2012年2月28日

2012/03/24 IJETプレイベント 通訳セミナー in 広島

今年6月開催のIJET23に向けて、これまでも大阪、広島、高松とプレイベントを行ってきましたが、また広島でひとつイベントを行います。

今回はこれまでのプレイベントでのセミナーが全て翻訳をテーマにしたものだったのに対し、初めての通訳セミナーとなります。今回は私もメインスピーカーで、同じく広島在住の通訳翻訳者であるPaulineさんと「通訳ってどんな職業?」をお話する予定です。

以前は地方の大都市であれば大手の通訳学校が必ず進出していましたが、ここ数年の不況の煽りを受けてか次第にそうした通訳学校でさえ地方からは撤退を余儀なくされるケースも多いのが実情です。そうした中、「通訳を知る」ためのチャンスはどんどん少なくなっているように思います。

実際、私が通訳学校で学んだ頃は、生徒集めのために大きな会場を借り切って現役通訳者を呼んできて通訳という職業について語らせる、と言うようなこともやっていました。かく言う私も、広島国際会議場の大きな会議場で聞いた通訳者の講演がきっかけで通訳学校に入学したのです。大きいばっかりの夢を抱えて(笑)

そんなイベントも開催されることが稀となった今、通訳に興味を持って下さる皆さんにとって通訳という職業を知るいいチャンスになれば!と思っています。通訳学校のイベントと違って、勧誘活動は一切ありません(笑)

毎回、はじめてイベントに参加して一人で交流会に出て下さる方も沢山おられます。学生さんも大歓迎です。是非お気軽にお越し下さい。

セミナーと交流会の出欠確認の為、こちらからお申込みよろしくお願いします。

2012年2月18日

逐次通訳の醍醐味 その2

4.デリバリー形態の差
ここで上記に述べた、逐次では「論理展開が”より”明確な形で再現することが求められる」ということを考えて見ます。なぜ”より”明確で有ることが求められるのか?ここまでは情報処理の観点から話しを進めてきましたが、オーディエンスの側から見たときの通訳デリバリーという側面から見ていくとその理由が見えて来ます。

同時通訳(ウィスパーとブースでは多少違ってきますが、ブース前提で進めます。)と逐次通訳のデリバリーの大きな違いは、オーディエンスが誰の話を聞いているか?です。もちろん、どちらも文字通りスピーカー/通訳の話を聞いていますが、同時では耳では通訳を聞きながらもデリバリーは目の前にいるスピーカーのものとして錯覚しながら聞いています。(そう錯覚させる通訳ができることが理想的。)

逐次通訳の醍醐味 その1

珍しくここ二週間ほど、逐次通訳の案件が続いています。最近はお客様の時間・コストの都合上、機器をつかった同時通訳やウィスパリングを求められることが圧倒的に多いのが現状です。そのため、この二週間をとても新鮮な感覚で過ごしました。

一般に通訳を使い慣れたお客様でさえ「同時通訳の方が逐次通訳よりも難しい。」と思われていることが多いようです。でも、実際には違います。どちらももちろん難しいですが、私自身は完成度を上げようと思えば、逐次通訳の方が難しいと感じています。

1.同時通訳が難しいと思われやすい理由
同時通訳は、文字通りスピーカーの発話にかぶせるように数秒遅れながら通訳をしていきます。同時通訳では「聞く事」「通訳すること」をマルチタスク。逐次通訳はスピーカーが喋り終わってから(聞き終わってから)通訳し始めればよいためシングルタスク。おそらくそんな風に考えてしまうため、マルチタスクの方がより難易度が高い、と考えられがちなのは無理のないことなのかも知れません。

でも、実はこのマルチタスク、シングルタスクの考え方が根本的に違っているのです。

2012年2月15日

異文化理解-質(≠技術力)の高い通訳者

先日Twitterでおもしろいブログ記事が流れてきました。『ロシアでは「ごめんなさい」はかえって怒られる-ロシア駐在日記』です。詳しくはリンク先を見ていただきたいのですが、おおよそそのタイトルの通りの中身で、謝る順番が文化的に違うため、本来意図しない印象を相手に与えてしまいコミュニケーションが上手く行かない、というものです。

この特定の例についての回答は比較的簡単だと私は思っています。それは、この方はどうもインハウス通訳として同じ組織に継続勤務されているようだからです。であれば、その都度「日本式、ロシア式どちらに合わせるか?」などのようなことをしなくても、事前に両サイドにそうした文化の違いがあることをハッキリ伝えておけばよいからです。

事前に伝えたからといって、会議はダイナミックに進むのがつきものですから、そのあたりを加味して考えるのが難しいというのは結構つきもの。そんな場合は、都度、通訳を聞いている人に対しては一言「ロシア(日本)では謝罪を後で(まず最初に)言います。」と耳打ちしてあげればいいのです。


事前に聞いたことを思い出すくらいはすぐできますから、後はオーディエンス任せで問題ないでしょう。というよりむしろ通訳が立入った判断をすることは避けるべきです。

2012年2月5日

「何も足さない、何も引かない」

もう随分前のサントリーウイスキー山崎のCMで使われた有名なキャッチコピーです。通訳や翻訳でも、スピーカー発言/原文から「何も足さない、何も引かない」ことでアウトプットはより品質の高いものになるという意図でよく使われてきた気がします。

でも、文字通り「何も足さない、何も引かない」を忠実に実行することで品質の高い通訳/翻訳のアウトプットは可能なのでしょうか?


最近はWEBベースの機械翻訳を切り貼りして文章を作る方も多いようですが、文章のコンテクストを考えないこの作業は、まさに「何も足さず、何も引かず」の”言葉の置換え”に終始したものといえるでしょう。しかし、それがどれだけ危ういものか「きちんと知った上で利用した方がいいですよ。」…と言いたくなったりするのです。