2012年8月27日

JAT 第一回通訳者グループミーティング

今まで有ったようで無かった通訳者グループが、私の所属する日本翻訳者協会(JAT)内で発足します。日本通訳翻訳学会(JAITS)をはじめとして研究活動を主な目的とする組織はあっても、(翻訳者ではなく)通訳者がお互いに情報交換と相互技術アップを目指して交流する組織は、私が知る限りでは無かったと思います。(もしかしたら、私が知らないだけかも知れません…恥!)

僭越ながらJAT内で私が発起人となり、この度JAT通訳者グループを立ち上げの運びとなりました。まずは今回の第一回ミーティングで、現役通訳者の現状について講演を聴き、その後の交流会等で今後この会をどう盛り上げていけばよいのか多くの方のお話を伺いたいと考えています。

この会議はJAT非会員も参加可能です。是非ふるってご参加下さい。
お申込みはこちらから → 申込みフォームサイト


日時: 2012年9月1日 (土)14:00-17:00
場所:渋谷道玄坂 FORUM 8 1104会議室

参加費: JAT会員 無料 / 非会員  1,000円 (交流会参加費は別 途)

公演予定:
14:05 - 14:30
– A day in the life of a liaison interpreter / Lionel Dersot / English

14:35 - 15:00
– 監査通訳 / Derek Wessman / 日本語

15:05 - 15:30
休憩

15:30 - 15:40
– Medical Interpreting: Problem Prescription and Prognosis/ Cate Swift / English

15:40 - 16:05
– どうするレートアップ-失敗はつきもの? / 宮原美佳子 / 日本語

16:10 - 16:35
– Running an interpreting company—a new model / Dan Tanno / English

16:35 - 17:00

– QA、クロージング他

交流会:
 17:15-
場所: The aldgate British Pub

また、本ミーティングに合わせ通訳者グループのメーリングリストも設定予定です。こちらはJAT会員限定となりますので、ご興味の有る方はこの機会にJATへの入会をご一考下さい。


2012年8月21日

従軍通訳 -日本にいて気付かなかった職業

海外の通訳翻訳関連ニュースは、できるだけ読むようにしています。ところが、以前から読んでいたにもかかわらず…というか、おそらく目に入ってきても自分には関係ないこととして捉えていたようで、殆ど読み飛ばしていたものが有りました。従軍通訳です。

6月に参加した北米の通訳者会議"3rd North American Summit on Interpreting"の2日目に下記のプログラムが用意されていました。ですが、直接話を聞いていたにもかかわらず私にはピンと来なかったのです。今頃になって自分が平和ぼけの日本人だ…ということに気付いて愕然としています。

Saturday, June 16
Plenary Panel: Interpreting in Conflict Zones
Speakers: Barbara Moser-Mercer, University of Geneval - TBA: Military Officer and Linguist
Moderator: Jonathan Levy , Sargent Tariq Hamid (OEF), Specialist Waly Momen (OND) & Captain Simeon Harvey, Foreign Area Officer, US Army

Interpreters who help bridge communication barriers in war zones, during national disasters or for refugees provide a service of incalculable worth and often put themselves at risk of great harm, yet they are the least visible in our profession and have the fewest resources. This very special panel will shed light on interpreting on the front lines and provide suggestions for how the field can better meet the needs of these important sectors.

2012年7月28日

MIISのFcebook交流ページオープン

先月、サンフランシスコ観光も兼ねてサンフランシスコからおよそ200km離れたモンテレーで開催された北米の通訳者会議"3rd North American Summit on Interpreting"に参加してきました。モンテレーには知る人ぞ知る”Monterey Insutitute of International Studies(MIIS)があります。今回訪米は会議参加も大きな目的でしたが、この大学院の事についても現地で多くのことを知ることができました。そのMIIS日本語学科で、学生が運営するFacebookページが公開されました。

通訳を目指す方で海外で勉強を考えられた方なら一度は興味を持たれる学校だと思います。日本の外務省の新入職員は入省後まず通訳訓練からはじめるそうで、ここMIISへ留学して通訳翻訳技術を磨くのだと聞いたことが有ります。そのくらい信用が篤くレベルの高い学習機関だといえるでしょう。

