私が使っているのは、Family Martであればどの店舗でも販売している無印良品の普通の雑記帳です。
私の場合は、この雑記帳を横に使います。多くの通訳さんは縦にして、ちょうど真ん中に縦線を引いて使われています。私も以前はそういう使い方をしていました。(以前紹介した、やはりAIICの動画でもこの使い方でした。)ですが、今は横にして縦に四分割して使うスタイルに落ち着いています。
このやり方に変えたのはつい最近です。以前の方法だとやたらメモに空白が多く、ページをめくる回数が非常に多いのが苦痛でした。(1ページに残せるメモの量が極端に少ない。)また、その時に気がついたのは、文字のストロークが短くて済めば、メモ取りの速さが増すのではないか…と言うことでした。手が小さいので大きなスペースに大きくメモをとるよりも、小さなスペースに手をあまり動かさずにコンパクトにメモをとる…という感じです。
偶然、男性通訳の方が同じ無印良品の雑記帳に逐次メモをとるのを見せて頂いた事があるのですが、その方は縦に、分割しないままに大きな字でメモをとられていました。おそらく男性の手の大きさと動きを考えると、それが一番しっくり来るんだろうな…と思って、今回自分の横使い縦四分割の方法はかなり理にかなっている…と言う気がしています。もしかしたら将来的にまた変わるかも知れませんが(笑)
ソースが英語の時には左上から右下へ、左から、主語、動詞、詳細が基本でしたが、日本語の並びは全く違うので、これに沿ったやり方は私はしていません。
私は資料読みの時もそうですが、内容がどう展開するかを図式で記録しようとします。そして、下記が私のメモです。笑わないこと(笑)読めないメモに愕然とする人もいるかも知れません。でも、このメモはまだ読める方ですし、スピーチがしっかりしているためまともな方です。
このメモ一枚当たりがカバーしたスピーチの長さですが、だいたい2分45秒前後でした。つまり、このメモはそれと同じくらいの長さで訳出することが求められます。実際には、訳出時に時間計測はしませんが、もとのスピーチがまとまりよい程、情報量が多くなるので、ポイントをどれだけ抑えられるかというのが、よりよい訳出への鍵になります。
このメモのスピーチは、スピーカーが事前に原稿を練り、かなりロジカルに話を展開している例です。そのため、後にスピーチを書き起こした日本語原稿を見ても「あー」「そのー」などのいわゆる冗語と言われるものが殆どありません。(実際には、通訳学校の教材用に現場に近い形で原稿を読み上げて録音しなおしたものです。)その点、留意して下さい。
でも、ココまで書いてなおも重要なのは、前回紹介した要点の1.です。大切なことなので、再掲しておきます。
1.メモは通訳補助のために取るもの。通訳が困難になるようなメモ取りはしない。メモが多すぎると…
メモを理解するのに時間がかかる。
書いたメモを「読んで」しまい、スピーカーが伝えるような臨場感が失われる
ついメモの方ばかり見がちになるが、聴衆を見て話すべき
訳出時に何かを解読している印象を聴衆にあたえるのは、本末転倒。