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2013年3月17日

司法通訳システムの壁

以前、法廷通訳アンケートのご協力についてご紹介しましたが、この日曜日にアンケートを実施された静岡県立大学の高畑先生が広島に来られており、お声をかけて下さったので二つ返事でお会いする約束をしました。とてもさわやかな印象の先生でした。

アンケートはその後集計され、結果を程なく郵送下さるそうです。また、このアンケート結果を受けた報告会が、アンケート参加者を一部招待して月末開催されるそうです。

お会いしたときにも法廷通訳の課題についていろいろ話しましたが、通訳に限らず一般的に、近年大学の研究分野もやはり実務に直結するもの貢献するものが求められているようです。


以前は熱心に司法通訳について研究されていた先生が、軒並み医療通訳を中心とするコミュニティー通訳に研究対象をシフトされているのことに私自身気付いていました。研究者の立場でもやはり市場でなんんらかの利益を生む活動に結びつくアイテムでないと、一般に研究課題としてアピールしないのかも知れません。

司法通訳者の苦境については、実務で法廷を担当する仲間から聞いたり自分も実際体験することでどこに抜け道があるんだろう…と考えてきました。そして私自身の結論は
「資金不足を解消しなければ抜け道はない。」です。こういうと身も蓋もないかも知れないですが…

世界的に見ても司法通訳のシステムが円滑に進んでいる例は、私の知る限り有りません。それどころか、トラブルが後を絶たないのが現状です。GoogleでInterprerをキーワードにニュースを検索すると、出てくるニュース記事の多くは司法通訳関連です。

イギリスでは政府が法廷通訳業務を委託したApplied Language Service社が全く機能せず、昨年はじめより法廷通訳システムに大混乱をきたしていますが現在に至っても全く収束を見ていません。そして最近ではカンボジアのクメール・ルージュ裁判で通訳人に対する賃金未払いが発生し、公判が完全ストップする事態が起きています。また、比較的司法通訳の整備では先を行く
アメリカで、司法通訳の質については常に課題となっています
 
司法通訳には倫理規定がよく引き合いに出されますが、倫理規定を守れるだけの技量を持った通訳を調達するには、資金が必要です。数年前のベニース事件のように通訳の技量不足を訴えるケースも発生しています。当然ですが、通訳の技量の高さが市場では一般的に通訳料に反映されます。

これを考えれば、
必ずしも表面化しなくて
司法通訳の質が確保しにくいといという問題が発生し続けるでしょう。さらに、わざわざ「食えない司法通訳」を目指す人はいないでしょうから、人材不足がさらに深刻になること考えられます。
(ただし、言語によって状況の程度の差は随分あるようです。)

-世界的に見て資金調達の面で習うことのできるシステムがないこと
-本来必要なレベルで外国人の権利について注意を払っていないこと
-大学等の研究者の注意も司法通訳からフェードアウトしつつあること

これらは、日本の司法通訳システムの将来に暗い影を落としています。高畑先生とお会いしていろいろお話をさせて頂く中で、改めてこんなことを考えました。解決先の糸口も見えない…という状況は辛いですね。