2014年3月11日

簡易同時通訳機器(その3:アナログ機器の干渉・混信注意点)

前回まで見てきたように、同じメーカーの製品であっても干渉・混信の危険があることがわかったと思います。そのため、事前のチャンネル確認は割と重要なポイントといえるでしょう。それ以外にも当然と思われるものも含め、干渉・混信についてはいくつかの注意点が有ります

チャンネル使用上の決まり(?)

通訳がチャンネル切換しやすいようにチャンネルの割り当ては、隣同士のチャンネルを割り当てます。つまり、1ch-2ch、3ch-4ch…のような組合せです。「若い番号の方が必ず英語が常識」と社内通訳時代に言われたことが有りますが、フリーになってからは特に聞きません。指定のない限り現場でペアの方と相談して割り当てています。


異機種間の干渉・混信

また、TOA社製機器とパナガイドはチャンネルによって完全干渉します。つまり、完全互換があると言えます。社内通訳時代の同僚に確認したところ、受信機の台数が足りない時には、両社製の受信機を合わせて台数を揃えることもあるそうです。

干渉・混信についての注意点

代表的な上記二社製品について述べましたが、それぞれの機器を使っていても完全互換(完全干渉域)があるなど「必ず大丈夫!」とはいえず、大事な場面であればあるほど必ず事前確認を徹底することが大切でしょう。これを怠ったがために「当日現場で干渉・混信した…」となれば、機器を貸し出した側にも一定の責任が伴うからです。

さらに注意しなければならないのは、このパナガイドが非常に普及している製品であるために、自分が関わる会議以外でしかも近隣で同じ製品が使用されているケースが東京では少なからず発生するということです。

例えばホテルの会議場やオフィスビルの場合は、建物の構造や気象条件にも左右されるとは言うものの50M以上電波が届くことはめずらしくなく、会議が始まって混信を確認して慌てて不使用のチャンネルを探すはめになる…ことが残念ですが稀に有ります。

オフィスビルの場合は仕方がないですが、ホテル会議などの場合は使用チャネルを決めた上で、ホテル側に対して主催者を通じて予め「パナガイド使用の旨と使用チャンネル」を連絡しておき、後日設定の別会議では同チャンネル使用を回避してもらうなどの対策を講じることが有効でしょう。

電波法による分類

ここで、電波法による分類について簡単に見ておきます。日本では電波法により周波数帯域を周波数の高い順に次のように使い分けています。
  1. A帯: 要ライセンス取得 テレビの番組中継波等として使用。
  2. B帯(700MHz~800MHz): 混信の可能性が高く使用にはリスクが伴う。音質はA帯と変わらない。ただしA帯とは異なり許可制ではないので自由にチャンネルを設定できる。
  3. C帯(300MHz): B帯同様に混信の可能性があり。音質はA・B帯より劣るようで電波の飛び(距離)は波長が低いため一般的に長いとされる。(パナガイドやTOA社製品が使用しているのはこの帯域です。)

また、日本製の電波を発信する製品は日本の電波法に準拠して製造されているため、メーカーは基本的に海外への持ち出しを禁止しています。海外とは周波数使用帯域が異なる場合があるためです。

次回は、4グループ以上に同時通訳サービスを提供したい(8チャネル以上同時使用したい)場合に使えるデジタル機器についてです。