2017年7月29日

宮原とビール飲む暑気払い2017

最近は結構東京、たまに広島の宮原です。

突然でありますが、暑気払い飲み会を開催予定です。今朝思いついたばかりなので誰もまだお誘いしてません。なので一人飲み会の可能性もあるのですが…
宮原とビール飲む暑気払い2017



【日時】
8月5日(土)18:00〜

【場所】
広島市の街どっか(人数確定し決定後、個別にご連絡差し上げます)

【参加資格】
通訳翻訳にご興味のある方、もちろんプロ通訳者翻訳者も、あとは宮原と飲みたい、宮原を一度見てみたい、宮原はいらんがビール飲みたい、単に美味しいもの食べたい、という方のご参加をお待ちしています。

【参加表明方法】
m.miyahara(a)peacelink.jp へ直接メールをお願いします。 (a)を@に変えてください。

場所のご提案もあれば歓迎します。木曜日ごろには決めようかなぁ…というゆるゆるです。一人飲みになったら、一人暑気払い「うぇ〜い!」写真をこちらに後日アップします(笑)

2017年7月14日

早口さんへの "Slow Down!!"

先日、ブース同通でご一緒した通訳者が使っていたアプリをご紹介します。残念なことに紹介者と同じ現場ではあまり効き目がありませんでした。でもアイデアが斬新だったのでなんとなく試してみたくなり使って見たところ、少しライトを落とした講演の場ではなんと大当たり!効果がありました!

アプリは以下紹介のもの以外にも沢山あります。こちらの二つは無料アプリでしたので参考まで…。


日本語でも英語でもスピーカーの早口に悩まされることが多いことは、一般的にみなさん想像がつくと思います。それでも逐次通訳であれば、聞き取りができる速さなら訳出は通訳者のスピードで進めることができます。早口のスピーカーであっても訳出スピードを少し抑えるとそれに影響されて少しスピードダウンし、落ち着いて話始めるスピーカーもたまにおられます。スピーカーとつい同じスピードで訳出を始めると自分の首を絞めかねないので注意するようにしています。

でもスピーカーの早口で悩まされるのは何と言っても同時通訳です。どうやってもスピーカーが話す尺に訳が収まらず、さらに訳出が遅れてしまうことをどう回避すればいいのか?情報を意図的に落とすこともありますが、こういう場合の意図的に落とすは「落とさないと追いつけない」から「落とす」場合が多く、訳出しながら焦りまくる脳みそでは情報を正しく取捨選択することを一瞬の判断でおこなうことはものすごく難しい。結果、効率的に情報を伝えきれなかったり、ただ早口でまくし立てただけで印象に残る形でメッセージを伝えられなかった…という惨敗感満載で会議を終えることになることも少なくないのです。

打ち合わせ時に「普段話すスピードより少しゆっくり目を意識して話してください」とお願いするのですが、大抵みなさん姿勢は協力的なので「もし早過ぎたら合図して下さい」と言って下さいます。でも彼らは講演中に通訳ブースの方向なんぞ多くの場合は見ちゃいないのです。打ち合わせから劇早のスピーカーはだいたい自分の早口を認識しているので、ジョークの分かりそうな方なら「早口になったら私、ブースで踊り始めてしまうんです!」などと言うと、結構ウケます(笑)

今回はこのネオンサインを自分のiPadに流して頭上にあげましたら、一度目は苦笑いして少しスピードダウンしてくださいました。二時間のプレゼンのうちトータル3回このサインを使いましたがいずれも前半で後半は使いませんでした。講演後、スピーカーからよく見えたよと声をかけていただきました。

通常はスピーカーが話そうと決めているスクリプトやスライドの量があるはずなので、いつもこの時のようにうまくいくとは限りません。でも、前方から見たときにブース内で人間が立ち上がって「落ち着け!」ポーズを取るよりも、こちらのネオンサインの方が目立つようです。ご興味ある方はぜひお試しを。

