2010年4月30日

簡易通訳機器のこれから


私がこれまで経験した簡易通訳機器は3つ。



この三つのシステムでも圧倒的なシェアを誇るのが(私の経験上ですが)Panasonic製のパナガイドです。このパナガイド、もはやその名前が簡易通訳機器を意味する代名詞のように業界では知られています。

よくよく調べてみると同タイプのTOA製の方がかなり値段が安いのに、Panasonic製がほとんど。なぜか…?恐らく多くの通訳者が同じことを感じていると思いますが、TOA製は使い勝手が悪いのです。

まず、チャンネルダイヤル、スイッチ音量ダイヤルがとても近い位置に有ってつまみにくい。また、指先で微妙なチャンネル操作をするには、ダイヤルが固すぎるのです。そのため思わず力が入り、チャンネルを行き過ぎてしまう事はしばしば。


仕方なくチャンネルを戻そうとするのですが、最初につまんだ指先の位置のままで元のチャンネル位置まで大きく回転させようとすると、ダイヤルをつまみなおさなければ回し進められない…。
日英がポンポン切り替わるディスカッションのような会議の時には、パニックに陥りそうになります。

さらに、通訳を受ける方はたいてい機器のスイッチをオフして返却して下さるのですが、TOA製の場合はレシーバを回収した後、多くのレシーバーが電源ON状態のままになっていることが多いのに気づきます。ダイヤルが固いが原因では無いかと思います。(その位固いんです…)おかげですぐにバッテリーがなくなってしまうんです。

ちなみに、赤外線通訳システムは幾つかタイプがあるようですが、マイクを持ち歩き出来るものは少ないようです。


また赤外線であるためあまり広い会場や障害になるものがあると赤外線が遮られ、受信が上手く行かないなのどの問題が起こる事もあります。
同通はしゃべりながら聞く(またはその逆?)作業なので、聞こえてくる音量が小さいのは大変な負担です。なので、大きな会議室での遠くのお客様の声が聞こえにくいときには、マイクを持ち歩けないのは大きなマイナス要素です。
だからなのか、フリーランスになってから赤外線タイプにお目にかかったことはありません。Panasonic製もTOA製も充電式電池を電源としていて電源コードが無いため、赤外線よりずっと便利です。

Panasonic製が高いにも関わらず圧倒的シェアであるのはこうしたところからだと思っています。ところがTOA製もリンクを辿って頂ければ分かりますが、決して安くは有りません。Panasonic製もTOA製もシステムそのものの機能や構造は、携帯電話に比べれば格段にシンプルです。それなのに携帯電話と値段を比べるとビックリするほど高い。数が出ていないために高い価格で流通しているのかもしれませんが…。


購入するにはひとまとまりの台数をそろえる必要が出てくるため、一回の購入金額は莫大になります。導入したいけど手が出ない…と思っている企業も多いのではないでしょうか?

本当にそんなにコストをかけないと作れない機器なのか?流通する数が少ないとはいえ、はなはだ疑問です。実際、Panasonicは携帯電話機を作ってる訳ですから…。それが出来ないなら、かくなるうえはTOAさんに是非頑張って機能改善して頂き、良い意味での価格競争をしてもらい、多くの「高いから手が出ないと考える消費者」に喜んでもらえるようにしてもらえればな…と思います。

そうじゃなかったら…
今はSoftbankの携帯電話は昼間はSoftbank同士なら通話はタダ。ケータイがとってかわる事になりかねません。
同時通訳システムにしたって、Ustream配信がiPhoneから可能らしいので、一度に多数の人に同時通訳音声を届けることだって、システム的にも問題なく出来るのです。

素人考えで突拍子もない?と考えられるでしょうか…実は携帯を通訳機器に見立てた通訳は、私、試した実績が有るんです。


これは脅威でしょう?>Panasonicさん、TOAさん

PanasonicさんにしてもTOAさんにしても、従来型の機器の改良もそうですが、最新の技術を使ってより安く、より便利な機器を考案してもらいたいな…と通訳業界の隅っこから強く希望しています(笑)

広島通訳 Tea Salon を開催します

例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...