会議出席者の発話に訛りやアクセントがある場合には知っている言葉もそれに聞こえないというのはよくあります。苦労します。訛りがきつい時は本当にツラい。ですが、英語ネイティブスピーカーでない私が話す英語にはそのまんまブーメランなので、ツラいと表明することも申し訳なくは思っています。ごめんなさい。
先日、取り扱いに注意すべき個人情報を適切に管理する、という文脈の話を通訳した時のこと、ある場所に格納された情報項目を列挙していくのですが…
fist name, last name, address, phone number, card number…
ファーストネーム、ラストネーム、住所、電話番号、カード番号…
と、ほぼ自動的に訳出しながら、なんか違和感。日本語で「カード番号」というとほぼクレジットカード番号を意味します。しかし「英語では credit card number と 必ず credit を言うよね?」と頭によぎり、でも「sensitive information の話をしてるから間違いないはず。」とわずかな違和感をはたしてあっさりと打ち消してしまいました。そして、そして2-3回目からの訳出ではかなり堂々と、ご丁寧に「クレジットカード番号」と訳出してしまいました。
が、なんと card number ではなくcart number でした。話者は英語ネイティブではなかったのですが、通販サイトでカート内にユーザーが入れた商品点数をこう表現していたようです。確かにトピックはEコマース。であれば「カート」でピンとくるべきか?運任せに聞こえた通り「カード番号」とせずに確信を持って「カード番号」とまでしたものが全く裏目に出てしまいました。でも sensitive information じゃないし…と、脳内で言い訳をグルグル回しながらも、誤訳なのですぐに訂正した次第です。
扱うトピックについて「勘どころがある」「勘がはたらく」と言うのは割と大切なこと。実際、私たちは日常の会話では常に、あれ、それ、これなどの指示語を巧みに用いて相互理解を成立させています。明示的に何かを言われなくても「あの事を話している」とピンときたり、ピンとまでこなくても「何となくそういうことかなぁ」でどうにかなってしまっている訳で。
だけど、ピンとこなかった…。それどころか「もっと昔はカートではなくてバスケットだったよね?」「ほらバスケットサイズとかいう用語もあったし」とか、どうでもいい事まで思い出す始末。
明日もがんばります。