2017年7月10日

通訳しました>> "パレスチナ占領50年企画 国際シンポジウム”

珍しく今回は担当させていただいたお仕事の紹介など…

普段東京ではIT関連の仕事が多数を占めています。一方、頻度は大変少ないのですが広島で頂く仕事はやはり自動車関連が中心です。そんな中、私にとっても通訳として取り組むのは初めてとなるテーマ「パレスチナ・イスラエル問題」に関する国際シンポジウムの逐次通訳を担当させていただきました。


今年はイギリスによるバルフォア宣言(1917年)から100年目、そしてイスラエルによるパレスチナ占領(1967年)から50年を迎える節目の年にあたります。これを受けて、"パレスチナ占領50年企画 国際シンポジウム”が東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所中東イスラーム研究拠点NIHU(人間文化研究機構:National Institute for Humanities)主催で、東京、大阪、京都、そして広島の各拠点で開催されました。僭越ながらイスラエル・パレスチナ研究で著名なお二人の講演者の通訳を、7月9日(日)に広島「ひと・まちプラザ」マルチメディアスタジオで担当させていただきました。

先週は先立って行われた東京大学での講演も聴講しました。事前にお二人の講演を聞けたことは収穫でしたが、同時通訳のパフォーマンスが素晴らしく個人的にはハードルが上がってしまい無駄に緊張する羽目に…(笑)そして、東京講演では人の出入りがかなりありましたがピーク時で100名を超える参加者がありました。

広島では何名くらいが聴講されるのだろう?と思っていましたが、なんと約80名の参加者がありました。お二人の講演自体は淡々と逐次通訳で進行しました。ですが、嬉しいことに質疑応答で非常に活発なやり取りがされました。Dr. Nakhleh(左)とProf. Shlaim(右)は初めての日本そして広島訪問で、お二人ともがやはり特別な感慨を持ってこの広島での講演を迎えられているように感じました。



弊社の屋号は「ピースリンク通訳事務所」です。「平和をつなぐ」お手伝いができることは、私自身にとっても格別に嬉しいことですし、お話があれば積極的に務めさせていただきたいと考えています。今回のお仕事はそういった意味でも私の通訳キャリアの中でもマイルストーン的なものになりました。この場を借りて関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。

この問題を理解するには根が深すぎて簡単にまとめるのは難しいのですが、それでもあまりに日本人は知らない気がします。少し時間はかかるかもしれませんが、今回シンポジウムでフォーカスした内容に絞ってこのブログでまとめてみようと思います。

2017年6月28日

残業は悪か?


先日、日本の大手企業の管理職研修の仕事をしました。その一環として上級幹部社員との対話がおこなわれ、初めて管理職に昇進した若い社員たちが口々に事業継続性の危機感について質問を投げていました。仕事を効率的にしたい、おもしろい変化を起こしたい、お客様に喜ばれたい…そう思っても様々な規制に阻まれてそれができない、一体我が社は生き残れるのか?というものでした。その規制の一つが残業規制でした。電通の痛ましい事件以降、特に各社の自主残業規制が強まりこの企業も例外ではなかったようです。

昭和の高度経済成長時代は、プロジェクトのために多くの人が情熱を傾けて仕事をしてその対価が残業代という形になっていたのだろうと思います。ですが、良い商品を作るには時間がかかります。商品を発案し技術開発をおこない市場との整合性を検証し調整してさらに宣伝広告した上で市場投入に至ります。それには多額の投資が必要です。なぜなら、市場で認知され販売による収益が上がるまで、それらの活動や成果物は企業に対して何の利益も産まないからです。

戦後世代の情熱と努力の賜物として日本には優れた「ものづくり」の文化が生まれました。このものづくりでは、「もの」を相手にしているだけに市場投入までの時間(TTM: Time To Market)がどうしても長くならざるを得ません。そこに注ぎ込まれる技術の発案やテストには多くの才能と技術を必要とします。昭和の経済成長は企業の社員達が、現行プロジェクトの仕事を済ませた後で夜遅くまで残業して研究開発をコツコツ進めた成果だったのではないでしょうか。

