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2014年4月4日

簡易同時通訳機器(その4:デジタル機器)

前回までで解説した通り、従来から広く使われているアナログ機器での対応チャネル数は最大6チャネルまでです。ところが困ったことに海外の客様から、分科会を4つ平行して開催しそれぞれに日英同時通訳で2チャンネル合計8チャンネルを使用して会議を進めたい、とのご要望を頂きました。

そこでいつもお願いしている機器サプライヤに尋ねてみたところ、従来のアナログ機器では対応できるものがないが、デジタル機器で対応可能なものがあると教えてくれました。「トラベルイヤホン」という商品名です。この商品は前回確認した電波法の中のB帯を使用するものです。


  1. A帯: 要ライセンス取得 テレビの番組中継波等として使用。
  2. B帯(700MHz~800MHz): 混信の可能性が高く使用にはリスクが伴う。音質はA帯と変わらない。ただしA帯とは異なり許可制ではないので自由にチャンネルを設定できる。
  3. C帯(300MHz): B帯同様に混信の可能性があり。音質はA・B帯より劣るようで電波の飛び(距離)は波長が低いため一般的に長いとされる。(パナガイドやTOA社製品が使用しているのはこの帯域です。)

以下のような利点、難点(特徴)があります。

【利点】
  1. B帯使用のため、好都合なことにアナログ機器との併用でも干渉は発生しません。(通訳機器以外の電波発信装置、例えば会場設置のワイヤレスマイク等との干渉確認は必要でしょう。)
  2. 同時使用可能チャネル数が16チャンネル!
  3. 機器が軽い。
  4. 海外の電波法に合わせて設定変更が可能なため、海外持ち出しも可能。
  5. レンタル料金が従来型簡易通訳機器と比較して圧倒的に安価。

【難点】
  1. デジタル操作のボタンを押してチャンネルを調節しますが、チャネル操作感に欠け操作しにくい(実際に業務で使用経験のある方の感想)。
  2. 多くの日本の通訳者は使用経験がない。
  3. レンタル業者数が限られているため、必ず予約可能とは限らない場合も…。

具体的なレンタル価格や業者については言及を避けますが、サービス業者は検索すれば直ぐに見つかります。私自身実際に行って実機を触って確認しましたが、機能上はまったく問題ありませんでした。

【レンタルの際の留意点】
レシーバーの視聴機器のデフォルトは「(消毒済の耳穴挿入タイプ: 写真参照)イヤホン」ですので、パナガイドに慣れているお客様向けにはレンタルの際に「耳たぶ装着式のイヤホン」を指定することをお忘れなく。

***

実は随分前にもパナガイドについての記事を書いています。その中で、携帯電話、スマートフォンのような小型機器が出てくるにも関わらず未だパナガイドやTOA機が主流を占めていることに疑問を投げかけていたのを思い出します。技術の進歩によりもっと安価に、もっと便利にこうした機器は使えるようになるはずです。

今回は簡易通訳機器についてでしたが、技術の進歩は電話会議システム、テレビ会議システムにも及んできています。将来的には国際会議級の会議でも、現場に足を運ばなくとも通訳を聞きながら出席することは十分可能になるはずです。実際には技術はすでにそこにあっても、使う側が追いついていないことを認識し、通訳者もそういう時代にどう対処するべきかを考えておく必要があるでしょう。

しかし、設置型のシステムについては企業としては償却の必要があるためか、なかなか新しい物に出会うことは稀です。そんな中、通訳者が個人で簡易通訳機器を持つことの意味を、次回は考えてみたいと思います。