今年これに触れずに一年を終えるのは、ブログ管理者としてどうか?という気もしていたのだけど、すっかり今年もあと残すところ一ヶ月ちょっと。皆様お元気ですか?
ChatGPTは嘘つく、翻訳に使える、いや使えない、著作権の問題は…等々は日々SNSであらゆる議論や予想がされていて、これといって目新しい見解は私には出せそうにないです。
でも、提示される将来像として、そうだなぁと納得した動画を残しておきます。機械化が進めばブルーワーカーの仕事から奪われるようなイメージを持たれていたけれど、これを見るとAI導入が進めば実は最終的に残るのは、身体性を伴う(AIのサポートを得たスーパー賢い)作業者、ということになりそうです。
Copilot + Mixed Reality at work. What do you think of Microsoft's vision? pic.twitter.com/XcA8FHnR9J
— Tsarathustra (@tsarnick) November 16, 2023
ですが、AIのサポートを得たスーパー賢い作業者、をどう育てていくの?というのが今度は大きな課題、といえそうです。でも、育成するにしても、自然言語でCo-pilotしてくれるAIの存在で、人間の学習スピードは驚異的にスピードアップすると考えられそうです。
将棋の世界で藤井聡太棋士がコンピュータ相手に研究を重ねてきたことはよく知られていますが、そのことを裏付けていないでしょうか。羽生善治棋士が若かりし頃にコンピュータ将棋で研究していることは話題になりましたが、時代が劇的にAIを進化させた今、言ってみれば「AIパワードなコンピュータ将棋ネイティブ」な藤井棋士の学習量は羽生棋士のそれと遜色ないかそれ以上なのかもしません。実際、藤井棋士は羽生棋士に完全勝利を収めているわけで。
以前、AIや機械翻訳が席巻すると修行の場を経て実力強化する通翻訳者の修行する場を奪うことになる為、若い通翻訳者が育たないことが危惧される、と書いた気がします。ですが、学習方法やスピードを格段に進化させる対話型AIの出現で、現場経験を必要としてきた(通訳翻訳に限らず)職種では短期間でデビューに漕ぎ着けることができるようになるのかも知れません。ただ、エントリーレベルの現場はAIに取って代わられ消滅すると考えると、デビューのハードルもまたかなり高くなるわけですが…。
通訳翻訳が職業としてなくなるか?と問われれば「いずれは無くなる」です。しかし、それが「いつ」かを予測するのが難しい。若い方がこの職種が自分が生きている間に無くならないと考えるならば、チャレンジする人が近年激減している分、確実に力をつけることでその希少性からも市場に一旦出てしまえば食べるに困る…という事は、おそらくないと個人的に思います。
と、ここまで読んで気付きませんか?進化した対話型AI出現前にも散々言われた「通訳翻訳者は不要になる」論が出ていた頃の私の論考とほとんど変わっていません。「AIがー」と心配ばかりしても始まらないって事ですね。お互い(AIの力も借りながら!)地道に精進いたしましょう。