この朝日新聞の記事を受けてSNS上では「仕事終わって、会社でなにしてんの?」という声が多く上がっていますが、その前提は「残業収入をあてにしてるだけのつまらない社員」という見解でしょう。しかし、残業という言葉にはいつからそんな「うしろめたさ」がつきまとうようになったのでしょうか。

今は何でも工数管理され、承認されない事には手をかけることが許されません。承認されたプロジェクトでさえ失敗すれば社内的に処分の対象になりかねません。そもそも、研究機関や大学にさえこの流れが押し寄せる日本で、自由な発想、自由な研究はどうやって生まれていくのでしょうか?

仮に、仕事に関わる研究や能力開発を仕事の外でしたとして、それが後に企業に大きな利益をもたらしても、今の日本の企業制度の下では個人がそれに見合う見返りを得られません。ノーベル物理学賞を受賞した中村修二さんの例のように、また彼自身がノーベル賞受賞時に強く示唆したように、優秀な頭脳は確実に海外流出していくでしょう。「優秀な社員から辞めていく」という声は先の会議の社員の声として聞こえていましたが、これはすでにその流れが押し寄せていることを如実に表しています。

残業規制が流れとして出てきたことは、そうなる背景が存在していたことも認識していますし、個人的に否定の立場はとりません。残業という言葉の裏側に「うしろめたさ」をつきまとわせる原因を作ったのは誰なのか?率直に言えば、日本企業の社員達が直面する閉塞感は、時流を読まず既得権益にしがみついた経営陣の判断ミスによるところが大きいと私は考えています。

しかし全ての責任が一部の人達にあるわけではなく、現実には、現状に満足して世界の時流に追い越される自分達を見失った私達全てに問題があったと言わざるを得ません。裏返して見れば、私達の多くにとって、閉塞感に満ちた現状は、時代や社会の雰囲気になすすべなないまま、あるいは気付かないうちに流されてしまった結果とも言えます。

そう考えると、先日の会議で聞こえた企業社員の悲痛な声「仕事を効率的にしたい、おもしろい変化を起こしたい、お客様に喜ばれたい、でも残業規制が厳しすぎて…」に、なんともやりきれない気もしますが、同時に「まだまだ捨てたもんでもないのかも?」とも感じることができます。ありきたりかもしれませんが「ピンチはチャンス」日本企業、まだまだ頑張れ!…な感じです(笑)

2016年12月11日

「同時通訳はやめられない」袖川 裕美 著

長い間、いわゆる「積ん読」でしたが読み始めたら一気でした。もともと翻訳者でいらしたということで、文章はとても読みやすく理解しやすいと感じました。

「同時通訳はやめられない」 袖川 裕美 著

私が同じ通訳者という立場なので、言うまでもなく共感する事ばかりです。しかしながら著者は、私が同じレベルで「そうそう!」と頷くのが正に「おこがましい」、経験も実力もある通訳者です。それでも読み進めながら「そうそう!」と思わず感じさせてしまうその文章には、著者の構えない偉ぶらない人柄を感じずにはいられません。

著者は長い通訳キャリアの持ち主であり、その中で担当された分野は多岐に渡ります。特に、バブル後期から通訳業界に身を置かれてきたことで、日本という国家の文化的そして政治的な世界での位置付けの変遷について得られたとみられる知見は膨大であることが伺えます。これには舌を巻くより他ありません。一方でご自身が心酔されている音楽家を端緒、クラシック音楽の分野で著名な音楽家の通訳業務にも次々と携わられた他、スポーツでも多くの選手や監督の通訳を担当されています。それぞれについて著者自身の印象を書き記されています。その文章には著者の飾らない、でも「おもしろい物、人、見たい!」というガッツというか好奇心が全面に出ており、読んでいるこちらも「そんなドラマが有ったのか」と引き込まれてしまいました。

