2011年10月19日

10. IT業界と通訳準備 キーワードはクラウド! その2

ギリギリに資料が出てくることはよくあることなのですが、今回もまた、事前に用意されたのは二日間のAgendaとそれぞれのセッションのSynopsis、スピーカー名程度の情報だけでした。日本で開催された同類のセッション資料のコピーを、エージェントさんが気を利かせてくれて参考資料として送ってはくれたのですが、印刷物ざっと厚さにして12cmほど…。しかもあくまで参考資料…。心が折れそうになりながらも準備を進めました。


左:BOSCH通訳機器、今回は中国語、韓国語通訳とのリレーもあり入念にチェック
右:休憩中の一コマ。カンペが…。そして、おやつ持込みはあたりまえのブース(笑)

そこで、今回の準備についてまとめてみました。

2011年10月18日

10. IT業界と通訳準備 キーワードはクラウド! その1

このところIT関連の会議というと、ちまたで噂のクラウドコンピューティングが話題の中心です。ITといっても範囲が広く、単なる社内的なシステム移行の話から、ITベンダーの商品開発まで多岐に及びます。しかし、最近の大手企業の経営戦略には、業界での勢力拡大の手段としてクラウドコンピューティングがすえられているようです。

IT業界ではすでに長い間にわたりクラウドコンピューティングの概念と技術を開発してきました。それが証拠に一般にはあまり意識されていないもののAmazon, Google, Facebookなどの有名どころはクラウドの最先端を行く企業なのです。

今年になってやっと一般人にも見える形でクラウドコンピューティングが売り出されはじめたのは、ここ数年のファイル管理システム技術の進化により、プライベートクラウド、パブリッククラウドを柔軟に行き来できるようなデータベース/システム構築が可能になったという背景もあるようです。オープンソース時代の到来と共に一気に仮想化の概念と技術が普及したことで、クライアント側の開発環境も極めて進歩しました。

さらに何といっても、クラウドの一般普及への鍵となったのは、ネットワークの高速化が加速度的に進んだことです。ADSLに始まる、光ファイバー網、携帯回線のの高速化は、一般のモバイルユーザ-にとっても近年目を見張るものが有ります。

夏に大手IT企業の国際会議を担当しましたが、その時もやはり技術戦略の主軸に据えられていたのは「クラウド」でした。そして先週担当した、マカオでのある大手IT企業の国際会議でもこの「クラウド」は目玉でした。

2011年10月17日

第8回JAT新人翻訳者コンテスト

今年も日本翻訳者協会による新人翻訳コンテストが始まりました。お知らせの抜粋は以下の通りですが、詳細お申込みはコチラからお願いします。

このコンテストは、JAT会員非会員問わず参加可能です。そして第一位獲得者には来年広島で開催される日英英日翻訳国際会議(IJET23)への往復交通費、3日分の現地宿泊費相当が支給され、JAT年会費1年分無料となる豪華賞品!

翻訳をはじめて間もない方、これから翻訳を志してみようと思う方もどしどしお申込み下さい。

第8回JAT新人翻訳者コンテストのお知らせ

日本翻訳者協会はこの度、第8回JAT新人翻訳者コンテストを開催いたします。

本コンテストは、優秀な新人実務翻訳者の発掘と奨励を目的として、当会の設立20周年を記念して2004年に始められました。

主催: 特定非営利活動法人 日本翻訳者協会(JAT)

目的: 優秀な新人実務翻訳者の発掘と奨励

応募資格: 実務翻訳(放送・映像翻訳も含む)経験3年未満の方(JAT会員・非会員は問いません。過去のコンテストに応募した方も入賞者以外は応募可とします。)

応募部門:英日翻訳部門、日英翻訳部門

応募料: なし
各賞
第1位   英日・日英の各部門1名
副賞として2012年6月2日(土)3日(日)に広島で開催予定のIJET-23参加費、往復交通費、3日分の現地宿泊費、およびJAT年会費1年分無料

第2位   英日・日英の各部門1名
副賞としてIJET-23参加費無料、JAT年会費1年分無料
入選者 該当者があればJAT年会費1年分無料
出題・審査員
英日部門: 石原ゆかり、千桝靖、藤村聖志
日英部門: マルコム・ジェームス、ケン・ワグナー、ジェームズ・デービス
開催スケジュール

