2013年9月30日

20. 通訳学校では教えてくれないコト -フリーランス前夜(後編)

時刻は午前五時をまわり、残すところ三十分。十五分交代で回ってきた私の最後の出番。会議もまとめの段階に入り、今後フォローすべき点を地域別に確認していく。全て確認し終わったところで私の持ち時間が終わり、パートナーに交代。パートナーは議長のまとめと次回会議予定を淡々と通訳して、四時間に及んだ会議が終了した。業界における提携の構図が大きく変わりつつあった当時、この会議の成果がその後の社の方向性を決める重要なインプットになったように思う。皮肉にもそうした大きな変化の流れにのまれ、私は派遣期間満了の雇い止めとなった。

ブースを出ようと立ち上がった時に自然と涙が溢れた。もう同通ブースには一生入れないかも…通訳のチャンスすら巡ってこないかもしれない。ごく限られた通訳需要しかない広島を出るわけにはいかず、先が全く見えなかったからだ。でも、楽しかった。通訳が好きだった。事情を知る顔見知りの管理職の方は、どう声をかけていいかわからない様子だった。その後「失礼します。」とだけ言って会議室を後にした私だったが、今伝えたい。

「大好きな通訳を今も頑張っています!」と。

広島通訳 Tea Salon を開催します

例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...