今まで通訳者として技術的に素晴らしいと感じるパフォーマンスをする同僚や先輩には多く出会いました。ですが、フリーランスとしてビジネス抜きで他の通訳者と付き合うことのできる場面はごく限られています。人間的にお互いを深く知り合うほどのお付き合いはなかなか難しいのです。ネットは素晴らしい情報源ですが、一方でネット情報はどこかマーケティングに寄りがちな気がして、最近どうしても少し斜に構えて読んでしまうのは、私の悪い癖かもしれません。そんな中、この一冊からは著者の等身大のお人柄が立ち上がり見えるような気がして、またそのお人柄がとても尊敬すべき慕わしいものに感じられました。

以下にそれを印象付け「きっと間違ってない…」と私自身がキャリアの模索で感じている迷いを受け止めてくれた部分を引用します。

「あとがき」より
…結果、本格的に勉強しようと大学院に行くことにした。

私は、それでも、この時、英語が「大体」わかるようになったと思っていた。だが、この「大体」が曲者で、その後ずっと今日に至るまで「大体」が続いている。確かに理解できる量は増えてはいるが、すべてを完璧に分かることはない、
自信を持ちかけては失い、失っては持ちかける。これがどこまで行っても繰り返されるように思える。それでも、去年より今年のほうが少しマシになっているのではないか。こう感じられる限り、通訳をやっていきたいと思っている。

こんな方が自分の業界の(やはりとてもおこがましいのですが…)大先輩でいて下さる事をとても誇らしく嬉しい…という、爽やかで身の引き締まる読後感。私にとってはそんな一冊となりました。

蛇足ですが…

私は著者程の経験はないものの、比較的様々な業界で満遍なくITに関わるお仕事をお引き受けしています。バブル期以降のITの世界でインターネットの普及にともなう世界経済、政治、ビジネス、人々の生活や振る舞いの変容を、どなたか「通訳者は見た!」的に、業界別、分野別に書いて下さらないかな…。そして来るべき「Google通訳」の時代について考察してもらえれば、是非読んでみたい…です。よろしく(笑)

2016年12月4日

「通訳の仕事とは」小学校高学年〜中学生向け

毎年、春先と夏休みが終わる直前には小学生や中学生から可愛いメールやお手紙を頂きます。「通訳の仕事について教えてください」というものです。今回は学生時代の同級生のお子さんが夏休みの課題の職業調査をしたいので…ということで相談を受けました。

以前にもこちらで、そのやりとりの概要をご紹介したことは有りましたが、今回はレポート本体に直接書けるような具体的な内容をまとめてお返事できたので、この際、これを公開してしまおうと思います。

あくまでも、小学校高学年から中学生向けで「会議通訳の概要」がつかめる事を意識しました。




通訳者の仕事

1. 通訳とは
まず「通訳する」ということについて説明します。世界には様々な言語(手話も含みます)が有りますが、二ヶ国語間の話し言葉をお互いに意味が通じるように相手に伝える行為を「通訳する」といいます。書き言葉を別の言語の書き言葉にする事は「翻訳する」と言い、通訳とは一般に区別されます。(ただし、英語だとtranslation=翻訳+通訳と定義されるためよく混同されるし、二つの仕事に求められる能力の違いを理解してもうのはなかなか難しいことです。通訳=interpretingです)よい翻訳者だからといってよい通訳者ではないし、その逆もそうです。特に同時通訳には特別な訓練が必要です。

2. 仕事の仕方
私は日本語と英語の会議通訳者です。観光客にガイドをするなど通訳ガイドの仕事とは違い、官公庁や一般企業などが行なう会議の通訳をしています。登録している複数の通訳エージェントから仕事を依頼・紹介されたり、あるいは直接お客様から依頼を受けて、お客様先やお客様が主催・参加する会議やイベントなどで仕事をしています。

