2013年2月3日

17. 通訳学校では教えてくれないコト -経験を語る-

前回から少し時間があきました。前々回の「マーケットへ飛込め」そして「仕事の探し方」から続いて、実際に仕事を手に入れるための戦略について今回は書いてみようと思います。ですが、その前に最初に「マーケットへ飛込め」で書いた重要なメッセージを最初におさらいしておきたいと思います。

マーケットへ飛び込め  
どんなときも、自分のキャリアの節目を判断できるのは「自分」だけです。
特にフリーランス通訳を見据えるのなら、フリーランスという立場上仕事にかかわる事の判断は常に「自分」で下すしか有りません。自分が決断しなければ前に進めない職業だということに気付き早々に覚悟を決めるべきです。


実務経験の壁をどう考えるか?  
 さて、実際に仕事に応募する際に最初にぶち当たる壁…「三年以上の実務経験」です。これを見たあなたはマジメに「自分には三年の実務経験がないからダメだ。」とまさか素直に諦めていないですよね。実際「未経験でも採用します」という職場は非常に少ないのが実情ではないでしょうか?

でも、逆にお客さまの立場で考えて見たときに、依頼しようとしているエージェントが「未経験者歓迎」の求人を出していたらどう思いますか?どうもまともな通訳さんは派遣してもらえそうにない…と考えるのが普通でしょう。

であれば、積極に「未経験者歓迎」とすにはそれなりの意図(できるだけ経費を抑えたい)があるわけで、市場で少なからず「ちゃんとした仕事(プロとしての経験が積める仕事)」を経験したいと考えている人が期待できるものは殆どないと言っていいでしょう。

また逆に、未経験者歓迎案件を狙って応募する人は「ほんとうに未経験」で、もしかしたら「未経験だからいろいろ多めに見てくれるかも…」という心理があるのではないでしょうか?あなたが、そういうメンタリティの集団に入るのに抵抗が無く、そこまで
「ちゃんとした仕事(プロとしての経験が積める仕事)」をしたいと思っていないのであれば、未経験の仕事を探すことは止めません。

つまり、市場での通訳経験がなくても、
「ちゃんとした仕事(プロとしての経験が積める仕事)」がしたければ、積極的に「三年以上の実務経験」と書かれている仕事に応募しないと意味がないのです。


経験を語る  
次に、じゃぁどうやって?という問題。仕事を得ようとしているあなたは本当に全く通訳をしたことがないですか?おそらくそんなことは無いはずです。ボランティアの経験はないですか?翻訳者として勤めた会社でコミュニケーションのお手伝いをしたことはないですか?

語学を長く勉強しているなら、必ず語学力を習得する目的のために、コミュニケーションという作業にはなんらかの形で関わっているはずです。そういう場面を、まず履歴書の中でどう表現するのか?でも、履歴書では語れないことは沢山あります。

本当に経験を語ろうと思えば、やはり一度先方に赴くべきでしょう。


通訳は通訳能力が高ければ仕事がくる…と言う類の職業ではありません。確かに職人的要素もありますし、そこをないがしろにしては成り立ちませんが、気持ちよくサービスを受けてもらえるような言動、気配り、そして仲間とのチームワーク同じくらい重要な職業です。そういった点は、直接会って話をすることでしか伝えられないことも有るのです

「経験を語るというところでは例えばスクールで勉強したこと、履歴書であればただ単に「スクール歴○年○○科卒業」と書いてそれで終わりです。ですが「勉強した中でも自然科学系の教材には興味を持って随分リサーチをしました。なので、興味があります。」と言えば、コーディネーターさんの中には「単にスクールで勉強した人」ではなく「自然科学分野に興味の有る人」として記憶されるはずです。


これは単なる一例です。語るのは、通訳にまつわる内容、あるいはそれ以外でも興味を先方持ってもらえるものであれば何でもかまいません。ただ、資格試験の点数、グレードを持っているだけではない何か…」が有ることが大切です。


ちなみに私の場合、まだ殆ど仕事としての通訳経験のない頃、前職システムエンジニアという肩書きが妙にアピールしました。面接時も詳しく聞かれたので履歴書に書いてないような詳しいかつてSEとしてのサポート内容をお話したところ、ヘルプセンター、コールセンター関係の通訳、システム移行サポート通訳の派遣案件は随分打診をうけたものです。


のように「直接経験を語る」事によって、履歴書を提出した中の多くの一人ではなく「通訳の経験は浅いけれども、通訳学校でのトレーニングはしっかりうけており、仕事を請ける準備の整っている人。」と理解されるようになるはずです。