2011年10月18日

10. IT業界と通訳準備 キーワードはクラウド! その1

このところIT関連の会議というと、ちまたで噂のクラウドコンピューティングが話題の中心です。ITといっても範囲が広く、単なる社内的なシステム移行の話から、ITベンダーの商品開発まで多岐に及びます。しかし、最近の大手企業の経営戦略には、業界での勢力拡大の手段としてクラウドコンピューティングがすえられているようです。

IT業界ではすでに長い間にわたりクラウドコンピューティングの概念と技術を開発してきました。それが証拠に一般にはあまり意識されていないもののAmazon, Google, Facebookなどの有名どころはクラウドの最先端を行く企業なのです。

今年になってやっと一般人にも見える形でクラウドコンピューティングが売り出されはじめたのは、ここ数年のファイル管理システム技術の進化により、プライベートクラウド、パブリッククラウドを柔軟に行き来できるようなデータベース/システム構築が可能になったという背景もあるようです。オープンソース時代の到来と共に一気に仮想化の概念と技術が普及したことで、クライアント側の開発環境も極めて進歩しました。

さらに何といっても、クラウドの一般普及への鍵となったのは、ネットワークの高速化が加速度的に進んだことです。ADSLに始まる、光ファイバー網、携帯回線のの高速化は、一般のモバイルユーザ-にとっても近年目を見張るものが有ります。

夏に大手IT企業の国際会議を担当しましたが、その時もやはり技術戦略の主軸に据えられていたのは「クラウド」でした。そして先週担当した、マカオでのある大手IT企業の国際会議でもこの「クラウド」は目玉でした。


どちらもブース同通で、前回は中国語との2ブース。今回は中国語、韓国語と一緒に同通ブースが3つ並び壮観でした。今回の通訳者は全員女性でしたが、それぞれ手元にはPCを準備。中国語の通訳者はお二人ともMacBookAirでした。私はiPad2を持込みました。もちろん各ブースにはPC用に電源が準備されています。




左:手前から中国語、韓国語、日本語ブース
右:通訳が必要な出席者はここからレシーバーをもっていきます。

通訳泣かせなのは、こういう会議では資料がなかなか出てこないこと。実際日本を出発する前に、セッションに直接関係のある資料は殆ど出てきませんでした。直前に事務局から資料が送られてくるのはよくあることで(時にはこちらがお願いしないとなかなか送ってくれない事も…)それを受信出来る環境を整えておくことは通訳者の要件の1つです。

ホテルでのWiFi環境は今回は無償で提供してもらっていたので助かりましたが、現場のブース内では
当初はWiFiが使えなかったため、急遽中国の通訳さん達が事務局に申請してアクセス権を配布してもらいました。また、各言語通訳への資料配付状況もまちまちで、隣のブースでは資料を見ているのに!という事が時々あり、慌ててお願いして通訳間で資料をメールしあうという一幕もありました。現場での協力は大切です。

ちなみに私がプレゼン資料閲覧に使っているiPad2アプリは、有名どころのGoodReaderです。終わったセッションのPDFやPPTはフォルダー内からサクサク削除していきます(笑)以前はEvernoteを利用していましたが、他にもEvernoteで管理させているデータがあり、分類が面倒なのと基本的に使用後はすぐ消してしまいたいので、間違って必要なものを消してしまわないようにアプリを分けています。使用感で特に優劣を感じたことはありません。

GoodReader®  

でもよくよく考えて見ると、こうした通訳者の知識・環境をバックアップしているのも現在のIT技術やクラウドコンピューティングです。

配布される資料の数は膨大で、それを手元で二人の通訳が二人分の資料でワサワサやるのは賢明ではありません。自分の書き込みのある資料ならそうも言っていられませんが、今回は全てが当日セッション直前渡し。資料が手元でスマートに見られるのも、用語をスマートにその場で調べられるのも、それを送信すること、素早く検索閲覧することを可能にしてくれているのも、すべて”クラウドコンピューティングのお陰”…ということになりそうです。