3. 通訳の種類
通訳のやり方には大きく分けて二つのタイプがあります。逐次通訳と同時通訳です。

逐次通訳について説明します。逐次とは「順を追って、次々に」という意味で、逐次通訳とはスピーカーが話した後に一定の間を置き、その間にスピーカーが話した内容を通訳することです。
一方、同時通訳とは、スピーカーが話している内容を話しているのと同時に聞き手に伝える作業です。同時通訳では、スピーカーと通訳者が同時に言葉を発するため、聞き手に聴きやすいようにするために多くの場合機器が用いられます。小さな会議では、聞き手はレシーバー(受信機)にイヤホンをつけて通訳者の音声を聞き、通訳者はマイク(送信機)を持ち小さめの声で邪魔にならないように通訳音声をマイクに向かってしゃべります。大きな会議では会議場に作り付けの通訳者ブース(通訳するための機器のそろった小部屋)がある場合もありますし、なくても仮説ブースと言って小さな小屋のような小部屋を作って音響機器を設置し、そこから通訳の音声を聞き手のレシーバーへ送信することもあります。
ですが、同時通訳にもウィスパリングと呼ばれる機器を使わない方法もあります。ウィスパリング(Whispering)とは「囁く」という意味で、聞き手が二人くらいまでの時は聞き手の横や後ろに通訳者がすわり耳元近くで囁くような声で同時通訳する事をいいます。二国間の首脳会談などでは各首脳の横に通訳が座り仕事をしている様子が時々映し出されますが、そこで使われているのもこのウィスパリングという手法です。

4. 通訳の方法
通訳は高い集中力が求められる作業です。同時通訳では必ずペアまたは3人以上で組になって通訳を行います。通常は通訳作業に求められる集中力が続くのは15-30分と言われていて、私の周りでは15分交代が一般的です。自分の番でない時には、もちろん頭を休める事もしますが、難しい会議になると通訳の番の人が訳すのに苦戦している場合に該当する資料を差し出したり、時には数字や固有名詞などをメモして差し出すなどの補助をすることもあります。つまり、通訳には時にはチームプレーが大変重要な役割を果たします。逐次通訳でも業務時間が長い場合はペアで作業することもあり、同時通訳の時と同様のチームプレーは重要です。

5. 職業につくために
日本の大学にはまだプロの通訳者を養成する学部や学科はほとんど有りません。通訳理論や通訳訓練を受けられる大学はかなり増えてきましたが、卒業したからといってすぐに通訳職につけるのはまだ稀だと言えるでしょう。通常は通訳学校に通い勉強をし、通いながら、あるいは卒業してから、英語を使う仕事から通訳補助的な仕事、そして社内通訳者やフリーランス通訳者というふうに少しずつ経験を積んでステップアップして行きます。一般に帰国子女や留学経験者が多いと思われがちですが、私のように海外留学経験もなく日本だけで勉強して通訳者になった人も少なくありません。通訳者は様々な業界のお手伝いをする仕事なので、むしろ英語とは関係ない業界で仕事をした経験が役に立つことがよくあります。例えば私は大学卒業後すぐはコンピュータ関係の仕事をしていました。今はどんな業種でもコンピュータやインターネット抜きには成り立たないという背景もあり、前職で学んだ技術や知識が多くの仕事現場で役立っています。

