英検一級を取得しTOEIC900越えをした頃、恥ずかしながら冠詞をきちんと勉強したことがなありませんでした。知っていたのは中学生程度の理解で、それだけでなんとなく対応していた気がします。英語を使う仕事をするようになり、英文メールやアナウンスメントを書く業務をする段になってはじめて、明確に「冠詞の使い方がわからない」と慌てたのを覚えています。
基本的なおさらいはするのですが、わからなければ複数形でお茶を濁す…というような適当な感じでメールを書いたりしていたあの頃、振り返ると穴があったら入りたい…。それでも程なく、自分が「使う」場面を超えて「聞く」「読む」場面で非ネイティブの話す/書く英語の誤った冠詞使いで混乱することが続いた事から、誤って理解されるリスクを意識するようになります。以降、体系的に学びたいという気持ちで何冊も参考書を読みました。
個人的に薦められたり、巷で良いとされる冠詞の参考書があればコソコソ買って勉強したものです。一度読んだだけでは身に付かないと、何度も繰り返し読んだものもあります。ですが、どの参考書も然るべき目次/Indexがあり理路整然とした説明が並んでいるにも関わらず、ぼんやりとしか頭に残らない、整理されて頭に入ってこない…そんな印象でした。
昨年、そんな私のアイドル
遠田和子先生の「フローチャートでわかる英語の冠詞」が刊行されましたが、やっと今頃になって読む罰当たり(発行されてすぐに購入したのに!…汗)。その名の通りフローチャートで冠詞の用法を解説した画期的な内容でした。冒頭でまず、辞書の読み方や調べ方を説明されています。そうすることでこの本の内容は代表的な用例の解説にとどめ、どのような視点で捉えるべきかに重点を置き、冠詞の世界をフローチャートで理解できるようにまとめた一冊です。
本書を冠詞の指南書としてまず一番に手に取っていたらより整理して理解できたかどうか、は正直わかりません。ですが、それなりに知識のある状態で読んでみたところ、今までのぼんやり感がずいぶん整理されました。初学者か学習経験者かを問わず、まずは本書を入り口として、細かい使用法や使用法のさらなる検証は別の参考書に当たる、ということを繰り返しながら冠詞の使い方の定着を確実に図ることができそう。お勧めの一冊です。
Amazonの評価もとても良いですね!
遠田先生のご著書が評価されてファンの私も嬉し〜
***
蛇足ですが、私が持っている(一応、通読した)冠詞の参考書です。これ以外にも一冊、電子書籍で「3つの基本ルール+αで英語の冠詞はここまで簡単になる~ジェームス・M・バーダマン (著) ネイティブ精選192問」も購入済み。(つまり通読できてないものが、これ以外にもあるわけで…汗)
「英語の中の複数と冠詞」小泉健吉郎著
初めて通読した冠詞専門書です。英日完全バイリンガルの知人に勧められ購入しました。知人はいくつか読んだ中で「一番わかりやすかった」との事でしたが、私には大変難しく感じられました。用例の細かい説明が多数紹介されています。読んだ時には「そうか」と思うのですが、自分で同様の判断や説得力のある説明ができるか…となると難しかったです。
「英語監視講義」石田秀雄著
遠田先生の本に出会うまでは、これが私の中のベストでした。加算/不可算、単数/複数、定冠詞/不定冠詞の対比で解説されており、これはこれで体系的に読み進めることができる一冊です。ただ、用例解説で説明に深く踏み込んでいるため、各分類の中でもパターンを個別に覚えるしかないような印象が残りました。その為、数回はこれまで通読しています。遠田先生の著書でも基本は変わらないのですが、段階的にフローチャートにまとめられている分、感覚的に難易度が緩和されています。
「現代英語冠詞辞典」樋口昌幸著
これを通読するのは修行でした(笑)。とにかく用例集として活用するのが吉。通読はお勧めしません〜。
「本当の英語の冠詞の使い方」デイビッド・セイン著
「3つの基本ルール+αで英語の冠詞はここまで簡単になる~ ネイティブ精選192問」ジェームス・M・バーダマン 著
この二冊は練習問題集として考えるのが良いと思います。特に「本当の英語の〜」の方は、「ネイティブはこう解釈する!」という説明なので、日本人脳で自分から能動的に冠詞を選択する手がかりには乏しいと感じます。