街はとてもこぢんまりとしていて、高層ビルとは無縁の「田舎」といってもいいと思います。しかし、アメリカらしい自然の風景が豊かで、太平洋に面した景色は雄大そのものでした。カリフォルニア州と聞くと年中暖かい気候を想像するのですが、サンフランシスコも、そして特にモンテレーは6月中旬過ぎにもかかわらず半袖一枚ではとても寒くて過ごせない涼しい気候でした。私が寒がりだというのも有るかもしれません(笑)

2012年7月25日

「船を編む」 三浦しをん 著

辞書編纂に真摯に取組む正直な人たちの物語です。主人公は言葉にことのほか思い入れがあり、言葉の定義を考えはじめると止まらなくなるその人、その名も馬締(まじめ)さん。その彼がある日、玄武書房の辞書編集部に配属されることになり、辞書に思い入れのある人達とその人達を支える人たちが、様々な苦労をそれぞれ個人的に乗り越えながら辞書「大渡海」を世に出すまでの物語です。あまり詳しく書くとネタバレになるのでここまで(笑)

主人公の馬締さんは見るからに朴念仁にもかかわらず、言葉への思い入れは人並みをはるかに飛び抜けたものが有ります。彼は結論から言うと勝ち組になるわけです。何か1つでいいから熱中できるものを持ちなさい、何か1つでいいから人より秀でたものを持ちなさい…とはどこの親でもいいそうな台詞です。そうすることで、他の人との差別化がはかれるため貴重な存在と認められるようになる…、至極分かりやすいロジックです。

ですが「熱中できるもの」を持とうと思って持てるものでしょうか?「人より秀でたもの」を持とうと思って持てるものでしょうか?少なくとも熱中する前に「よし、これに熱中してやろう!」とは思わないでしょうし「これで人より秀でてやろう!」と思えば、あまりに苦しく長い戦いになってしまう、そんな気がして仕方がありません。私のように並み程度の意志力の人には長続きしそうにありません。

2012年7月17日

「言語は文化」

通訳でも翻訳でも訳出中にそのまま訳してもきっと本意が伝わらないだろうな…と思われて「うーん」と頭を抱える表現に出会うことがあります。通訳の場合はもちろん頭を抱えている暇もないのでとにかくその場のベストをアウトプットし、可能であれば後で補ったりすることもあります。翻訳の場合は原文を書いた人がターゲット言語を書くことができたら「きっとこう書いたであろう」という言葉を探す長い悩ましい時間がはじまります。

多くの場合「本意が伝わらないかも…」は、日本語と英語との背後にある文化の違いによるものです。ですが「言語は文化」を明快に説明している文章にこれまで出会ってこなかったような気がします。自分が個人的に出会った言葉や言い回しで前述のように困ってしまい「言語は文化だよね…」と独りごちることはあっても、具体的にどう「言語は文化」なのか?を私自身もうまく説明することは出来ませんでした。


実は、先日地元でのお仕事を発注頂いたお客さまと打合せをしたときに、ひょんな事から以前読んだ「主語を抹殺した男-評伝三上章」の著者である金谷武洋氏の話になりました。このお客さまは金谷氏の著書の書評をご自分のブログにお書きになり、それを金谷氏本人が見つけてとやり取りするようになり、それがご縁で「三上章の生涯とその功績」についての金谷氏の広島で講演を実現させることになったそうです。

調べてみると2009年のことで、その時その講演のことを知っていたら…と、三年も経っていますがとても残念に思いました。実は、このお客さまのお仕事をする数日前に2010年に上梓された金谷氏の本を偶然目にしていたのですが、その時は別の本を買って帰っていました。3年前の講演会の話をお聞きした後で居ても立ってもいられなくなり、お客さまとの打合せの帰り道に早速書店に寄って購入して帰ったのが、この本「日本語は敬語があって主語がない 『地上の視点』の日本文化論」でした。

 

