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セミナーの資料を下記にシェアします。「MICかながわ」さんはいち早くボランティアが組織的な動きを始めた神奈川県で立ち上がった組織で、紆余曲折をされながらコミュニティー通訳の重要性を辛抱強く訴えながら今日の組織を築いてこられました。
* 配付資料 日本経済新聞記事 「医療通訳」外国人も安心
* 医療通訳の心構え
* MICかながわ プレゼンテーションスライド
近年は大学関係者の間でもコミュニティー通訳にテーマを定めて取組むところも増えました。過去の医療通訳関係の資料を調べると真っ先に出てくるのは、このMICかながわさんの取組みです。ボランティアで資金不足のなかからここまでの活動に育てられた様子をセミナーでお聞きして、頭の下がる思いでした。
広島のこのセミナーでは参加者は50名弱程度でした。参加者の言語比率はハッキリ分りませんでしたが、大まかに中国語、韓国語、英語だったと思われます。既に、コミュニティー通訳として活動されている方もかなりいらっしゃるようでした。
医療通訳の現場では通訳が大きな役割を果たすものの、ボランティアでの活動には資金的な困難があるため、これで生計を立てる…ということは難しいのが現状です。以前も紹介したことが有りますが、「ボランティアで有ることをクオリティーの低さの言い訳にしてはならない。」とは柴田元幸さんの言葉です。私も完全に同感です。
移民の多くない地域などでは、生計を立てるに十分な医療通訳の需要がないのは仕方が無いことかも知れません。にも関わらず医療通訳に求められるクオリティーはけして低くなく、むしろ特化した専門知識と振舞が求められます。ですから通訳のボランティア精神に頼るだけでない、その技能と働きに見合う報酬が支払われる全く新しい仕組み作りを考える時期にきていると思います。
私はセミナー後に出張のためすぐに失礼してしまい、講師の方とゆっくりお話することが出来なかったのですが、@Yucchi_Yさんによれば「通訳が疲弊してしまっては続いていかないということを、過去の事例から強く感じた。また、カナダやオーストラリアの『通訳制度を整えることが結果的に早期治療による医療費削減につながる』」ということだそうです。
社会全体に及ぼす影響をもっと広く訴え、一般企業の積極的な関与を以て組織的な動きができればいいのですが…。昨年の春に通訳翻訳に関するアイデアコンペを仲間で行いました。その時に出ていた関根マイクさんの「医療通訳とフリー」にはそのヒントがあると、実は今でも思っています。
このセミナーは第二回目(2012/11/16金)が既に予定されています。私は仕事のため出席できないのですが、さらに実用的な内容になりそうです。