2014年6月1日

23. 通訳学校では教えてくれないコト ー キャンセル規定見てますか?その1

フリーランス通訳のお仕事形態としてはエージェントモデルが主流です。かくいう私も自分の売り上の多くをエージェントからの仕事が占めていますが、おそらく東京で常時稼働の通訳者の中には、ほぼ100%がエージェントとの取引ではないかと考えています。

めまぐるしく動く東京のビジネスシーンでは変更も度々です。そんな中、意外と皆さんエージェントのキャンセル規定は注意していないことに気が付きました。私が契約するエージェントのキャンセル規定を四社程調べてみました。

1.各社キャンセル規定の違い
以下はいずれも案件確定連絡後に適用されるキャンセル規定です。
【エージェントA】
1日前~当日 合計の100%
5~2日前 合計の60%
※キャンセル日は、土日、祝日を除く営業日数で計算いたします。

【エージェントB】
当日/前日 100%
2,3日前 50%
4~5日前 10%

【エージェントC】
前日 100%
前々日 50%
3日前 25%

【エージェントD】
当日/前日のキャンセル: 100%
前々日/3日前のキャンセル: 50%
4/5日前のキャンセル: 30%

※上記日数表記は原則営業日換算ですが、土日、祝祭日業務の場合はその都度取り決めさせていただきます。 ※終日案件が半日案件になった場合、差額分がキャンセレーションの対象になります。 ※各種拘束費のキャンセレーションについては、その都度ご相談させていただきます。
2.キャンセル規定の注意点
見比べて分かる通り、前日および当日キャンセルの場合は100%というのは業界標準のようです。ですがそれ以外は各社まちまちで、中には3日前にならないとキャンセル料が発生しないものが有ります。さらに、営業日で計算する規定のあるエージェントもあります。

実は実際にキャンセルされてみて「そういうことだったの!?」と驚くパターンは少なく有りません。例えば…
1.キャンセル規定をそもそも確認してなかった…。
2.営業日計算の規定はないのに、実は営業日計算。
3.複数日案件が一気にキャンセルの場合でも、一日単位ごとの保障
4.「案件ごとにご相談」対象の案件だった…

1.は無いだろう…と思われるかもしれませんが、意外とこちらからお願いしないと提示してくれないエージェントもあリます。例えば、上述のエージェントCがそうでした。先方にしてみれば積極的に出したい内容ではないですね(笑)

2.についても明記が無い場合はこちらから確認しておく方が無難でしょう。

3.は一番痛いパターンです。例えば1週間フルで抑えられた案件が案件3日前にキャンセルになった場合、上記エージェントCを除くエージェントでは一週間の1日目のキャンセル料は発生します。しかし、2日目以降はどうでしょう?多くの場合は発生しないことがほとんどですが、通訳者にしてみれば抑えている一週間の仕事がすべて無くなる訳ですからこれはかなり痛い…という事になります。

そうならないためにも、長い案件を受けるときには4.を踏まえて、個別にキャンセル規定がどのように適用になるのかを予め確認しておくことは大変重要です。そうすることで、対象案件が4.の「ご相談」案件だったとしてもダメージを最小限に防ぐことが可能となります。

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例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...