2010年12月1日

第16回広州アジア大会 - 広州ホスピタリティ

大会期間中はどの会場に入るにも、セキュリティチェックが”表向き”厳重でした。セキュリティーゲートでカードパスを読み取らせてOKであれば初めて入場が許可されます。その際にも、手荷物は空港の手荷物検査機械と全く同じ機械に通され、本人はゲートをくぐった後でさらに体中金属探知機で検査されます。



そうした通り一遍のセキュリティチェックのやり方は、しかし、中国仕様…?手荷物検査などはゲートによってはかなりいい加減でした。また、会場にとどまらず、宿泊先のホテルでも一階エレベータ前に同様のセキュリティチェック体制がしかれていましたが、ここを通らなくても階段で簡単に建物内に入ることが出来てしまう詰めの甘さ。
そうは言うものの、この写真つきセキュリティパスの威力は絶大で、自分の担当しない競技の会場でも無料で試合もみる事もでき、記者会見会場まで華麗にスルーして入っていく事が出来ました。バスケットやフットボールの中国チーム戦など競技場の混雑具合によっては入場を断られる場合もありましたが、そういうケースは稀でした。また、大会期間中は広州市内を走るバスや、地下鉄はすべて無料で利用できるという徹底ぶりでした。

セキュリティーゲート付近や会場内の案内を担当していたボランティアの多くは学生でした。聞けば、大会期間中は学校によっては(特に語学系学校)完全休校になり、ほぼすべての学生がボランティアに駆り出されたようです。ボランティアには、パートタイム、フルタイムの二種類あり、フルタイムボランティアの方はある程度決まったペイは受けていたようです。
ですが、どの学生もホスピタリティいっぱいで気持ちのいい対応でした。また、将来に対して大きく希望を持ち、自分の将来の夢を語る学生が非常に多かったのが印象的でした。急進する中国の勢いを、若者の中に見たように思います。

しかし、こうした中国の勢いは学生ボランティアだけでなく、広州市内に散らばった各会場でも見て取れます。アジア大会をにらんで沢山の設備が建設されたようです。水泳スタジアム、バスケットボールスタジアム、陸上競技場、馬術スタジアム、新体操/ビリヤード競技場他…。すべての競技場で記者会見場や、記者控室を完備しており、国際大会を開催するのに規模、質ともに申し分ありませんでした。
また大会期間中は、中国国内で携帯電話をローミングして利用するユーザであればフリーWifiがすべての設備で利用可能なアレンジになっていました。
大会参加前にwebで読んだ記憶が有るのですが、アジア大会を機にネットワークインフラを大規模に整備し、大会終了後はすべてのインフラを広州市に払い下げる計画が有るようです。



(写真は水泳競技が行われた施設です。)

現地中国の人たちも誇りに思っているようで、記者会見ではよく海外からの金メダリストに対して中国のプレスから「今回競技された施設や、競技主催者のアレンジについてどう思われましたか?」という質問が飛んでいました。一様に競技者は「大変満足しているし、すばらしい競技場を作ってくださってありがとうございました。」と回答されていたことは言うまでもありません。

大会を機に一気に地域経済を活性化させる様々な計画が背後で大きく動いていることがうかがえます。それと同時に、そこに投じられたであろう巨額の投資を考えるにつけ、今の日本にはとても出来ないし、共産主義の国だからこそ出来るダイナミックな変化だろうな…と思わずには居られませんでした。

しかし、こうした目に見える物理的な施設やインフラ整備といったものは、投資をすることで急速に整備することも出来ますが、なかなかそうもいかない事、もっとじっくり時間をかけて取り組むべき課題がある、という事も確認しました。
その一つが大気汚染。滞在中ほとんどの通訳が喉をやられていました。この辺のネガティブサイドについてはまた後日。