2011年3月10日

刑事弁護人と司法通訳者との意見交換会 - 広島弁護士会主催

先日、2月20日(日)に開催された「刑事弁護人と司法通訳者との意見交換会」へ出席してきました。海外出張から帰国したばかりでヘロヘロになりながらの出席でしたが、行ってよかったです。

会場から一部Twitterを使ってレポートした内容も含め、当日の様子をレポートにまとめてみました。これも、あくまでも私的なメモですので、一般ブログ内容とは致しません。ご興味のある方はDLしてご覧下さい。

参加された方で間違いに気付かれたり、理解に齟齬があると感じられた方がおられましたら、遠慮無くお知らせ頂ければ助かります。

また、それぞれご専門の見地からアドバイス等有りましたら、是非お寄せください。

2011年2月20日(日)広島弁護士会主催【司法通訳についての意見交換会】宮原メモ

以前、京都産業大学主催の意見交換会で集合したのは関西圏を中心に司法通訳でもベテランとして活動されている方が大勢でした。

しかし、こちらは一転、地方広島という土地柄のためでしょう。出席された方の多くは裁判所、弁護士会、法廷に登録しながらも、実際には稼働経験のない方が圧倒的に多いという状況でした。

主催者側もそれを意識してか、通訳についての基本的な説明、例えば「メモ取り」等について言及していました。

そこから私が推測するに、ビジネスでもそれ以外でも「通訳を業務として経験したことがない方」が多かったのではないでしょうか。

(本音をいうと、通訳技術と、実地の法廷通訳における対応の仕方について、賛同しかねるポイントが幾つかありました。レポート内ではその部分も、私見を入れずに発言通りに記載しています。)

ただし、今回は感想を少々...。

司法通訳界でも第一人者の長尾ひろみ先生が母校女学院大学の学長として赴任されたのは去年のことです。 会の終了後にご挨拶に伺いましたが、もともと神戸女学院大学で教鞭を執っておられたので、関西の司法通訳者の方々をよくご存じのようでした。私が京都の会に出席したと申し上げると「○○さんは、その会に来られてました?」と逆に質問される場面もありました。

司法通訳の制度が整わない、司法通訳者の立場が向上しない事について、先生が長年に渡り研究活動ご尽力されてきたことには本当に頭が下がります。今回、弁護士会主催でこうした会が大々的に開かれたのも、先生の広島赴任が大きかったのかもしれません。

新聞社の取材も入っていたようで、活動がメディアに取り上げられ注目を集めるチャンスも得られて、よいことだと思いました。

しかし一方で気になるのは、今回の活動を起点にして「次にどういう動きが取られるのか?」何も明確に示されなかったことです。

弁護士会が将来的な展望の中で、下記に点について触れていました。

- 通訳人に自分のスキルレベルを自己申告してもらい、スキルレベル把握につとめる。
- メーリングリストを設定して、通訳人、弁護士間の意見交換の場を設定する。

これらがどういうタイムラインで実行されるのか知りたい...と思うのは、私がせっかちだからでしょうか?

また、長尾先生からも「日弁連から資格試験のモデルを提示済み(確か法務省に対して...ですが記憶が曖昧です。)」「通訳人を使う際の注意点をまとめた書籍の出版予定」などの気になる発言がありました。そのどちらも、ベテラン司法通訳の参集した京都では聞かれなかった話です。

「現在活動する人をdiscourageするものではない(資格試験)」との補足もありましたが、通訳人自身がそうした試験モデルが提示されたこと、を把握しているのか、いないのか...?各地でこうした意見交換会や、勉強会は開かれているものの、なかなか横のつながりになっていないようです。

弁護士会がよりよい司法通訳のあり方に向けて動いて下さっているようです。であれば、司法通訳の研究者はもとより、少なくとも現場で実際にヘビーに活動する通訳人を巻き込む形で議論を進めて頂ければよいな…と感じました。

と、一方的に通訳人の要望を言ってしまうと「通訳者の組合や職能集団を形成して、通訳人主導の活動を...」とどこからか聞こえてきそうです。

難しい問題ですね。