2011年2月1日

0. 通訳学校では教えてくれないコト

通訳になりたい!と思ったら、まず多くの人は真っ先に「どうやったらなれるのか?」を調べます。その中で多くの人がたどり着くのが「通訳学校へ通う」という選択肢です。実際、書店に行けば沢山の通訳・翻訳関連の情報誌が出ていますが、そこで紹介されているキャリアパスの典型は、通訳学校に行く → 通訳学校から仕事を紹介してもらい経験を積む → プロ通訳者になる というものです。

こうした情報誌を読んだり、学校で開かれる個別の説明会を聞いたりして、ただ漠然と「通訳になりたい。」という気持ちだけで通訳学校に入学してしまう人は実はとても多いと思います。私がそうだったように。(その理由は後日書きます。)

しかし、本当に通訳学校に行けば通訳への道が開かれるのでしょうか?

私自身、大手の通訳学校に、実はとても長い期間通学しました。通訳学校で出会う先生や生徒さんには素晴らしい方も多く大変刺激を受けた一方で、けして通訳学校では解決しきれない、精神的問題そして物理的問題にも多く直面してきました。

通訳学校での勉強は、今までの学校英語そしてTOEICにしろ英検にしろ、試験のための英語にしか触れてこなかった人にはとても新鮮です。国際会議のスピーチや世界の有名人のスピーチを聞くなど、扱う教材は新鮮でどのトピックも好奇心をそそります。最初のうちは楽しくて仕方が無いでしょう。

でも、これを「実力がつくまで」続けなければならないのです。そして「いつになったらなれるんだろう?」「働ける市場はあるのかしら?」と不安に思いながら。しかも、「いつ実力がつく」のか、毎回難しい教材を前にため息しながら、見当すらつかないのです。

よっぽど意志の強い人であれば、こうした不安に打ち勝ち、順調に努力を重ね晴れて通訳デビューすることも可能でしょう。実際、通訳者の中にはそんな不屈の精神を持った方がおられます。でも、私が通訳現場でご一緒するプロ通訳者の皆さんの多くが、それぞれに思い悩んだり、挫折を繰り返しながらプロになられた方々です。

そこで気がついたのは、悩みどころや挫折のしどころなどはとても似通っていて、思わず共感してしまうようなことが数多くあることです。でも、それらは私とそしてお話しした同僚通訳者の経験上「通訳学校が教えてくれないコト」がほとんどでした。

私はプロ通訳者として、本当にこの仕事が好きですし、あきらめなくて本当によかったと思ってます。ですから、今通訳を目指す皆さんにも、あきらめずに頑張って欲しい。不安や挫折が無ければ成長もないでしょう。ですが、余計な不安を取り除き「通訳になりたい!」という人たちのがんばる背中を押すことが、少しでも出来ればいいなと思います。

これから、連載という形で「がんばるあなた」に情報提供していきたいと思います。
ただし、あくまでも私が経験したことが元になっていますので、現在とは事情が変わっている部分も有るかもしれません。そのような記述に気がつかれた方は、遠慮無くコメントお寄せ下さい。
また、こんなコトを聞いてみたいというご要望があれば、同じくコメントお寄せ下さい。よろしくお願いします。