6. やりがいや楽しいこと
自分が苦労して身につけた技術で仕事ができていると感じられることがやりがいです。また、お客様のビジネスが上手く行き喜んで下さる様子を直接目にしたり、その場で顔を見て「ありがとう」と言われると嬉しいです。また、毎回違うお客様の違う分野のお仕事を担当しますが、多くの場合、分野の最先端の動向や情報を新しい知識として吸収できるのが楽しいです。例えば、医療機器の説明会、化粧品会社のマーケティング会議、サングラスの商談、核燃料商談検討会、コンピュータやインターネット企業の会議、福島第一廃炉技術検討会、現代アート市民会議、自動車他製造関連企業の会議、マーケティング関連会議、建築技術セミナー、電力会社の会議、様々な企業の記者会見など、挙げればきりが有りません。あと、有名人に会える機会も比較的多い職業かも知れません。また、私は普段は広島か東京で仕事をしていますが、頻度は限られているものの国内外への出張があり、自分では思いもしないような場所に行くことがあります。訪問先で現地の様子を見たり、現地の食べ物を頂いたり、人々にあったりと、初めての経験ができるのは楽しいです。過去10年程の出張先は日本国内各地を始め、海外では中国 (上海、マカオ、香港、重慶、武漢、広州、海南島)、アメリカ (ボストン、ピッツバーグ、ロサンゼルス、デトロイト、シアトル、ハワイ) カナダ(サスカチュワン、モントリオール、トロント)、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、台湾、UAE、スペイン (バルセロナ、マヨルカ) 、バーレーン 等です。(私は随分少ない方です)

7. 小中学生の時に何をしておけばいいか
英語だけでなく好きなことや興味のあることは何でも一生懸命に勉強しましょう。学校の学科でなくても、スポーツでもゲームでも自分が面白いと思うことがあればとことんやってみましょう。でも、最初は何となく面白そうでも慣れてくると飽きてしまうこともあります。その時にちょっとだけ我慢して「知ろう」とする努力をしているとまた面白くなる時がきます。(それでも面白くならなかったらやめてもいいと思います、笑)通訳は一つ一つの仕事の前には沢山の調べ物をして内容や言葉に慣れておく必要があるので「研究」できる根気があることが大切だからです。また、通訳者というとどうしても英語が大切と思われがちですし実際大切ですが、日本語も同じくらい大切だとよく覚えておいてください。特に日本人のお客様相手に話をするときに、敬語を含め正しい日本語が使えることはとても重要です。そういう力を養うためにも、沢山(英語でも日本語でも)本を読みましょう。分野は何でも構いません。漫画でもOKです。私も知らない分野のことは、漫画や小中学生向けの本で勉強することも有ります。




以上、いかがでしょうか?でも、今の若い人たちにあまり進んで「通訳者」という仕事を勧めるのが良いことなのか、昨今の機械翻訳の飛躍的な性能向上を目の当たりにすると悩ましいところです。15〜20年後に通訳という仕事はまだ存在しているとは思いますが、ローエンドの仕事は間違いなく機械翻訳(通訳)に取って代わられているでしょうし、時間のかかる人間通訳養成を敢えて試みる理由を認識する企業は確実に減少しているでしょう。この話はまた別の機会に…

2016年10月12日

通訳における印象操作のリスク(訳語の選択)

アメリカの大統領選挙に絡んで、ニュースでヒラリー・クリントンやドナルド・トランプのスピーチがボイスオーバー翻訳付きで放送されることが増えました。先日、NHKニュースの中でもヒラリーのスピーチが女言葉でアフレコされていた事が問題視され、改めて「スピーカー本人の人となりを勝手に解釈し印象付けを行うのは情報操作の一環ではないか?」といった問題提起が見られました。

例えば、黒人のラッパー少年が話すと「俺は」になるのに、ジャスティン・ティンバーレイクが話すと「僕は」になるのは、そこにステレオタイプな印象操作が関与しているとされても仕方がない気がします。そして確かに、必要以上のそうした脚色には違和感を感じるものです。

しかし、通訳を考える時、これはとても重要な問題で、通訳がinterpretation(解釈)と言われる所以でもあります。幸いで、「俺」「僕」などというような現場に遭遇することは通常ビジネスの場ではまず有りません。ですので、上記で述べた例での印象操作につながるようなリスクはほとんどありませんが、解釈する主体としてそのリスクは理解しておくべきだと、このニュースを聞き改めて感じました。

実際、時に白熱した会議の場所などでは感情に任せて極端な発言が出てくる場合もあります。結局、正解はその場その場にしかなく、通訳者がその場で様子を見ながら判断、解釈して訳出するしかないと考えています。関連して、思い出される同僚から聞いた話があります。

スピーカー: I think this is f***ing crazy!
通訳者:正気の沙汰とは思えません!

