレンス形態

 コロナ禍に明け暮れた2020年の通訳業界だったと思います。私自身も大きく影響を受けました。業界的にはどうだったのでしょうか?SNSでの個人の発言は断片的で、個別の「仕事が戻ってきてる」「もう完全に回復した」という言葉をそのまま鵜呑みにするのは違うと思いつつも、全体的な動向を俯瞰して見せてくれるデータがないことに不安を募らせる通訳者も多いと思います。

 先月、日本の唯一の上場翻訳通訳会社である株式会社翻訳センターが昨年度(2021年度:2019/4-2020/3)の決算発表を公開しています。通訳部門の売上だけ見れば2020年を100%とすると2021年はほぼ50%まで落ち込み、2022年度の売上予想も対2020年で60%までしか回復しない想定です。営業利益では2021年度は通期マイナスで推移しています。

 JTFの業界白書(かなり高額ですがAmazon購入可能)も発表されています。内容を分析し先週開催されたオンラインの解説も録画で視聴してみました。通訳者の動向については回答者の数と属性に偏りもあり、個人的にはここから何らかの結論を導き出すのは難しいと感じました。

 以上のことから、個人的な細かい解釈はここでは控えるべきとは思います。しかし、大手一社の動向が業界全体を表す物ではないことは認識しつつも、市場動向がコロナ禍前のレベルまで回復するには相当の時間がかかるという印象です。あるいは、回復期間にはリモート通訳の出現も受け、業界構造が大きく変化していく可能性もあるのではと見ています。

 そこで気になるのは、リアルの現場が戻るのか?ということではないでしょうか。徐々にでなく一気に情勢が変化し、今はリモート通訳が完全に主流になりました。見込まれる増加ボリュームの多くを占めるのは、リアルイベント関連の会議ではないかと思います。

 需要回復の理由として「人は人に会いたい生き物だから」を否定はしないのですが、それだけでリアル市場の回復を説明するのは、私としては少し乱暴な気がしていました。リモートの利便性を人々が知った今、本当にそれだけの理由で以前のボリュームが元通りになるのでしょうか?私自身もこの辺りはまったく予測がつかないでいます。

 そんな中、先日聞いていたPodcastで面白い会話があったのでご紹介します。何らかの結論を導き出す物ではありません。しかし「人はお互い会いたいから」という単純な説明に終始せず、もう少し踏み込んで丁寧にケース分類をしています。ホストとゲストが実際に過去1年間に参加したカンファレンス経験などを基にこの先のカンファレンスのあり方に多少の期待を膨らませながら進められたトークになっています。

 ご興味ある方はぜひ。全編は超絶長いのですが、以下のリンクから「Chapters」タブを開き「バーチャルカンファレンス」をクリックすると該当部分を聞く事ができます。

Rebuildfm June 1/2021 306: Complaining Bot (takoratta)

…余談ですがこのRebuildfm、US在住のホスト(宮川達彦氏)が毎回さまざまなゲストをIT業界を中心に招き、ITを中心に、しかしITに止まら無い社会情勢から時には超個人的な趣味に走ったトピックまで、毎回なかなかにダラダラなのですが中毒性のあるチャンネルです。

2021年5月10日

お仕事サイトリニューアルのお知らせ

 突然ですがお仕事サイトをリニューアルしました!

 前回このサイトを作成したのはフリーランス独立後すぐの10年強前でした。どうにかお仕事に繋げようと文章にこだわりすぎ、とにかく文字が多くて御託並べまくりのサイトでした。今思えば恥ずかしい売り言葉に溢れていた気がします。もちろんプロフェッショナル然としたサイトであることは重要ですが、リニューアルしたサイトではとにかくシンプルで分かりやすい事を大前提としました。伝えたい想いは沢山ありますが、まずは気楽にアクセスしていただき、私の思いは実際にお客様とやりとりする中で感じ取っていただき、さらに実際の成果物である通訳翻訳サービスでご満足いただけることを目指したいと思います。

 もう一つ変えたかったのは、あらゆるデバイスで読みやすいサイトにする事でした。当時は扱えるHTMLの技術も今ほど発達しておらず、ネットで探してきたテンプレートにひたすらイメージや文言を入れて作成しましたが、それでも「それなり」な仕上がりでした。ところが、PCで見ることが殆どだったウェブサイトはこの10年の間にスマートフォンやタブレットが広く普及したことで、さまざまな表示サイズに対応する必要が出てきたため、ブラウザ表示技術も大きく進化しています。いわゆるResponsiveと言われるブラウザサイズに追随してイメージサイズや文章ウィジェットの配置構成を最適化して表示する技術です。

 このブログはGoogle Bloggerを利用していますが、実はGoogle Bloggerもこの間にタブレットやスマホ表示のオプションがすべてのテンプレートに設けられ、表示サイズに違和感や読みにくさを感じることなくモバイルでの表示を最適化するアップグレードが行われています。

