2013年3月31日

JAWS-UG@広島に行ってきました

JAWS-UGとはJapan Amazon Web Service Users' Groupです。一昨年秋頃から大手IT企業のベンダー向け国際会議を多く担当したことや、データサイエンティスト養成入門セミナーの仕事を複数回したことか、クラウドコンピューティング業界でも他社の追随を許さない程リードを続けている…と言われているAmazonってどんな会社?と気になっていました。

一般の人にはAmazonと言えば、大手ネット書店サイト、大手ネット通販サイトという印象ですが、実は彼らのビジネス全体に占めるその割合はわずか30%程なのだそうです。そういった浅いところから、ちょっと踏み込んだサービス、機能、ビジネス拡大のコンセプトまで、昨日のUGでは比較的素人にも分かりやすく説明頂きました。

アマゾンデータサービスジャパン株式会社 テクニカルエバンジェリスト堀内康弘さんによる「AWSが作る新しい世界」というご講演でした。講演マテリアルもぜひご覧になって下さい。



創業から"Customer Centric"をミッションに掲げて近年は爆発的な成長を遂げつつあるAmazonですが、必ずしも最初から今のペースではありませんでした。実際、1995年にシアトルでAmazon.comを創業して以降、黒字転換するまで実に7年の時間をかけています。最初は投資家も見向きもしてくれず、創業者が父親から借金をしてしのいでいた…というエピソードもあります。あえて、ここで「時間をかけています。」としているのは、同社に「顧客中心のコンセプトの実現のためには投資を惜しまないとう姿勢」が一貫しているからです。

実際、堀内さんの講演の中でも、現在もデータセンターへの投資は前倒しで進めていることが言及されていました。この辺の思想の実現は「失敗したら終わり…。」という日本の風潮の中では難しいでしょう。

堀内さんの第一声で「Amazonは薄利多売の企業です。」とおっしゃったことは、そういう意味で大変印象的です。つまり多くのお客さまを巻込むインフラ、ツール(API)を作る事に力を注ぎ、実際にそれを達成することで現在のビジネスモデルを築いて来たわけです。結果、Amazonの提供するAPIはエンドカスタマーでさえ使いやすい、しかも非常に安価なものになっています。

日本国内にシステムインテグレーターを名乗る企業は数有りますが、一体彼らはどう太刀打ちしていくのか…?恐らくまともに戦っても勝てないでしょう。まず、投資する体力もないし、Amazon提供のAPIがあまりに優れていてかつ日々進化しているので、一般のエンドユーザがちょっと勉強すれば安くてある程度セキュリティの確保されたシステム構築ができてしまうのですからです。

ストーレージと言う切り口だけで見ても、オンプレ(On Premise)でさえセキュリティの確保状況やAPIレベルではむしろAmazonのクラウドに任せる方が安全で、実はオンプレは単に神話に過ぎないのではないか?と思ってしまいます。

これからAmazonが永遠に一人勝ちし続ける…ということはないでしょうが、Amazon以上に投資を惜しまず戦略的に顧客と関わっていけてイノベーションを起こせる企業はそんなにすぐには出てこないでしょう。もちろんシステムインテグレーター(SIer)も彼らの顧客で有るわけですから、緩い共存を続けていくでしょう。だからこそ、エンドユーザーは賢く選ぶ目を持たないと、SIerの中間マージンばかり膨れあがった使いにくいとんでもないシステムを掴ませられることになる…と警戒するべきなのかな…と感じました。

それにしても、サービスを提供する会社が心からテクノロジーとかイノベーションとかをEnjoy!している感じがエバンジェリストである堀内さんの言葉を通して伝わってきました。創業者CEOのジェフ・ベソスが言ったとおり「Amazonは本屋じゃなくてテクノロジーを売る会社」ですね。(堀内さん談、でもちょとうろ覚え…笑)