2024年12月30日

「もうすぐ消滅するという人間の翻訳について」に思うこと

 年末も差し迫り少し早めに仕事を切り上げて出かけた旅の途中で「もうすぐ消滅するという人間の翻訳について」と題した平野暁人さんのNoteのエッセイを読みました。翻訳が人間の全体的な営みの中でどのように人間の未来に影響を与えてきたのか、また機械翻訳がその有り様にどんな変化をもたらすことになるのか、そしてそれを平野さん自身がどう捉えているのかを綴ったとても長い文章でした。

 長いには理由があって、平野さん自身の言語や翻訳という行為に対するフェティッシュなまでの姿勢(きっとご本人にその自覚はそれほど強くない気もしますが)と、表現したいという欲求と、何よりそうした姿勢で欲求の赴くままに真心込めて取り組まれたお仕事の中で静かに着実に積み重ねられた語彙力と文章力が、このエッセイを短く終わらせることを許さなかったのだと感じました。長い文章を批判する界隈もあったようですが、私は読んでいて後から後から溢れてくる言葉達や概念にただただ感嘆するうちに読み終わったという感じです。読み応えのある上質な文章、エッセイだと思いました。

 私自身が自分の通訳翻訳者としての生業について、機械翻訳の進化の流れの中でどう考えどう進んでいくのかということについては、もう少しよく考えて発言しようと思います。考えているうちにAI通訳が席巻してしまう…ということがないように頑張ります〜笑。

2025年 あけましておめでとうございます

2025年 あけましておめでとうございます 本年もよろしくお願いします  2024年を以てフリーランスとして独立してから丸15年が経過しました。リーマンショックによる実質契約満了による社内通訳職からの解雇だったため、これからやっていけるのかと途方に暮れるところから始めた道のりでし...