 専門家に指導を受けながら(難しいところは丸投げしました…汗)今回のリニューアルとなりました。ITを専門領域とする私としては、今回はGitHubを実際に使ってその動きや利便性を理解できたのが大きな収穫でした。

 という訳で、新しいピースリンク通訳事務所のサイトと共に私も心機一転して前を向いて行こうと思います。このブログともども、これからも引き続きどうぞよろしくお願いします。

2021年2月21日

通訳翻訳ジャーナル(2021年春号)に寄稿しました

 これを書いている今、全豪オープンの大坂なおみ選手がプレイする決勝戦を見ています。アスリートも大舞台となると、緊張しないのかしら…とふと思ったのですが、緊張しないようとにかく練習してメンタルも同時に鍛えてるからここまで来れるんでしょうね。

 実は、自分にとり大きな仕事を控えていて昨夜はなかなか寝付けませんでした。もともと夜型なのに加え、会議の多くがリモートにシフトし起床時間が遅めで対応できるようになったことも手伝い、ここの所の就寝時間が極端に遅くなっていたのも理由の一つです。二日程前から少し早めにベッドに入るようにしていたのですが、緊張には勝てませんでした。

 でも、考えてみれば、フリーランス10年以上になるにもかかわらず、まだ緊張できる現場に臨むことができていると言うことは、けして後退はしていないと言うことです。心地よい場所に止まらず割りと果敢に挑戦してこれたかな…と思います。

 仕事の出来そのものは毎回反省の方が多いのは変わりません。でも、昨日だったか芸能通訳者の今井美穂子さんがTwitterで「だいたい脳は問題ばかり追っかけるようにできているので、『ぜんぜん成長してない』というのはバイアスであること多く…中略.…人は意外と成長している。」と書かれていました。全く同感です。

 そして午前中の(私にとって大)仕事を終えて帰宅すると、寄稿した通訳翻訳ジャーナルが献本として配送されていました。声を掛けてくださったJATに感謝です。実は打診を頂いた年末は、年明けを前に何か閉塞感をヒシヒシと感じていた時期で、この雑誌のメイン読者層を想定してどうメッセージを送っていいのか分からないでいました。この閉塞感の打開の緒を探していて、ちょうど一年近く前、昨年のお正月過ぎに東京外語大学で行われた新崎先生のご講演を聞きに行ったことを、ふっと思い出したのです。

 思えば私の泣き笑い通訳人生は常に新崎先生に(勝手に、笑)励まされてきたものだった…と思いながら、フリーランスになって以降の自分を思い返してみると、みるみる勇気が湧いてきたのでした。先の今井さんの呟きはまさにそうで、3年前、5年前と比べれば進歩してる事も贔屓目なしに確認できます。と言うことで「立ち止まってないでできる事をやろう。通訳することは、なんせ楽しいじゃないか!」…そういう記事を書きました。ちょっと内容を詰め込みすぎて失敗したかな…とも思っていたのですが、イカロス出版の方が上手く小見出しをつけて下さって、文章全体が締まりました。

今号も存じ上げてる方の記事がいくつもあり、さらにコロナ禍が始まりほぼ一年の今、業界がどのようにシフトしているのか、この先はどこへ向かうのか、考えるヒントを数多く得られそうな内容です。よければ購入して読んでみてください。

そして大坂なおみ選手、優勝しました!
おめでとう!

彼女のようなスーパースターにはなれないけれど、上を目指して挑戦する彼女の姿にグッときています。さぁそろそろ寝ます(笑)

2021年1月26日

Mac上のPDF資料をiPadに表示しApplePenで直接書込み

  昨年のコロナ禍で、エージェントから資料の電子化についての打診が相次ぎました。私は一部のエージェントには紙資料の送付は基本的になくても良い事を告げていたこともあり、電子データでの資料提供に特に不都合を感じた訳ではありません。しかし、スケジュールや分担票など現場・リモート関係なくすぐに手元に欲しい資料は自宅で印刷していましたし、枚数が少ない時にはこれ迄の慣れもあり印刷して準備することがまだまだありました。その為、流石にこの連絡が各社から来た時には「ついにデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が通訳業界にも押し寄せてきたか…」と感じたものです。

 そうなってくると、より効率的に資料を扱える事は準備負荷を軽減するのにはとても重要になります。今回ご紹介するのは、昨年秋にはその存在を知り、使い始めてまだ数ヶ月程度ですが随分とお世話になっている機能です。

 文章で紹介するよりも、動画で紹介する方が早いと思いネット上の紹介動画を探したのですが、適当なのが見つからないので自分で撮影してみました。

【手順】

条件:開けるファイルはPDF。*サイズが大きいものは稀に開けない事があります。

  1. Mac上のFinderに対象のPDFファイルを表示し、カーソルを合わせて選択状態にする。
  2. 選択状態でスペースキーを押すと、クイックルックモードでPDFファイルが開かれる。
  3. クイックルック画面の右上メニューにあるマークアップ(ペン先のアイコン)をクリック。
  4. 同じiCloud IDのデバイスであるiPadに同じPDFファイルが開く。
  5. iPad上で通常編集するようにApplePenを使い書込むと、リアルタイムでMac側のクイックルック表示に書込み編集が反映される。

