2013年12月20日

22. 通訳学校では教えてくれないコトー専門分野を絞る〜今昔

音楽や映画、芸能関係の通訳をしたい!という声をよく聞きます。実は先日、映画もご専門にされているある大先輩にお話を伺ったところ、そういった業界はすでにそれだけをご専門に長く活動されている方が多くおられるそうです。(つまりそれ以外の分野には全く手を出さない通訳者…ということのようです。)

一昔前の通訳が全体的に不足していた時期には、通訳者の「これがしたい!」という望みは割と難なく叶えられたようですが、現在は業界単位で目を向けると、多くの人が専門にしたいと思うような人気分野は飽和状態で入り込むのは厳しい…とのこと。この先輩通訳者も今現在の「芸能分野専門通訳のなり方」については、わからないな…と困ったような表情でらっしゃいました。

しかし、エンタメ系の一分野であるゲーム産業の通訳案件は、その産業の成長と共に一昔前に比べると格段に増えているようです。このような業界では、通訳を使う側が
ゲーム知識のある通訳にどうリーチすればよいのか知らないはずです。(一般の通訳エージェントが抱える会議通訳者でこの分野の専門…という方は非常に稀だと想像しています。実際、通訳エージェントで得意分野を聞く時に「ゲーム通訳」の選択肢を見たことが有りません。)もし、そのチャンスを捕まえたい…と思うなら、マーケティング面での個人的な戦略が必要になりそうです。

結局、先輩達の世代とは違ってやはり何が来ても一定レベルこなせる力をつけた上で専門を絞れる、つまり、エージェントに希望分野の要望を聞いてもらえるレベルに全体的な技術の底上げが必要…という事になるでしょうし、同時に自分が興味ある分野の急成長が予想されそうなら、マーケティング面でのアプローチも必須ということでしょう。

日本の通訳業界はエージェントを介したビジネスモデルが主流、或いは半ば確立していると言っていいでしょう。しかし、通訳者の絶対数が増えている今、エージェント任せでただ「育ててもらう。」という姿勢だけでは生き残れない(継続的なスキル向上の努力は大前提…)と私は強く意識しています。考えてみれば「フリーランス」ですから当然の事なのですが…。