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2013年12月28日

同時通訳者の悲劇ー国連総会

けして人事ではなく、誰にでも起こりうることです。最新の注意を払ってこうした事態は避けなければなりません。それが、メディアの目にも晒されており、国際的意義の高い国連会議の場で起こってしまいました。

イスラエルに関する決議を国連総会で行う場面でした…。

UN interpreter in disbelief over anti-Israel resolutions
A Spanish-English translator voices disbelief on the disproportionate number of resolutions on an open mic

スピーカーのメッセージを伝えるのが通訳者の役目です。ですが、メッセージは字面だけに現れるだけでなく語気やスピードなどにも如実に現れますから、通訳者のスタイルにもよるとは思いますが、ある一定のラインまではそこから読み取れるメッセージを解釈してアウトプットする必要が出てきます。

そんな役割において、通訳者本人の信条とするところと違う内容を通訳することには、かなりな抵抗を伴うのは事実です。かつて鳥飼先生が通訳の神様と呼ばれた國弘先生に「自分の歌が唄いたくなるよ…」とおっしゃられたのは、そういう通訳者としての葛藤を絶え間なく経験されていたから…ではなかったでしょうか。



この通訳者がやってはならない間違いを犯したのは確かです。でも、私自身もブース内で通訳の合間の休憩に、ペア通訳と寛ぎながらお喋りをしながら突然「まさかマイクONじゃないよね…!?」とヒヤッとしたことは有ります。他人ごととは思えません。

この通訳者にどういった対応(処分?)が下されるのか、気になるところです。

2013年12月20日

22. 通訳学校では教えてくれないコトー専門分野を絞る〜今昔

音楽や映画、芸能関係の通訳をしたい!という声をよく聞きます。実は先日、映画もご専門にされているある大先輩にお話を伺ったところ、そういった業界はすでにそれだけをご専門に長く活動されている方が多くおられるそうです。(つまりそれ以外の分野には全く手を出さない通訳者…ということのようです。)

一昔前の通訳が全体的に不足していた時期には、通訳者の「これがしたい!」という望みは割と難なく叶えられたようですが、現在は業界単位で目を向けると、多くの人が専門にしたいと思うような人気分野は飽和状態で入り込むのは厳しい…とのこと。この先輩通訳者も今現在の「芸能分野専門通訳のなり方」については、わからないな…と困ったような表情でらっしゃいました。

しかし、エンタメ系の一分野であるゲーム産業の通訳案件は、その産業の成長と共に一昔前に比べると格段に増えているようです。このような業界では、通訳を使う側が
ゲーム知識のある通訳にどうリーチすればよいのか知らないはずです。(一般の通訳エージェントが抱える会議通訳者でこの分野の専門…という方は非常に稀だと想像しています。実際、通訳エージェントで得意分野を聞く時に「ゲーム通訳」の選択肢を見たことが有りません。)もし、そのチャンスを捕まえたい…と思うなら、マーケティング面での個人的な戦略が必要になりそうです。

結局、先輩達の世代とは違ってやはり何が来ても一定レベルこなせる力をつけた上で専門を絞れる、つまり、エージェントに希望分野の要望を聞いてもらえるレベルに全体的な技術の底上げが必要…という事になるでしょうし、同時に自分が興味ある分野の急成長が予想されそうなら、マーケティング面でのアプローチも必須ということでしょう。

日本の通訳業界はエージェントを介したビジネスモデルが主流、或いは半ば確立していると言っていいでしょう。しかし、通訳者の絶対数が増えている今、エージェント任せでただ「育ててもらう。」という姿勢だけでは生き残れない(継続的なスキル向上の努力は大前提…)と私は強く意識しています。考えてみれば「フリーランス」ですから当然の事なのですが…。

2013年12月13日

イベント「かいま見る通訳の世界」神戸女学院大学


2014年1月13日(月・祝日)、神戸女学院大学大学院文学研究科英文学専攻では、「通訳・翻訳コース」開設10周年を記念して【かいま見る通訳の世界】と題して下記要領でイベントを開催するそうです。(詳しくは以下のリンクをご覧ください。)

http://www.kobe-c.ac.jp/files/dtl/hm_0000001270.html

ここの教員の一人は元同僚なのですが、いわゆる大学教員に時々ある実務は限られた年数…というのではなく、実務経験も長く本当に現場に出てもバリバリの実力を備えた方です。後半では逐次通訳マスター・クラスを公開とのことですので、通訳にご興味のある方は是非足を運ばれることをおすすめします。

2013年12月5日

2014年度関西大学大学院新規開設「通訳翻訳プログラム」

2014年度から関西大学大学院で新たに開設される「通訳翻訳プログラム」のお知らせです。

http://someya-net.com/ITProgram_Kansai.pdf

出願書類は下記ウェブサイトから入手可能です。

http://www.kansai-u.ac.jp/Gr_sch/guidebook.html#A13
(抜粋)…高度な学問的見識を備えた通訳 翻訳実務者の養成(高度職業人再教育)を挙げている。
関西でここまで本格的な通訳翻訳の大学院におけるプログラムははじめてでは無いでしょうか?すでに市場で実務経験のある者が対象になるとはいえ、初年度入学者の卒業後の動向が気になるところです。


2013年12月1日

21. 通訳学校では教えてくれないコトー同時通訳:入り口としてIT

私は大学卒業後にシステムエンジニアとしてメーカー系のシステムインテグレーター(いわゆるSIer)へ就職しました。その為、職歴書を見たエージェントさんが比較的IT関連のお仕事を多めに振ってくれたこともあり、フリーランス駆け出しの頃からかなりIT寄りで仕事をしてきました。振返ってみると同時通訳の経験を積むのにIT分野は(私のバックグラウンドを考慮しなくても)入り口としては入りやすい分野だったように感じています。

経験上、IT分野の通訳はちょっと損かな…と思うのは、5年前と現在ではトピックになっている末端技術や、データベースやプログラミングに関する思想がずいぶん様変わりしてる感じのあることでしょうか。刻々と進化する業界ですからそのスピードにキャッチアップしていくには、ずっとその流れを見ている必要があります。

こうした業界の文脈における概念を理解せずに「ITはカタカナだから大丈夫。」と思っているうちは「あの通訳さんはカタカナにしているだけ。」とお客様に厳しく指摘される事態も起こりかねません。(そういう通訳さんと残念ながらご一緒したことが有ります。)

一方でIT用語の多くは、日英の場合にそのまま英語読みにしてロジックを組み立てていけば何とか形にすることができるのも事実で、英日の場合でも日本語の定訳(略語・概念)を知らない場合でもそのままカタカナでの訳出で、業界の方であればほぼ理解できてしまいます。

用語そのものの音を変換する必要が無いことで、概念やロジック構築に時間を多く割くことが可能です。同時通訳に於いては一瞬の出来事ですが、この一瞬が物をいうのが同時通訳ですから。また業界的に見ても案件数はコンスタントに非常に多い印象で、同時通訳の経験を積みたい方の入り口としては比較的入りやすいかな…と思います。

ただ、ちょっと注意は必要なのは、エージェントからIT案件として出てくるものの多くは、実はIT業務案件である場合も少なくなく、ITそのものの知識よりは業務内容(物流、生産管理、業務管理 他)について精通していることを求められることも少なく有りません。その場合に求められるITの知識はそれほど高次の物ではないので、いかにお客様業務の飲み込みが速いか、事前に一般的な業務手順を知っているか、ということが鍵になります。

結局、何にしても全体的な底上げは必要ということには変わりない…ということになりますね。