2015年10月20日

ムネリン(MLBブルージェイズ:川崎宗則)に学ぼう!



これを見てしまうと、ほとんど言葉は要らない気がします…(笑)

でも、彼の英語は本当に昨年に比べると格段に上達しています。昨年は単語の羅列に毛が生えたレベルでしたが、このインタビューの中ではセンテンスでしっかり話しているのが分かります。日々、チームメイトとの会話だけではなく、本当にきっと教科書と首っ引きで勉強しているに違いありません。

通訳者も彼のような選手だと、テンションが上がるでしょうね。実際、知り合いの元スポーツ通訳者から「選手が周りに溶け込む気がゼロだと一緒にやってて全然楽しくないしダメだね」という話を直接聞いたことがあります。

ムネリンがんばれー。

2015年10月18日

スポーツ通訳募集「報酬: 能力、経験等を考慮のうえ決定します」


阪神タイガースが、通訳者を募集しています。
球団職員(通訳)募集について
阪神タイガース公式サイト http://hanshintigers.jp/news/topics/info_4010.html
報酬:能力、経験等考慮のうえ、決定します。
私はスポーツ関連は究極インハウス通訳だと思っていることは、このブログの中で何度も書いている通りです。入団して育つかどうか?は球団側の一番判断の難しいところ。確かに、報酬の多寡に関係なくやりたいという「ガッツの有るヤツ」を取って、そういう人が育てば一番投資効率はいいわけですが…。でも、どのくらいの確率で「育つ人材」に当たるのでしょうか?

先の南アフリカ戦で歴史的勝利を記録した全日本ラグビー主将リーチ・マイケルは、主将の立場で英語ができることは大切…と語っています。これはスポーツという同じルールの元でゲームをするという、表面上は言語能力がほぼ関係しないような枠組みの中でさえ、実は「ことば」がとても大切だということを示しています。

リーチ・マイケル主将の発言は対相手チームや審判での事でしたが、ラグビー日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏の通訳を務めた佐藤秀典氏も、やはり何度もメディアに取り上げられチームの勝利に貢献したと報じられたことは多くの人もご存知の通りです。

松山英樹についていた通訳者ボブ・ターナー氏、アメリカでアスリートを支える通訳者養成アカデミー(ターナー・コミュニケーション・インターナショナル : TCI)を創設しているのはご存知でしょうか?日本にこういう養成学校を作り「育つ人材を育てる」動きは私の知る限りでは有りません。なぜでしょうか?
松山英樹に寄り添う米国人通訳の人生
【米国男子 PGA】|GDO ゴルフダイジェスト・オンライン
http://news.golfdigest.co.jp/news/pgaofcl/pga/article/53906/1/
2020年オリンピックに向けて本気でスポーツを盛り上げていきたいのなら、いずれかの通訳学校が考えても良さそうなものです。しかし、技能訓練して稼働能力を身につけたとしても、その後のキャリアパスを明確(報酬レベルを含め)示すことができないのが原因ではないか?と考えられます。無論、卒業後の報酬を明示したうえでのキャリアパスの紹介…という意味では、通常の通訳翻訳学校でさえ上手くやれているところは多くないのですが。

海外で例えばMLB通訳募集や、ゴルフ選手、その他アスリートの通訳募集をする際も、やはりベースラインの報酬提示は初期募集の段階では皆無なのでしょうか?一般募集でなく、口コミ紹介などのコネに頼る募集であれば口頭で伝えられるパターンも想像されます。

スポーツに限りませんが日本のように「報酬は要相談」というのはズルいと思わざるを得ません。スポーツ通訳でそれをやられると「ガッツあるなら給料をうるさくいうな」的に見えてしまう私の心は曲がっているか…(笑)しかしこのアプローチは確実に「スポーツ通訳にとても興味がある、やってみたい」と考える能力ある人材を遠ざけるものでしょう。

「通訳」という肩書がつく以上、その肩書に憧れを持ち「通訳する」「両言語を操る」ことにチャレンジしたい、あるいは自信があるという人材のはず。憧れだけの人材は「ことば」でつまずく確率は高く、ことばに対して思い入れのある人材であればスポーツ通訳でなくとも確実に収入を得られる職業は他に少なく有りません。

スポーツ通訳者は本当に凄い。私が知っているのはほんの数名の方ですが、スポーツと人とが心から好きで、チームやメンバーとともに一喜一憂できるハートのある人でないと絶対務まらない仕事だな…と思います。技能だけではけしてなれない、人間性の良さ、ガッツが問われる分、そこには特別なバリューがあります。私がスポーツ通訳者を究極のインハウスと思うのはこのためです。

いずれにしても、良い通訳がアスリートにつくことは、日本のスポーツが世界に進出する上で重要な要素だと考えられます。スポーツ通訳のバリューがしかるべく認められれば、スポーツ通訳を目指す優秀な人が増え、確実に「育つ」確率も上がるはずです。そして、すでにスポーツ通訳者として仕事をしている人もさらにプライドを持って仕事をできるようになるのにな、と思います。

何より、スポーツで日本が世界の舞台で戦う姿をみるのは、私はただのにわかファンですが、それでも日本人としてとても誇らしいしすごく応援したい気持ちになります。そして、それに貢献してる通訳者という仕事を思うと、さらに同じ通訳者としてとても誇らしい気持ちになるのです。

広島通訳 Tea Salon を開催します

例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...