2014年3月2日

簡易同時通訳機器(その1:使用場面と特徴)

同時通訳機器を使う場面

一般的に同時通訳をする際には当然ですが、機材の助けを借りる必要が有ります。同時に同程度の音量で原発言と通訳発言を聞き取ることは不可能だというのがその理由です。その問題を回避するために利用する無線機器が同時通訳機器です。

大きな専用会議場などでは会場場備え付けの通訳ブースがあり、通訳者がオーディエンスの前に姿を表すことは殆んどありません。ホテルの会議室などの場合は、会議室の後方に簡易通訳ブースを設置して、オーディエンスから隔離された状態でブースに入って機材を操作しながら通訳することも有ります。オーディエンスは一人ひとり自分の受信機を持つか、比較的大規模の近代型会議場では、オーディエンス席に用意されているジャックにイヤホンを差し込んで受信するというシステムのところも有ります。

広島国際会議場 会議室ダリア常設ブース
この時は便宜上通訳機材が三台入ってますが、通常は二台です!

ですが、傾向として比較的小さなビジネスミーティングなどでも、いわゆる「簡易同時通訳機器」といわれる物を利用して同時通訳をすることが通訳を利用する立場のお客様にも好まれるようです。これは、逐次通訳と比べた時の同時通訳の時間効率の良さ、そしてウィスパリング通訳*と比べた時の同時視聴可能オーディエンス人数における効率とオーディエンス視聴の音声クオリティの良さが理由です。
*ウィスパリング通訳
通訳者が聞き手の耳元でささやくように通訳をすることからウィスパリングという名前がついています。聞き手が1-2名までに限定される場合に用いられる同時通訳です。通訳者はオーディエンスの後ろや横に座り、他の聞き手の迷惑にならない程度の小声で訳出します。簡易同時通訳機器を使った同時通訳(パナ同通と言ったりします。)をこれに含めることも有ります。

簡易同時通訳機器の主な特徴

機器は送信機(マイク/トランスミッター)と受信機(レシーバー)と呼ばれる2タイプの機器で構成されます。機能は至ってシンプル。送信機を持った通訳者が送信機マイクに向かって通訳し、受信機をもった人が通訳を受信し視聴するというものです。

その際、送信機・受信機とにチャンネルが装備されており、言語ごとに仕様者が割り当てチャンネルを決めて運用します。基本的には受信者が聞きたい言語は一言語のはずですから受信側では最初にチャンネルを合わせるだけで以降のチャンネル操作は発生しません。一方、通訳者側はターゲット言語ごとに設定されたチャンネルに切り替える作業を行います。

もっと具体的にいうと、事前に通訳者とオーディエンスの間で言語へのチャンネル割り当てを取り決めておき、例えば右下の図の場合だと通訳者は英語に訳出する場合はチャンネル2に合わせ、日本語に訳出する場合は1に合わせる。日本語オーディエンスはチャンネル1、英語オーディエンスはチャンネル2に設定する…といった具合です。

   

イヤホンですが、耳たぶにかけるタイプのものが一般的です。これは、多くの人が使いまわす際の衛生上のことを考慮して、耳穴挿入タイプになっていないと考えられます。しかし、はじめて使われる方はなかなか上手く耳にかけることができず苦労される場合もあるようなので、慣れないお客様の場合には最初に装着の仕方を説明して差し上げるのが親切かも知れませんね。



次回は一般的な簡易同時通訳機器について説明します。