2012年7月9日

横田謙さん逝去

昨年秋だったか、お友達(というか大好きな先輩)のサイトで紹介されていた"White House Interpreter"をワクワクしながら読んだのを思い出します。この本は、その名の通り長年にわたりホワイトハウスで仕事をしていた英独"通訳者"によるものです。

通訳に対しての理解が得られず、万全な環境が整わない状況の中通訳しなければなら無かったときの実際の様子や彼自身の葛藤、通訳をした歴代大統領の通訳に対する考え方や態度、ホワイトハウスの通訳として得られた経験の数々がダイナミックに語られています。


ホワイトハウスの通訳としての重責はちょっと想像を絶しますが、同じ通訳としてご本人が葛藤しながら、それでも誠実にお仕事をこなしてこられた様子には大変共感しましたし、随分と勇気づけられました。


そして、この本の中で唯一人名前の挙がっていた日本人通訳者が故横田謙さんでした。

2012年6月26日

フリーランスとチームワーク IJET-23を終えて

今頃か…と言われそうですが、IJET-23(日英英日翻訳国際会議)について書きます。遅すぎてすみません(笑)

去る6月2日(土)3日(日)の二日間にわたって、IJET-23が開催されました。私は運営委員会の副委員長を務めたのですが、主に二日間にわたるセッションの取りまとめを行いました。振り返れば運営委員会の発足は2年前宮崎開催のほぼ直後だったと思います。その後すぐに会場の選定にあたり、一年半以上前から会場は確定していました。そういう意味では滑り出しは好調だったと思います。


広島の浴衣祭りの一つ「とうかさん」を楽しんでもらえるように日程をセットしました。
前夜祭では海外からの参加者も含め、大勢が浴衣で登場!

2012年6月25日

海外で便利なカード

不精者の私は、普段殆ど現金を持ち歩いていません。大抵の買い物はカードで済ませてしまいます。一括払いにしてしまえば金利もかからないし、後から金額確認するにも便利だからです。それ以外のお金の移動は全てインターネットバンキング。国内で生活するにはこれで完璧でした。ところが…

昨年は海外出張が異常に多い年でした。そこで発生した大失敗。広島空港発の朝早いフライトに間に合わせるべく、家を6時前に出て空港に向かいました。中国への出張でした。空港への移動中、現金を持ち合わせておらず空港で引き出すしかないことに気付きます。ところが、空港に着いてみるとATM機が稼働開始するのは8:30。フライトは9時過ぎでしたので、ATMが空くのを待っていたのでは間にあいません。

この時は、別空港から遅い時間に出発するペア通訳さんに電話をして、現地でいくらか現金を貸してもらえるようにお願いして事なきを得ました。しかし、流石にあまりご一緒したことがないお相手だと、連絡先を知らされてないこともたまに有るわけで、第一親しくない方にお金を貸して欲しいというのはとても頼みにくいことです。

そこで、セゾン系の海外専用プリペイドカード「NEO MONEY」を契約しました。このカードについて一口に説明すると…日本国内でカードに最大100万円までチャージ可能。海外で引き出すときには現地通貨で基準日時点での為替レートで引き出すことができるというものです。私のカードはVisaとの提携なので、VisaカードのATMがあればどこでも引出しOK。しかも、お買い物するお店がVisaと提携している場合には、デビッドカードとしてリアルタイムでチャージ分からの引き落としも可能です。

2012年5月14日

出張での使い勝手:サイドディスプレイとしてのiPad


最近は、どんな通訳の現場にもiPadを持って行っています。資料が事前に届いている場合はプリントアウトして持っていきますが、それでも前後の移動時間や、前日のホテルでの調べ物をするのに重宝しています。たとえ、前日夜に大量の資料が届いても、一旦ホテルに入り夜8時過ぎに送られてくる場合は正直もうプリントアウトは諦めるしか有りません。そうなると、1~2泊の出張くらいではPCを持参するのは重くて結構苦痛なため、軽いiPadは必携なのです。

ところが、最近IJET-23の事務仕事や連絡処理などを出張先でしなければならない事が多くなりました。しばらくはiPadと折りたたみキーボードで何とか乗り切っていました。でも、受信する側にどういうわけかiPhoneやiPadだと文字化けしてしまう方がいたり(コード変換でも対応不可…)メール処理があまりにも多い時には、やはりiPadでは面倒だし普段の作業環境と違うために処理スピードがかなり落ちるので、事足りなくなってきたのです。

