2011年3月19日

息子の卒業式

私事ですが、息子が無事に昨日、小学校を卒業しました。6年前に小さな体に大きなランドセルを背負って入学したのがついこの前の事のようです。

震災以来私自身は被災していないのに伝えられる情報に圧倒されてしまい、何となく気分が上向かない日々でした。でも、卒業式のためにちょっとキレイにして(いえ、白髪を染めたんですがね、笑)黒のスーツにコサージュつけて小学校に向かいました。久しぶりに晴れ晴れとした気分で家を出ました。

式が始まった後に携帯にメールが入りました。卒業式のお決まりの「呼びかけ」が始まった時でした。

JATのボランティアリストを見てメールしている。
被災地域にあるクライアントの工場と
いつもお願いしている翻訳者と連絡が取れない。
出来れば大急ぎで、被災地域の状況を伺うメール
翻訳者への安否を尋ねるメールを翻訳してくれないか?

というものでした。こんな時にどうしよう...。周囲の方の目もちょっと気になり躊躇したのですが、何だかメールの文章から切羽詰まったようなものを感じてしまい、その場で翻訳をはじめました。


ずっと連絡とれず心配しています。
どうか無事をご連絡ください。
私たちの気持ちは被災した人たちとともにあります。
被災からの復興を信じています。
神様のご加護がありますように。

ちょうど子ども達が「明日へ向かって、羽ばたいて…」と呼びかける声と重なって、翻訳しながら涙が止まらなくなってしまいました。

被災地の子ども達は卒業式をすることもままならないでしょう。そんな子ども達の事を思うと、被災したみんなも卒業おめでとう!という気持ちになってしまい、我知らず泣けてきてしまいました。

この震災からの復興には、途方もない労力と時間がかかると素人でも十分理解できます。また、原発事故は確実に日本に対する風評被害を生むでしょう。

その被害を耐え抜いて日本は立ち直っていかなければならない。しかも被害状況がハッキリと長期的に把握しきれない現状…。日本にとって、どれだけ厳しい未来が待っているのでしょう?

子ども達にそういう未来をもたらしてしまった親世代の私たちの責任。

悲しがったり、悔しがったりするばかりでは解決しません。それぞれができることを精一杯する、自分の命を精一杯生きるという姿勢を大人がしっかり見せていかなければ…と思います。

翻訳の依頼主からはその後メールがあり、クライアントは無事だったが、翻訳者とは全く連絡取れないとのことでした。

当面、震災の混乱により発生するメール翻訳であれば対応出来ること、GoogleのPersonFinderが連絡のつかない翻訳者さんの安否確認に役に立つかも知れないこと、そして、私が翻訳した分の翻訳料は、翻訳者さんが見つかったら是非彼女に支払ってあげてほしい…と書いて返事をしました。

彼女が無事で有りますように!

でも、息子はやっぱりまだまだ子どもで、暢気にしています。卒業アルバムで好きな言葉に「人一倍の努力」と書いたところ、友達に「人と一緒しか努力しないの?」と突っ込まれ「一本足して『人二倍の努力』にしとこうかな...?」と悩む始末。

おい君っ!日本の将来は君たちが切り開くのだよ、笑!

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