Apple社の説明ページはコチラ

2021年1月8日

2021年もよろしくお願いします。

 

 新年を見渡すにもまずは昨年を振り返るのが定番、と思い書き始めてみたのですが、何を書いても新型コロナウィルスで云々…という文章になってしまい、あまりに面白く無い。一向に筆が進まず、気付いたらあっという間に1月6日になってしまいました。新年のスタートとしてはあまり幸先の良いものではありません。

 ですが、ふと気がつきました。この際、嬉しかったことや楽しかったこと「だけ」振り返ればいいんじゃない!?と(笑)。新型コロナウィルス感染拡大があまりにもインパクトが大きすぎて埋もれがちな明るい話題、明るい気持ちになった出来事を総括してみようと思います。

  1. 同僚や一緒に学ぶ仲間にリモート通訳の手法や注意点について情報共有ができた。
  2. 昨年ご相談いただいていた通訳目指して勉強中の方から、資格試験に合格したと春に嬉しい報告が有った。
  3. 広島の中高生を対象に通訳翻訳の仕事についてリモートイベントを開催。参加者は数名だけど好評だった。
  4. リモート通訳で新規に打診をいただき、数社ほど継続的なお仕事につながった。
  5. 昨年以前にお付き合いのあったお客様数社から久しぶりの打診を頂いた。
  6. 転職されて別会社へ移られた以前お付き合いのあった方から打診を頂いた。
  7. 専門外の難解な案件にお声がけ頂き、迷ったけれど同僚の協力を得て用意された資料をもとに準備を進めお客様に好評頂いた。
  8. 多くの同僚とZoom飲み会を通じて仕事やプライベートでの不安を話したり合い励ましあったりすることができた。誘ってくれる同僚に感謝!
  9. 比較的長い期間を広島に滞在することができたので、例年より頻繁にお好み焼きを食べられた。
  10. 簡単な筋トレを始めて約三ヶ月毎日継続できた。(残念なことに五十肩でドクターストップ…)
  11. 数十年ぶりに半年以上の一人暮らしの自由を謳歌した。

 これ以外にも平時であればそれほど気に留めなかったことが嬉しかった事として記憶されています。特に、お客様や同僚とのやり取り、人の繋がりに支えられている事を感じずにはいられません。筋トレを頑張れていたのも友人の励ましのおかげでした。この場を借りて昨年私を気にかけて下さった方に心からお礼を申し上げます。

 さて、嬉しいこと楽しいことだけを振り返りましたが、人に支えられているという意味では一つ悲しい出来事に触れておきたいと思います。

 昨年春に広島を拠点に活動された先輩通訳者が逝去されました。通訳学校で講師として教えを受けたのが最初の出会いで、その後は私が社内通訳として稼働するまでは長くお会いしませんでした。外部フリーランスとして職場に来られた先輩とブースで久々にご一緒した時の緊張感は忘れません。以降、一昨年まで頻繁に県内外の現場だけでなく海外でもご一緒いただきました。また、ここ数年は個人的に気にかけていただきいろいろアドバイスを頂いていました。仕事にはとても厳しい方でしたが、出張時に触れた素顔はとても優しい女性という印象で驚いたのものです。その彼女が広島を拠点に活躍する様子が私を折にふれ鼓舞していたことは間違いありません。
 きちんとお礼もできないままにお別れすることになったのが悔やまれます。でも、別れとはそういうものなのかもしれません。今は広島の後輩として恥ずかしくない仕事を続けていくことが御供養だと思っています。

 さて本日、東京では新型コロナ新規感染者数が2,000人を超え、昨日に次ぐ記録更新。そして海の向こうも大変な事態になっているようです(ワシントンD.C.ホワイトハウスに選挙結果に抗議デモする人達が乱入)。世界的には先行き暗い一年の幕開けですが、こんな時だからこそご縁に感謝して生き抜く力を蓄えて気持ち前向きに日々過ごしたいと思います。

 そしてそんな風に過ごすことが誰かの気分を少しでも上げるきっかけになればと思います。その延長線上で通訳翻訳の仕事を通じてどなたかのお役に立てる場面が少しでも多く持てる一年にして行きたいと思います。

本年も粘り強く参ります。
引き続きどうぞよろしくお願いします。

宮原 美佳子
ピースリンク通訳事務所 代表


JAT PROJECT2022「通訳キャリア構築法 - キャリアパスの歩き方のヒント」

  昨日開催された JAT PROJECT2022 で会議通訳者として「通訳キャリア構築法 - キャリアパスの歩き方のヒント」と題して講演しました。公開の場で人前に出るのはとても久しぶりで、少し緊張しました。ただ、参加者もそれほど多くないことを事務局からお聞きしていたこともあり、...