2011年3月29日

4. 欲しいのは「伝えようとする熱意」

今回の予定は、勉強法に触れる予定でしたが急遽予定を変更させて頂きました。震災以降考えていることがあり、どうしても通訳を目指す方に知って頂きたく書きます。通訳に必要な資質とは何かを、皆さんにしっかり考えて欲しいのです。

どうやっても100%の通訳は有りません。でもそれを分かった上で、異言語間を橋渡ししてメッセージを伝える仕事です。(分かっているよと言わないで、笑)通訳技術が必要とされることは当然ですが、実は同じくらい大切なのは「どうやってでも伝えてやろう!」とする熱意です。

少し説明としては回り道になるかも知れませんが、震災以降考えていたことを率直に書きますので何かを感じ取って頂ければ嬉しいです。

2011年3月27日

"Earthquakes. Tsunamis. Wars pass. Love lasts"

今回のシンガポール出張が決まったのは、いつもの出張依頼に比べるとかなり早い時期でした。ですが、震災が起こったため、先週初めの三日間福岡での仕事中も、なかなか連絡が無かったのでとても気になっていました。

福岡での仕事も週初めから緊張感が高まっていました。よくお世話になる会社なのですが、月曜の朝から緊急の会議が幾つも開かれ、社員さんの間にも普段にはない緊張感、でも落ち着いて事に当たろうとする強い共通認識があったように思います。

政府の要請に応えて普段の出荷より人道支援を優先する、社員の家族関係者に被災した人がいないかの調査…淡々とことは進んでいきますが、その中で確実に日本人として、その企業で働くものとしての連帯感が広がっていました。

2011年3月26日

「英語と日本語のあいだ」菅原克也 著

「はじめに」より抜粋
本書の記述は、「コミュニケーション英語」重視の風潮の中で、広く唱えられている意見とは、大きく立場を異にする。そのような主張をする理由については、本書を最後までお読みただければ、理解していただけるものと信じる。主眼となるのは、日本人として英語という外国語とどう向かいあうべきなのか、という点である。


以前読んだ鳥飼久美子先生の「『英語公用語』は何が問題か」でも取り上げられていた、コミュニケーション英語重視にシフトする中で改編された学習指導要領が気になっていました。私は指導要領改訂前の世代であり(当然ながら…)、高校時代に文法は徹底的にたたき込まれ、定型句をひたすら覚える詰め込み型の教育を受けました。

思い起こせば中学1、2年生の頃は私は英語では嫌いではありませんでした。(実は随分長い間、英語はずっと嫌いな科目だったのです。)中学生の文法など、文型があって、せいぜい進行形、受け身程度です。私程度のCPUしか無くても何とか処理できるレベルでした。


ただ、記憶呼び出しのパフォーマンスは人より悪かったことと、語彙のデータベース構築が出来ていなかっために、恥ずかしながら得意科目ではありませんでした。それでも、パズルみたいで楽しい!と少なくとも中学二年くらいまで感じることが出来たのは、やはり「文法のおかげ」と思っています。

2011年3月24日

Seeing is Believing

普段からよくお世話になるお客様と一緒に、シンガポールに出張しています。広島にいると分からなかったことが、成田への移動中、またシンガポールに来てからもいろいろ見えてきました。

【関東での交通網の混乱】
19日中には広島から東京に移動する予定でしたが、地震前に押さえていた新幹線の出発時刻は午後2時午後6時頃東京着。
取っていたホテルは大崎駅側だったので11:30a.m.の便に間に合うように成田行くのはかなり時間的に危険、とエージェントから指摘。必ずその日のうちに成田に着けるように朝早めに出て欲しいとの指示がありました。

2011年3月21日

「日本人が誤解する英語」マーク・ピーターセン 著

マーク・ピーターセンと言えば「日本人の英語」「続 日本人の英語」で有名な著者です。が、恥ずかしながらこの2冊については読んでいません。品川の新幹線改札を入った場所にある狭い書籍販売スペースに売られており、「たちまち重版」の売り文句にすっかりその気にさせられ購入しました。

でも実は、同時期に発売されている越前敏弥氏の「日本人なら必ず悪訳する英語」の噂を聞いており、そちらとすっかり間違えての購入でした。(こちらの書評は後日)勘違いして購入したため、ほぼ中身は見ずに買いました。

英語初級者~中級者、あるいは高校生に是非読んでもらいたい内容です。(なので私は少々退屈もしましたが…。それでも最後まで目は通しました。)

2011年3月19日

息子の卒業式

私事ですが、息子が無事に昨日、小学校を卒業しました。6年前に小さな体に大きなランドセルを背負って入学したのがついこの前の事のようです。

震災以来私自身は被災していないのに伝えられる情報に圧倒されてしまい、何となく気分が上向かない日々でした。でも、卒業式のためにちょっとキレイにして(いえ、白髪を染めたんですがね、笑)黒のスーツにコサージュつけて小学校に向かいました。久しぶりに晴れ晴れとした気分で家を出ました。

式が始まった後に携帯にメールが入りました。卒業式のお決まりの「呼びかけ」が始まった時でした。

2011年3月16日

2010年度 コミュニティ通訳研修会 -広島-

広島でボランティア通訳向けの研修会が開かれます。主催は広島県手話通訳問題研究会ですが、地域でボランティア通訳をしている方、また希望する方が対象です。
 

全国的に手話通訳、言語通訳のボランティアが募られています。この度の震災で、ボランティア通訳に興味を持った方も多いのではないでしょうか?