仕方なくPCとiPadと両方持って出張に出かけることが多くなりました。PCだけでいいじゃないかと思われるかも知れないですが、PCだけだと通訳現場に持ち込めないというデメリットが有ります。そのためどうしても二台持ちになるのですが、今度はホテルでPCを使っている時、iPadは全く使わない…と何とも非効率な状況が生まれます。

そこで何とか使ってやろうと見つけてきたのが、このアプリ「iDisplay」です。PCを使っている時にはこんな風にサイドディスプレイとして連動させ、iPadを画面の一部として利用することが可能になります。



2012年5月2日

12.久々の講師業

「通訳学校では教えてくれないコト」というコラムをブログで書いている張本人の私が、通訳学校で教える事になりました。

実は、地元の通訳学校の4月期の通訳コースで教えることが決っています。4月には数回分の教材が自宅に届き、いよいよはじまるなぁ~という気分が盛り上がってきていたのですが、4月末に仕事が押していたためなかなか準備に取りかかれずに時間が過ぎてしまいました。

教材の袋を空けてみてビックリ、今も変わらずカセットテープが使われているようで、とりあえずこのカセットテープの音声データをデジタルに変換するところから準備開始といった感じです。

以前通訳学校で教えていたのはかれこれ10年以上も前になります。受け持っていたのは、英語をブラッシュアップするための下の方のクラスと通訳入門クラス、そして企業研修で市内の大手企業でも教えていました。

ノマドワーキング、フリーランス、…セルフブランディング !?


-ノマドワーキングの原点


受験勉強をしていた高校時代、家に帰るとやる気が出なくて疲れて眠ってしまうので、学校の友達数名と一緒に学校近くの県立図書館の読書スペースに通ったのを思い出します。私の学校は県立図書館のすぐ近くでしたが、狭い読書スペースにもかかわらず遠方の学校からも決った顔ぶれの学生が勉強しに来ていたようです。もっとも、女子校でしたので男子生徒との社交場と化していた感もありますが。念のため、私は残念ながらそういう輪には入れないダサくて暗い学生時代でした(笑)

ノマドワーキングが言うところの、事務所を持たず、携帯電話とネット接続できるPCをもってカフェを転々としながらお仕事をこなすスタイルというのは、こうした「みんなで図書館で集まって勉強」的な要素があるのかな…と思いました。実際、私の知合いの映像翻訳者は、不定期に都内のカフェに集まり、とにかく数時間お互い喋りもせずに黙々と仕事をする…ということをしているようです。

家にこもりがちな翻訳者には、たまの外仕事は新鮮でしょうし、何より怠けたくなる自分にとって友人の目が周りにあるというのは、ある種「怠けの抑止」になっているように思われます。(違っていたらごめんなさい。私は怠惰なので、そういう所を期待しちゃいます、笑!)


-現代のノマドワーキングとフリーランス

 

ただ、今一般に言われているノマドワーキングはこれとは違い、「常時カフェで仕事」の形態を指すようです。自宅では仕事しない人達。この「ノマドワーキング」と共に必ず出てくるキーワードが「フリーランス」という「職業」を表わす言葉です。現在の様に、ノマドワーキング、フリーランスが語られるようになった背景に、私はあまり詳しくありません。

知っている限りでは本間直之さんが、「フリーランス」の女性、安藤美冬さんを取り上げたことで彼女と「フリーランス」という職業・行き方が一躍脚光を浴び、4月中旬にテレビ番組の「情熱大陸」でフィーチャーされ、それを機に一気に注目が高まったようです。

明けましておめでとうございます

2026年 明けましておめでとうございます 本年もよろしくお願いします    …と始めてみましたがすでに本日は2026年2月も下旬です。ブログ投稿はコロナ禍前後から生存確認できるレベルでできていればいいか…と怠惰を決め込んでおりましたが、今年の正月はご挨拶もないままだったので「お...