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2016年1月10日

2016年もよろしくお願いします!

ブログ更新ができないでいるうちに、すっかり年が明けてしまいました。

昨年前半は年明けから(一時的な)義母の介護で始まり、同時に娘の受験・進学、そして5月には私自身が入院というイベント続きでした。後半は、退院後も三週間ほどで仕事を再開してしまい少し「しまった…!」と思いつつも程なくすっかり体力も回復して年末まで走り抜けた感じです。そんな中、年末には現代アートのシンポジウムでのお仕事という新しい分野を経験し、個人的に大変興味をそそられました。通訳の仕事納め後は、古いお客様から久しぶりに翻訳のお仕事を頂き、自宅でじっくり腰を落ち着けて作業に取り組みました。自分の得意な分野でもあり翻訳作業は悩ましいながらも楽しみながら進めることができ、無事に最終稿を28日に納品。例年通り駆け抜けた感が満載の一年となりました。

「新年の抱負」を語るのが順当なのかもしれませんが、少しでもよく、少しでも上手く、少しでも仲良く、少しでも元気に!…という感じで、いつも走りながら小さな目標が見えてくるタイプなので、敢えて「今年の目標」ということは定めていません。なので、今年の抱負に代えてお正月から読んだ本を何冊かご紹介します。
アートは資本主義の行方を予言する
(PHP新書) 新書 – 2015/9/16

お正月からは現代アート関連の本を読み漁っていました。先のシンポジウムで業界でも有名なアートディレクターやキュレーターの方々にお会し、気取らない、でも熱く現代アートを語るその姿勢に惹かれたためです。その中でも読み応えがあった一冊は山本豊津著の「アートは資本主義の行方を予言する」です。アートを文化として経済活動の中で育む事の意味というのを明快に説明してくれています。アートに投資することが国家戦略として非常に重要であることが、近代史をなぞりながら筆者の豊富な知識を背景に理路整然と語られています。大変読み応えがある本でアートに関わる人達の情熱をひしひしと感じることができました。

現代アートの追加注文書籍が届くのを待つ間、先に届いた小鷹信光氏の「翻訳という仕事」と、昨年の9月に購入して以来ずっと積ん読本になっていた近藤正臣氏の「通訳とはなにか――異文化とのコミュニケーションのために」を読みました。
翻訳という仕事
(ちくま文庫) 文庫 – 2001/8

恥ずかしながら小鷹氏はお名前しか存じ上げず、昨年末に逝去のニュースをお聞きして残された作品の品質について大変評価の高い方だと知り、既に絶版になっているこの本は中古で取り寄せたものでした。ハードボイルド物を多数訳しておられるということもあり、軽妙でぐいぐい読ませる文体は圧巻でした。特に、人の手による訳文をバッサバッサと斬っていく翻訳評価のパートはハラハラ…当時としては画期的な試みだったことでしょう。それでも不遜な印象を残さずに終われているのは氏のお人柄と本質を突いた内容故であろうと思われます。また「翻訳専業ではなく物書きである」と自称しながらも、氏の翻訳にかける思いとその思いに牽引されながら培われてきた文章技術の高さもその文体・語り口に表れており、改めて「翻訳はおもしろい!」と思わせてくれる、手元に置いて時々読み返したい貴重な一冊となりました。
通訳とはなにか――異文化とのコミュニケーションのために
単行本(ソフトカバー) – 2015/8/8

近藤正臣氏といえば、今の日本の通訳業界でも最も経験年数の長い通訳者・研究者のお一人でしょう。この新刊はご自身の通訳経験と研究を一般読者向けにまとめた集大成という位置づけではないかと思われます。ところどころ通訳理論の説明が細かくされているのですが、その辺りになると一般の人には少し分かりにくいかなと感じました。また、誤字脱字が散見されたのは非常に残念。小鷹氏の文章を読んだ後でしたので、いっそう(よくない意味で)「いかにも通訳者の文章」という感じが際立ちました。技術的理論は敢えてそぎ落として仕上げられた方が一般読者には通訳という仕事の魅力をより効果的に伝えられたのではないかと思いました。

今は引き続き現代アート関連の本が数冊待っているのと、それに絡んで近現代史をおさらいしておく必要性を強く感じて、まずは日本の近現代史の解説本を読んでいます。昨年は読書量がかなり落ち込んでいたこともあり、こんな感じでせっかく読書三昧で始まった2016年ですので、この勢いを止めずに今年は読書量を増やそうと考えています。

本年もどうぞよろしくお願いします。

宮原 美佳子
ピースリンク通訳事務所