2011年10月17日(月)
   本サイトに日英・英日両部門の課題文およびコンテストの実施要綱を掲載

2011年11月18日(金)24:00(日本時間)
   訳文提出締切
2012年1月上旬
   最終候補作5件をウェブサイトで発表

2012年 3月上旬
   本サイトにて受賞者を発表(受賞者には直接連絡)

2012年6月2日(土)~3日(日)
   受賞者をIJET-23に招待


お問い合わせは contest@jat.org にお願いします。

2011年10月5日

プロジェクト名古屋2011

私が所属する団体JAT(日本翻訳者協会)主催のPROJECTが、今年は名古屋で開催される事になりました。昨年は9月のPROJECT東京に参加して、自分の気づきもしなかったような視点を沢山頂きました。今年も出席することになったのですが、今年はあるセッションのパネリストもつとめさせて頂く事になりました。

セッションは、私を含む三人のパネリストで行われる「いかにして正当な翻訳料金で仕事をするか」 [パネルディスカッション] です。なんだかドキドキのタイトルですよね(笑)?

三人の中で通訳をやるのは私だけなので、私は通訳の視点からお話する予定にしています。既にモデレーターや他のパネリストの間で意見交換がはじまっており、本番で中身の濃い話ができるよう準備が着々と進められています。

この他にも沢山の興味深いセッションが用意されています。詳しくは専用サイトが設置されていますので、そちらをご覧になって下さい。専用サイト:http://project.jat.org/ja/

開催の要領は以下の通りです。お近くの方、また遠方の方にとっても初心者には比較的リーズナブルに中身の濃い話を聞ける数少ないチャンスです。ぜひ、足を伸ばしてみて下さい。


PROJECT名古屋

【日時】
2011年11月12日(土)9:30~16:45

【場所】
• 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
• 名古屋駅より徒歩5分
• 日本翻訳者協会会員:7,000円
• 一般:8,000円

【交流会】
17:30~19:30 (参加費5,000円)
2011年に日本翻訳者協会が主催する最大のネットワーキング・パーティーです。翻訳・通訳業界の第一線で活躍する人たちと食事をしながら交流を深めましょう。翻訳者、通訳者、編集者、翻訳会社・通訳会社、学生、コーディネーター、新人の方、皆様を歓迎いたします!(ウエブサイトで参加申込時に、一緒にお申し込みください。)

お問い合わせ pn2011@jat.org


2011年10月3日

9. いつ、どこで役に立つのか?

何かを学ぶとき、これを学ぶと何かの役に立つ!と思って学習しはじめるものもあるでしょうが、語学はそういう類のものではないと言うことを忘れている人が多いように思います。

私が通った大手通訳学校では、通訳本科以前の通訳入門科のさらにその前の基礎科講座のレベルの生徒にまで「時事英単語表現集」という用語集を配っていました。これ、時事英語がとてもよくまとまっています。政治、経済、エネルギー、医療、環境…などとカテゴリー毎に単語が並び、その手の話になると普通に一般人が使いそうな単語や表現がギュギュッとつまっている。

ところが、入門科レベルから入学する人はある程度TOIECスコアも持ち、それなりに英語に自信のある方が入られています。そのためなのか…?時事英単語表現集の内容は「日常のビジネス通訳シーンではあまり出てこないような単語・表現ばかり。」という声を随分聞きました。

また、時事英単語表現集のみならず、通訳学校で扱う教材はノーベル賞受賞者のスピーチであったり、政財界大物のスピーチであったり、各国首脳の対談であったりと、とても仕事に就いたからと言ってすぐに通訳場面には出くわしそうにはない題材を扱ったものがほとんどでした。

実は恥ずかしながら私もそう思っていた時期がありました。当時はまだ仕事もしておらず、これが「何の役に立つのか?いつ役に立つのか?」サッパリ分かりませんでした。全くの想像力の欠如です。そして実際に、何人ものクラスメートが同じように「いつ何の役に立つのか分からない。」「私が求めていたものと違う。」と言って通訳学校を辞めてしまいました。

ですが、実際に仕事をするなかでは、あそこに出ていた単語でむしろ使わないものの方がめずらしいのです。

広島通訳 Tea Salon を開催します

例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...