正直あっぱれだと思いました(笑)が、Fワードが入っている時点で「正気の沙汰ではない」という言葉の「上品な選択」が不釣り合いになってきます。

あぁ、言葉は難しい…

2016年9月30日

JTF翻訳祭プログラム発表

JTF翻訳祭のプログラムが発表になりました。実はここ数年、翻訳祭には出席していませんでした。私の場合、翻訳、通訳の二足の草鞋ではありますが、どうしても通訳業務が多くなる傾向にあり、繁忙期の真最中に開催される翻訳祭にはなかなか足が向きませんでした。

ところが今年に入ってから理事が入れ替わり、翻訳会社の方々よりもフリーランス実務翻訳者が数多く運営に携わることになり、さらに一部の関係者から「今後は通訳業界についてもカバーしていく」という話も漏れ聞こえていたことから、翻訳祭のプログラム発表はとても楽しみにしていました。

JTF翻訳際プログラム
https://www.jtf.jp/festival/festival_program.do

具体的に中身を見てみると、トラック6に通訳枠が当てられているようです。この中でも個人的には通訳トラックは、ISS西山さん、立教の武田さんあたりがボチボチ目玉だと見ています。

どちらかというと同業のフリーランス通訳者の現場での生の声を聞いてみたいと思っていたのですが、いずれも、通訳エージェント、通訳学校、大学からの登壇です。そこは、今後のJTFの通訳関連の活動にも期待したいところです。

しかし、別トラックで面白そうなのが!

トラック6
セッション4 対談 16:30~18:00
BBCエディターに聞く報道の現場と翻訳・通訳

以前、このセッションでモデレータを務める予定の松丸さんとお茶した時に、BBCでボイスオーバーの仕事の様子を興味深く聞かせて頂いたことがありました。与えられたニュース素材を自分で訳し、映像に載せて自分でナレーションまでを担当するそうです。ちょうど翻訳と通訳の中間のような仕事だと感じながら聞きました。このパネルでは

…正確性、即時性が求められるニュースの現場における理想的な翻訳者・通訳者像とは何かを探る…

ということで、期待が膨らみます。申し込みは済ませましたが支払いがまだ…。油断できません。今年は申込み開始からペースがかなり速いとTwitterで読みました。

まだ少し先になりますが、会場で私を見かけた方は遠慮なくお声がけ下さい!

2016年8月20日

「通訳翻訳ジャーナル2016秋号」に掲載されました

通訳翻訳ジャーナル2016秋号が本日8月20日(土)に発売になります。

この中で私も取材を受けました。写真がデカすぎて個人的にはドン引きです。「首のシワをフォトショして」とお願いしようと何度考えたか分かりません。その上、写真撮影があるなど思いもせずうかつに適当な格好をして行ってしまいました。「ちなみに某有名通訳者はポーズからお衣装までバッチリでしたよ」と言われてしまい、余計にウガウガガガガ…どぉしろと。


閑話休題。テーマは「これってハンデになる?ならない?」で、私の場合は「地方在住」が想定ハンデでした。学習はどこにいてもできますが、実績を得て実力を付けるには地方在住はやはりハンデであり、そうでないと言い切ることは私にはできません。

ざっくり言うと「通訳の実力とビジネススキルとの両方を東京で磨くことで、東京だけでなく地元での案件開拓につなげることができた」という流れになっています。

広島での稼働はフリーランスデビュー当初に比べれば格段に増えました。しかし市場の仕事量は東京が圧倒的に多いため、どうしても年間の稼働日数を比べると東京が上回ります。このような状況で果たして「地方在住」と言えるかどうか…微妙なところです。

