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2011年3月27日

"Earthquakes. Tsunamis. Wars pass. Love lasts"

今回のシンガポール出張が決まったのは、いつもの出張依頼に比べるとかなり早い時期でした。ですが、震災が起こったため、先週初めの三日間福岡での仕事中も、なかなか連絡が無かったのでとても気になっていました。

福岡での仕事も週初めから緊張感が高まっていました。よくお世話になる会社なのですが、月曜の朝から緊急の会議が幾つも開かれ、社員さんの間にも普段にはない緊張感、でも落ち着いて事に当たろうとする強い共通認識があったように思います。

政府の要請に応えて普段の出荷より人道支援を優先する、社員の家族関係者に被災した人がいないかの調査…淡々とことは進んでいきますが、その中で確実に日本人として、その企業で働くものとしての連帯感が広がっていました。

一方、私は福岡で仕事を始める迄は複雑な気持ちでした。こんな時期に海外出張してもいいんだろうか…?福岡出張中に思わずTwitterで複雑な気持ちをつぶやいたところ「出張先で日本は大丈夫だよ!ということをアピールして帰って下さい。」という発言を頂きました。

確かにそうです。私が仕事を控えて日本に残ったところで、これ以外に仕事の予定が入っているわけではないし何の役にも立てません。何より、出張に行くことを決めて通訳を必要とするお客様がいるのです。そんな風に考えながら、出張準備を進めて成田へ向かいました。

お客様とは成田の搭乗ゲート前で待ち合わせです。合流後早速震災の話になります。お客様の関係会社も随分被害を受けたそうです。それでも出張に行こうと決めたのは「我々が元気だと言うことを海外の関係会社に大丈夫だと伝えなきゃいけない。」と思われたから…と話して下さいました。とても勇気づけられました。

出張先のこちらシンガポールでは、世界中から関係会社が集まってセミナーを開催しています。シンガポールの町は賑やかで、豊かで、滞在するのは高級ホテル…。どこにも日本の惨状を感じさせるものはありません。



でも、テレビを付けるとCNN、BBC、CNBCそしてもちろんNHKも日本の状況を伝えています。

朝食の時には、レストランのレセプションの女性に「日本に住む日本人の方ですか?」と聞かれました。「日本のために祈っています。」と席を用意してくれたあと声をかけられました。

火曜日の夜はTeamDinnerが開かれ、Dinnerの締めのスピーチにお客様が指名されました。日本の全体的な状況に触れたのち、関係会社の被害状況を紹介。それでも、西日本も頑張ってくれている、我々もしっかりと日本を支える!と時にはユーモアも交えながら挨拶され、各国メンバーから「よいスピーチだった!日本は絶対にこの試練を克服する!」と声と拍手が上がり、皆さんの思いが伝わり連帯感が広がりました。

セミナーの休憩中には、必ずどこかの国のメンバーが寄ってきて「日本はどうなの?」と、より詳しい状況を尋ねてくれます。そうして日本の状況を尋ねるとともに、自分たちの国の状況も語ってくれたのが印象的でした。


例えばドイツ。環境意識の高いドイツではCO2排出と発電効率のよい原子力発電所建設を当初積極的に進めました。しかし、チェルノブイリの放射線被害が国内で懸念されたことから少しずつ脱原発の動きが広がり、アメリカの9.11以降稼働における安全性について、外的なもの(テロ等)に起因する問題を意識するようになったそうです。以前は一般市民が自由に出入り見学できる施設として存在していましたが、現在では近づくことすら出来ないそうです。そうした経過を経て、原子力発電は進むべき方向ではないと定めて、すでに2030年までに全ての原子力発電所の稼働を停止するということで産業界を含め、関係者の間での合意/サインもされているのだそうです。
(3/27報道:脱原発主張の緑の党が大躍進し、メルケル首相率いる連立政権は敗北)


インドは2004年にM9のスマトラ沖地震を経験しています。南インドで10,000人近くが死亡し3,000人が行方不明になりました。それでも、インドは急速な経済成長の中にあってさらなる電力供給能力を獲得するために、今まさに原子力発電所の建設ラッシュとも言える状況だったそうです。ところが今回の日本の地震津波の災害事故の報告を受けて、全ての建設を一旦ストップし、本当に建設続行が正しい方向性かどうか議論しているそうです。

また、日本に訪れたことのある人はほとんどの方が自分の日本滞在経験を語ってくれました。フィリピンのメンバーは昨年春に東京と鎌倉を訪れ咲き誇る桜に心奪われたこと、シンガポールのメンバーは東京や横浜で友人と美味しいものを沢山食べたこと語ってくれました。そして直接の滞在経験がない人でも、自分の家族や友人同僚が日本訪問について語ってくれた経験や日本人のことを聞いて、いつか必ず訪れたいと考えていると話してくれるのです。

こういうときだからかも知れません。日本は素晴らしい、resilient、well disciplined、patient!メディアで伝えられる勤勉な国民、忍耐強く、礼を重んじる。略奪もないし秩序だって協力して行動できると、大絶賛。


本当のところは買い占めは起こるし、心ないデマを流す人もいれば、この機に乗じて振込み詐欺だって多数発生しています。でもそれを差し引いても、海外には日本人の美徳は顕著なようです。

海外は日本人に期待している、絶対に復活すると信じていることを私たちにしっかりと伝えてくれました。海外の期待にこたえる中で、新しく美徳と出来る国民性をこの試練の中から忍耐強く育てて行ければ…いえ、育てて学んでいくと決意しなければなりません。


もちろん、途方もない時間と労力が必要です。しかし被害の全容すらわからない今、特に私のように被災してない者は覚悟を決めるほかに出来ることはないでしょう。大変な「歴史」を経験していることに、身の引き締まる思いです。

地震。津波。戦争。それでも最後に残るのは愛。
"Earthquakes. Tsunamis. Wars pass. Love lasts."
(Six Words Memoirs at Smith Magazine)
Twitterで流れていた言葉です。
世界は1つ。