もちろん普段から勉強して言語能力を磨くことも重要ですが、こうしたセミナーを受講しておくことで、実際に言語サービスが求められる状況になったときの対応方法、姿勢を学ぶことが出来ます。

日 時 3月26日(土)~27日(日)いずれも10時~16時
対 象 地域でボランティア通訳として活動している人、または活動したい人
定 員 30名
受 講 料 2000円 (広通研会員は半額を広通研が負担します)
会 場 広島市東区地域福祉センター4階・ボランティア研修室

お申し込みはコチラのPDFを印刷してファックスで082-568-6771へ送信とのこと。

2011年3月14日

東北関東大震災

東北関東大震災に見舞われた方には
心からお見舞い申し上げます。

私がこの地震、津波の被害を知ったのはTwitterからでした。

本当に言葉もありません。

できることをしていこうと思います。

【Twitter】
手始めに、Twitter上の翻訳通訳仲間達とTwitter上で有用な情報を翻訳するボランティアを震災当日よりはじめています。
#honyaquake でサーチしてもらえれば各国語情報が見られます。
また、緊急情報を英語、その他の言語に翻訳してTwitter上に流したい場合にも同じ #honyaquake をつけてつぶやいてみてください。見つけた有志が翻訳してRTします。

【Facebook】
Facebook上でも緊急で有用な情報について有志が翻訳するサービスをはじめています。

Free Japanese>English Translations for Tohoku Earthquake/Tsunami Relief

こちらに翻訳対象メッセージを投稿頂ければ、登録する有志が翻訳するシステムです。 ただし、リンクを貼り付けて「このページを翻訳ください!」というのはご遠慮ください。




さらに、私が所属する団体でもボランティア通訳のリストを作りはじめたようです。 残念ながら既に決まっているビジネスのスケジュールがあるため、それ以外の期間で既に私もオファーしました。

また、通訳として以外にもきっと出来る事があると信じています。節電や寄付、また日々の生活を粛々としていくこと、それも大事な支援と考えます。被災した方には何と言葉をかければよいのか本当に分かりません。

被災の規模から考えて、支援活動は長きに渡ることが予想されます。たとえ遠方にあっても支援する私たちが被災者に心を寄せ続けなければならないと思います。


向こう三日間にマグニチュード7以上(震度6前後)の余震が起こる確率が70%と気象庁が発表するなど、困難は計り知れませんが、落ち着いてことにあたり、二次被害を最小限に抑えられるような活動に何らかの形で貢献していきましょう。

海外の一般の方からも支援の声は上がっています。
幾つか元気のでるサイトを紹介します!


節電ポスターサイト 

こころに残るつぶやき

世界が日本のために祈ってくれている!


通訳、翻訳者としてお役に立てそうなことがあれば、遠慮無くご連絡ください。

ピースリンク通訳事務所
代表  宮原 美佳子





2011年3月10日

刑事弁護人と司法通訳者との意見交換会 - 広島弁護士会主催

先日、2月20日(日)に開催された「刑事弁護人と司法通訳者との意見交換会」へ出席してきました。海外出張から帰国したばかりでヘロヘロになりながらの出席でしたが、行ってよかったです。

会場から一部Twitterを使ってレポートした内容も含め、当日の様子をレポートにまとめてみました。これも、あくまでも私的なメモですので、一般ブログ内容とは致しません。ご興味のある方はDLしてご覧下さい。

参加された方で間違いに気付かれたり、理解に齟齬があると感じられた方がおられましたら、遠慮無くお知らせ頂ければ助かります。

また、それぞれご専門の見地からアドバイス等有りましたら、是非お寄せください。

2011年3月3日

医療通訳を考えるセミナー

セミナーのご案内です。
医療観光は成長市場として注目され、経済産業省や観光庁が調査を始めるなど、外国人患者の誘致に積極的な病院も出てきました。旅行業界も注目しています。
今後需要の見込める通訳市場といえるでしょう。
ご興味のある方はどうぞ。


**************************************************
医療通訳を考えるセミナー
【あなたの病院に“外国人”の患者さんが来ました。】
~ことばの通じない患者さんを通して兵庫県の地域医療を考える~
**************************************************

ことばの通じない患者さんが来院すると、コミュニケーションが うまくとれないことがあります。また、ことばの壁を感じ診療を 受けたくても我慢するような患者さんもいます。
誰もが安心して医療サービスを受けられる地域医療のために、 どのような対応ができるでしょうか?
医療通訳を考えることで、医療に関する現状と課題への理解を深 める機会にしたいと思います。是非ご参加ください。


■日時
2011年3月26日(土)14時~17時

2011年3月2日

3. プレースメントテスト

通訳学校へ行くと決めたら、入学するにはまずプレースメントテストを受けなければなりません。今回はプレースメントテストのあまり表だって語られることのないその実態(物騒な響きですが…笑)と、活用法について書いてみます。

まずは、まだ通訳学校に通ったことの無い方の為に、プレースメントテストとは何かを説明します。とはいうものの、手っ取り早くいえば「クラス分けテスト」です。多くの場合は有料で、だいたい2,000-3,000円でしょうか。

私がプレースメントテストを受けた頃(ずーっと前…)は、結果は入学を許されるクラスでしか通知されませんでした。でも最近では、英検の受験結果通知のようにテスト結果をセクション毎に点数付きで通知してくれる学校もあるようです。

それではまず、物騒な方(?)から片付けていきましょう。

広島通訳 Tea Salon を開催します

例年、3月の決算締め月に向けて皆さん予算を使い切ろうとなさるのか、2月中旬から通訳業界は多忙を極めます。そんな中、 なんとかかんとか確定申告を終わらせて、週末にほっと一息ついているところです。 このブログのオーナーである私は、今でこそ東京住まいですが、出身の広島には頻繁に帰省して...