ただ、地方に居ながら蒔いた種は確実に芽を出しているので、そういった細々した事に目を留めて頂きご自分の環境に合うものがあればトライして見て欲しいと思います。お役に立てれば幸いです。

ご意見やコメント等あれば遠慮なくお寄せ下さい。



2016年8月19日

小さな平和

夏休みを利用してイギリスのロンドン・エジンバラに駆け足で旅行してきました。一週間と短い滞在でしたが私なりに満喫して帰りました。個人的な旅行の思い出は沢山あるのですが、通訳翻訳の脈絡では、偶然にもステイ先のホストが英露翻訳者だったこと、そしてこの一枚の貼り紙を見つけた事がちょっとしたイベントでした。

これはウェストミンスター大聖堂の塔の上にあるエレベーターの横に貼ってあった一枚の注意書きです。旧式で反応が遅いエレベーターに苛ついて連打する人が多いのでしょうね(笑)


元の文章は Press the button once only. です。これを各国語に訳した文章が並んでいるのですが、訪れた人たちが自分の言語の翻訳を添削したり、自分の言語の翻訳を追加したりしています。

知りたい、広めたい情報を、持てる知識を駆使して分かりやすく伝えようと多くの人が手をかけていることに「小さな平和」を見たような気分でした。

2016年7月24日

人としてプロジェクトに関わる

地元でピースリンク通訳事務所として稼働させていただくようになり、今年ではや8年を迎えました。私自身、近年のメイン稼働は東京にシフトしているのですが、広島でお声がけ頂くお客様のお仕事は最優先で取り組ませていただいています。

そんな中で、継続してお声がけ頂く案件も少しずつですが増えてきました。その一つが広島大学が取り組んでいる「フィリピン・ミンダナオのバンサモロ自治政府人材育成強化事業」への通訳支援です。

今年でかれこれ三年目、春と秋とあるので回数も随分重ねました。フィリピンからの研修生はみなさんまじめな、ですがとても明るい若者たちです。学ぼうという意欲に溢れていて、人懐っこい気質の彼らを好きにならずにはいられません。

今年の研修生を引率していた男性は昨年の研修生メンバーだったようですが、わざわざ私に声をかけてくれて「昨年も担当してくれましたよね?またお会いできて嬉しい!」と握手を求めてくれました。私もどれだけ嬉しかったことか!

フリーランスそして通訳という職業の性質上、現場で名前を覚えて頂き「仲間」として評価してもらえるプロジェクトに継続的に関われるチャンスは多く有りません。そんな中、こうした経験を得られた事は私にとり本当に嬉しい事でした。

何か出来ることはないか…?と先日こちらでもご紹介した書籍「広島の復興(Hiroshima’s Revival)」を研修生に一冊ずつ贈らせていただきました。研修時に紹介したらものすごく興味を示していたのですが、後に一冊だけお届けしたところ皆さんで早速読む順番を決めていたとお聞きして、皆さんへ一冊づつ贈呈させていただくことを決めました。


【頂いたお礼状】

フィリピンに帰国すれば難題が山積みの彼らですが、広島で学んだことや広島の復興を肌で感じた経験を役に立てて、民主的な彼らの理想とする政府の樹立に貢献されることを願ってやみません。そのお手伝いができたなら、私も嬉しく思います。

― 謝辞 ―

このプロジェクトには私以外にも広島で活動する地元出身の複数の通訳者にお手伝い頂いています。この場を借りて、広島で志を同じく通訳業務に取り組んでいる仲間たちに感謝したく思います。ありがとうございます!

明けましておめでとうございます

2026年 明けましておめでとうございます 本年もよろしくお願いします    …と始めてみましたがすでに本日は2026年2月も下旬です。ブログ投稿はコロナ禍前後から生存確認できるレベルでできていればいいか…と怠惰を決め込んでおりましたが、今年の正月はご挨拶もないままだったので「お...